＜Intersex（半陰陽）って何？＞

　性別って決まりきったものだ、と思っている人はけっこう、
　いると思います。性別を決める要素は３つ（性染色体、
　内生殖器、外生殖器）あります。（保健体育レベルの話）　



	性染色体	内生殖器	外生殖器
男の子	ＸＹ	男	男
女の子	ＸＸ	女	女



　まぁ、一般的に大多数の人はこの分類に収まると思われてます。
　ところが、実際には、上記組み合わせ以外の人もいます。
　　※組み合わせが異なる場合を仮性半陰陽、両方の性別の
　　　特徴をもつ場合を真性半陰陽といいます。

　例：性染色体（ＸＹ）　内生殖器（男）　外生殖器（女）

　この例の場合は、卵巣がないので受胎はしませんが、それ以外は
　まったく普通の女の子と変わりません。
　違いがないので、普通、本人は自分が異なることを自覚しません。

　また、内生殖器を男女、どちらも持っている場合もあります。
　精巣、卵巣は２個ずつペアになっているのが一般的ですが、
　男女どちらももつ場合は、それぞれ１個ずつもっているわけです。
　
　外生殖器も男の子から女の子まで形状は無段階に存在します。
　ですから、実際の性別の種類は以下のようになります。

　性染色体（ＸＹ、ＸＸ、ＸＹ＋ＸＸ）の３種類。
　内生殖器（男、女、男女）の３種類。
　外生殖器（男、女、その中間）の３種類。

　単純に言って、３×３×３＝２７−２（典型的パターンを除く）
　・・・つまり２５パターンの男女のどちらに分類するか、
　判断するのが難しい組み合わせの場合があり得るわけです。
　　※確認されていないパターンもあるので、実際には
　　　２５パターンはありません。
　このどちらに分類するか判断するのが難しい組み合わせの
　性別をIntersex（半陰陽）と呼びます。

　現代においては、研究者にもよりますが、多い見積もりでは
　４０人に一人が、Intersexに該当する、という話すらあります。
　　※ただし、外見では典型パターンと同一に見える場合、
　　　　本人が自覚をしていないことは多々あります。

　あと、このIntersexとは別に性同一性障害という病気が
　ありますが、これはIntersexとは異なり、脳の性別と
　身体の性別が異なるというものです。

　主人公のシンリは、性別はIntersex（作中では中性と表記）です。
　描写にあるように、見た目はボーイッシュな女の子です。
　作品中では上記組み合わせのどのパターンに該当するのかは
　触れない予定です。触れる必然性はありませんので。

＜エヴァＩＳの世界における中性（Intersex）の扱い＞

　エヴァＩＳの世界における日本政府は、中性に該当する
　出生児（明確に男女の判断を行うことが難しい子供）の
　セカンドインパクト以降の増加により、出生直後に、
　性別判定が難しい幼児については、すべて中性（Intersex)と
　することにしています。

　結局、脳の性別と身体の性別の一致が最重要であるため
　早急な性別決定は弊害が大き過ぎるという判断からでした。
　また、該当者の増加により政府としての対応を望む声が
　無視できなくなったことも要因としています。
　　※最悪の場合、自分の心と一致しない身体を嫌悪し、
　　　自分の身体を傷つける場合などもあります。
　　※中性の人の場合、必ずしも男女どちらかに
　　　明確に精神発達が偏るとは限りません。

　お約束な話ですが、法整備だけして体裁を整えた政府は
　あまり率先して新たに作った中性という性別を定着させる
　ための活動はしていません。

　トイレも更衣室も浴場も相変わらず男女の二種類しか
　用意されていませんし、その状態を罰する法整備も
　されていません。

　学校の授業形態も言葉も中性に合わせる改定は
　まったくされていません。

　これまで同様、どちらかの性別と共に行動することを
　強制しています。

　もちろん、考慮する動きもありますが、まだまだ少数です。

　現代とは異なり、中性として対外的に性別が異なることを
　明示させることを強制していることへの弊害も多々あります。

　・・・なんだか話がダークになってきましたね。

　ただし、エヴァＩＳの舞台となる第三新東京市は世界中で
　最も特異な街です。あらゆる設備は対使徒戦用に作られて
　いて、人口密度は高くありません。
　また、あらゆる設備は考え抜かれた設計になっています。
　　※都市設計が完結しているため、路上駐車などの
　　　設計上の問題は発生しない。
　そのため、中性に対する対応は先進的に行われています。

　シンリに対する職員の対応が比較的、真摯であるのは
　事前の教育が行き届いていることによります。

　実はゲンドウの意向が強く反映しているという噂も・・・。（＾＾；）


　ですから、作品中では性差別に関する痛い表現はあまり
　でてこない予定です。
　痛い話が好きな方は、第二東京市に関する記述やシンリの
　発言、心理描写から深読みして楽しんでください。