俺は傭兵。
「これより目標地点に到着する。もう一度依頼された任務を確認する」
しかもいまだその見習だ。
「目標は都市を制圧している部隊の撃破。敵勢力は戦闘メカだ」
そして今はある資格を取る為に実践実戦試験が行われる。
「この任務を達成したとき、君達はレイブンに登録される。このチャンスに二度目はない、必ず成功させる事だ」
そうレイブン。それが俺の目指す職業。この閉鎖され、管理された世界でただ一つ、唯一その管理から離れたもの。
それがレイブンだ。
「これより作戦領域に降下する」
機体が輸送機より降下される。俺はグローバルこーテックスに運良くアクセスし、現在レイブン試験を受けている。
試験の内容はそのつど変わるが殆どの者は落ちる。
実戦形式でテストするのでテスト中の死亡者と言うのも後をたたないがそのリスクを補って余りある利益が、
レイブンとなった後与えられる。今回は俺以外にもう一人、このレイブン試験に参加する者がいる。
名前は・・・レイブンネームで確かブラスと言ったか。まあせいぜい足を引っ張らないでくれれば良いが。
シークレッド ブラッティー 管理された世界で
惑星規模での大規模な災害から数百年後――――――――
地上に犯濫していた文明は破壊され、人類はその人口の大多数を失った。
災害を免れたわずかな人々は、死の大地と化した地上を捨て、
その災害を予見していたいくつかの国家によって作り出された地下都市＜レイヤード＞へと移り住んだ。
最先端の技術を持って建造が進められた、このシェルター都市は人類が生き延びる「方舟」でもあった。
＜全ては人類の復興のために＞その世界は唯一つのものに管理されていた。
あらゆる出来事はそのものに決定され、人々は、管理されることを当然のものと受け入れていた。
管理者の庇護の下で、人々は約束された繁栄を謳歌し、やがて力を持つ者＜企業＞が生まれた。
企業はより大きな力を求め、互いに争いを始めたが、それすらも管理者の掌の上の出来事だった。
全てが管理される地下世界に存在する、唯一の例外。彼らは「レイブン」と呼ばれていた。
輸送機から２機のＡＣが降下してきたのを見て襲撃部隊は色めきたった。
その２機はペイントすらされていない規格ＡＣ、上手くすればそのうちの一機は自分の物になるからだ。
ＡＣは高く売れる。たとえ規格機体でもすべて売れば恐らくこれから一生遊んで暮らせるだろう。
自分たちがＭＴと呼ばれるＡＣより格段に劣る兵器に乗っている事も忘れ、皆一様に興奮した。
２機のうち後から下りてきたＡＣ、乗っているのはレイブンネーム『ガイギス』
レイブンネームは本名でなくて良く、本名をそのまま使っている者も少ない。
なぜならばレイブンとは汚れ役だからだ。誰だって本名を名乗って自分の住まいを脅かされたくは無い。
機械音で不気味に戦闘開始が告げられた。それは機械的な声だった。
ガイギスは先行するブラスの事は歯牙にもかけず、ブースターを全開、ＦＣＳ（火器管制装置）をミサイルでセットさせた。
前方に逆関節のＭＴを発見、ミサイルをロックと同時に放った。逆間接戦闘メカ「モア」は、
そのミサイルを脚部に受け横転した。
ガイギスは無情にもそのＭＴに手に持つライフルを撃ち、止めを刺した。
その後ガイギスはライフル選択のまま右を向きこちらに体を向けようとするＭＴ２機、
ブラスに向けライフルを放つ一機全てにライフルを浴びせた。
ブラスの砲撃が前にあったのかその３機は１０秒も持たずに爆発した。
ガイギスはその光景を歯牙にもかけずレーダーの端に移る２機に向けてブーストを発動、
ビルを飛び越え近くにいた一機に左手に持つレーザーソードを振りかぶり、切り裂いた。
これで敵の数は残り３機、ガイギスはまず目の間にいるＭＴにライフルを発射、爆発させた。
その際少しダメージを受けたようだが戦闘に支障をきたすほどでもなかった。
と、試験官から新たにＭＴが４機降下してきた事を告げられた。予定外、しかし排除せよとの事だ。
ガイギスはため息を一つ付くとまず今まで居た残り２機のＭＴをライフルの連射で片付け、
新しく来た無法者に向った。その形は今までのＭＴと違い人型、
左手に盾を持ち右手にバズーカを構えるその姿は誇らしくもあり、どこか滑稽だった。
「スクタームＤ」と呼ばれる重装型ＭＴだ。
ガイギスは４機のうち手前の一機に向いライフルを放ったがどうやら盾に防がれたらしくダメージは少ないようだ。
とここでブラスは追いつき、バズーカを喰らいながらも接近、ガイギスから見て２番目に遠い奴にブレードを放った。
ＭＴはその後沈黙し、爆発したがその間に一番後ろに居たＭＴがグラスに攻撃をかけている。
ガイギウスはライフルを乱射しながら橋の柱を盾にしてバズーカに当たらずにいた。
とライフルが１０発命中したころそのＭＴはようやく爆発した。
ガイギスは舌打ちをするとブースとを使いジグザグに次のＭＴに向いその勢いのままブレードで切りかかった。
ＭＴはその重武装のせいで動きが悪いのか一歩、二歩下がろうとした時にガイギスが急接近、
ブレードの餌食になってしまった。
最後の一機はブラスと射撃戦を演じていた。
ブラスも流石に何発もバズーカは喰らいたくないのか建物の影に右腕だけ出し、ライフルを放っていた。
ガイギスはそれを確認すると後ろに回りこむ様にに移動しライフルを撃った。
前後からライフルの弾が飛んできて最後のＭＴは比較的早く爆発した。
「敵部隊の全滅を確認。なかなかいい動きだ、そうでなくてはな。
力は見せてもらった。ようこそ新たなレイブン、君達を歓迎しよう」
と試験官が言った直後、機体は通常モードに戻っていった。
ガイギスはグローバルコーテックス接続の際に世話になったＡＣガレージに足を運んだ。
ガイギスはそこを取り仕切っているチーフらしき女性に自分のＡＣをまかせた。
ガイギスは２０歳前後だがこのチーフは３０歳前後と言った所か。
彼女の名前はロウス・イルミ、黒く長い髪に黒い髪、さらにめがねをかけていた。
彼女の部下に聞いた話だが彼女は結婚をしていてその夫はレイブンだそうだ。
夫の方はたまにしか顔を出さないが任務から帰ってきた夫に対し彼女は執拗に甘えるため、
一人ものには辛いのだと嘆いていた。
「ふう、殆ど無傷。たいしたものね」
「まあな」
「それでどうするの？武器は売る？」
「いや、色を変えてくれればいい。その他は別に問題は無いからね」
「わかったわ…」
ガイギスはそれだけ言うとその場を立ち去ろうとした。
「それとあなた少しダイエットしてみたら？確かにまだそんなには太ってないけど」
ロウスに一言にピクっと反応したがガイギスは何も言わずに去った。
ロウスは可笑しそうに微笑むとすぐに自分の行う作業の準備を始めた。
ガイギスはガレージを抜けて自宅に向おうとしたがその途中の裏路地で人が倒れているのを見かけた。
近寄ってみると全身血塗れだったが息をしていて、怪我をしているのでは無く返り血を浴びたのがわかった。
どうやら女のようで髪は血の色に混じって青があった。
このままほうっておくのが世の常だがガイギスは辛うじて女だと解るほど血塗れになった人物を自分の部屋に運び入れた。
ガイギスは女の顔などを拭くと意外と美人なのが見て取れた。歳はガイギスと同じぐらいだろうか。
青い髪は血に塗れていたがふき取ると元の色が僅かに見られた。
ガイギスは女の服を上下一枚ずつ脱がせた。女は下にも普段着で通用しそうなシャツと短めのズボンを着ていた。
女の服をたたんで隅に置くとガイギスは女をベッドに横たえさせ、タオルケットを女に被せた。
女はガイギスが部屋に運び込んでから半日後目覚めた。そのときガイギスは丁度寝室の様子を見にきた時だった。
女はガイギスの顔をその血のような紅い瞳で見ると強張ったがゆっくりとした動きで起き上がった。
「まだ寝ていた方がいい。かなり疲れているようだからな」
「あなたは誰？」
「俺はガイギス、レイブンだ」
「そう……ここは？」
「俺の部屋だ。お前が倒れているのを見て運び込んだ。俺が見つけたときは血塗れだったんだぞ」
「そう」
「動けるんなら一度風呂に入れ、勝手とは思うが血の付いた服はこちらでクリーングさせてもらった。
今着ている奴は洗濯機にでも放り込めばいい、服はそこのタンスにあるから自分で選んでくれ」
「解ったわ」
女は言葉少なげにガイギスが言われたとおりタンスから服を出し、部屋から出て行った。
「ふう、もしかしたら偉い拾いもんしちまったかな？」
「あの」
ガイギスは一人ため息をついていると後ろから声があがった。
「うわ！ビックリした」
「お風呂の場所何処ですか？」
「え？…ああ、そういえば言ってなかったか、ここの突き当りを右だ」
「そう」
女はそう言うと風呂場にテクテク歩いていった。ガイギスはその様子がどこか可愛くて無意識に顔を緩めた。
女は風呂から上がり、持ってきた服を着替えてリビングに足を運んだ。リビングの隣の調理場にガイギスは居た。
「お風呂はいりました」
「ん、じゃあこれでも食べな」
そう言ってガイギスが差し出したのはおかゆだった。ガイギスは女が食べ終わると色々と尋ねた。
女の名はレイといった。それ以外のこと、名字やらなぜあそこで倒れていたのやらは覚えていないらしく、
ガイギスはため息を付いた。
「まあ後で調べてみるわ、お前…レイはどうする？行く当てがないのならしばらくここ居ても構わないが？」
「お願いします。そうするわ」
「了解、食ったら横になっとけ。まだ全快ではないようだしな」
「有り難う…」
「どういたしまして」
ガイギスはそう言うと奥の部屋に入っていった。レイはその背中を見た後言われた通り寝室に戻った。
「記録に無い？」
「ああ、生きている奴のリストに君の記録は無かった。そして死亡者リストを漁ってみたんだが…」
「そこにあったの？」
「ああ、かなり昔に死んだ事になっているようだ。それとレイという名前以外何も解らなかった」
「記録が抹消されていたの？」
「ああ、そうらしい」
「そう」
「どうする？昨日も言ったが俺は別にここに居ても問題ないぜ？」
「お願いします。代金は体で支払います」
レイはそう言うと自分の着ている服に手をかけた。
「ちょ！まて！」
ガイギスは慌ててレイの手を掴んだ。
「なぜ？」
「なぜって、当たり前だろう？別に俺はそんな事望んじゃいない」
「そう」
レイはそう言うと無表情のまま服を直した。
「もしお礼がしたいんなら……」
ガイギスは珍しく顔を少し赤らめた。
「え？」
「もし礼がしたいんなら、俺の彼女になってくれないか？」
「いいわ」
レイはそう言うとまた服を脱ごうとした。ガイギスは慌ててレイの手をおさえた。
「だ〜待て！何で行きなり脱ぐ！」
「恋人はこうしてお互いの存在を……」
「言いたい事は解ったがそれはまだ先なんだが…」
ガイギスがため息を付きながらそう言うとレイはキョトンとした顔をした。
ガイギスはレイの表情を見てさらにため息を付いた。
「まあお前の素のままを俺に出してくれれば良い。下手に隠したりせずにな」
「解ったわ」
レイはそう言うとリビングにぺたんと座った。
ガイギスはレイが次にどんな行動に出るかと観察したがレイはそのままガイギスを見返していた。
「ええと、レイさん、何をしていらっしゃるのでしょうか？」
「別に」
「ええと……私はこれからちょっと用事があるんですが…」
「そう」
レイはその後もガイギスの顔をじっと見てそっけない返事を返した。
ガイギスもこういう性格なんだなと思い自室にあるパソコンでメールが着てないかと開いてみると、
グローバルコーテックスからレイブンになったという知らせと挨拶、さらに無料で使える施設などが書いてあるものと、
レイブンとしての依頼があった。ガイギスはまず始めの挨拶の方を見るとなにやら色々書いてあった。
ガイギスはそれを飛ばし読みし、依頼の方をめくった。
そこには期限が明日までの依頼が幾つか在ったがガイギスはどれにも返信を行う事は無かった。
ガイギスがパソコンの電源を落とすと行き成り後ろから、
「依頼は受けないの？」
と言う声がした。ガイギスは気配がしていたのでたいして驚かなかった。
「ああ、まずはコーテックスに頼んだアリーナに早速出てみようと思ってね」
「なぜ？」
「任務だと弾薬とかも払わなきゃならんのだがアリーナではそんな事は無い。
機体だって修理をしてくれるアリーナだってあるんだぞ？まあこれから行くアリーナはそこまでは無いがな」
「これから？」
「ああ、ランクＥのレイブンが集まるアリーナがあるんだよ。そこにまず登録してもらってな」
「そう…」
レイは心なしか沈んだような顔をした。
「一緒に行ってみるか？」
「はい」
今度は嬉しそうに笑った。ガイギスはレイのその表情を多く見ていたいなと考えて苦笑した。
ここは第２階層と言われる場所の産業区にほど近いアリーナ。
ここは任務に手が出せず低迷している者、実力はあるのだが後一歩と言う者、そしてガイギスのような新人が集まった。
レイはもし付いてくるのならと言う事でつばが一周している帽子と色眼鏡をかけさせた。
レイの服装は昨日着ていて洗濯機に入れたものとその上に大き目のパーカーを羽織させた。
レイは不思議そうな顔でガイギスを見るが何も言わなかった。
ガイギスはそれらを渡すと家を出ようとしたのでレイも家を出た。その光景は恋人と言うよりも親子と言った感じがしていた。
その後ガレージで少し冷やかされた後このアリーナに来たのである。
周りはサングラスをかけている人も少なからずいるのでレイが目立つと言う事は無かった。
ガイギスは参加登録を済ますとレイに何か質問は無いかと訊いた。
そこでレイは初めて自分がなぜこの様な格好をさせられたのかと訊いた。
ガイギスはその余りの遅さに少し笑うとレイブンという汚れ仕事の為に目をつけられると不味い事、
さらに新人は始め余り目立たない方が良いと言う事、さらに自分の意思でそのような格好をさせたのだと言った。
レイはそれに納得したのかそれからも幾つか質問をした。
「なあレイ、何で今まで尋ねなかったんだ？」
ガイギスはレイからの質問にあらかた答えた後訊いた。レイの質問の多くはかなり前の事ばかりだからだ。
レイは首を傾げた後、自分から質問をする事は素ではやってはいけないと言った。
何でそう思うんだ？という質問には首を傾げるだけで、どうやら無意識にそうなった様だ。
もしかしたら昔はそう言う生活だったんだろうな。とガイギスは思いあえて追求しようとはしなかった。
ガイギスは試合開始時間までレイに色々話し掛けていた。
そして時間が来た時、ここに来る前よりも少し親密な空気が出来ていた。
それはガイギスが変えたのかレイが変えたのかは解らないが。
アリーナでの試合、結果から言えばガイギスの圧勝だった。
相手もどうやらここは始めてらしくおどおどしているのが伝わってきた。
開始の合図が出るとガイギスはすぐにライフルを撃ちながら間合いを詰めようとした。
相手も、一呼吸遅れて同じように前に駆け出したがライフルを撃ってもガイギスには当たらず、
逆に自分のダメージが蓄積されている事に気付かなかった。
ガイギスはなおもライフルを撃ちながら前進し（そのせいで数発被弾した）、レーザーソード範囲ぎりぎり外で左に飛んだ。
相手はようやく弾が当たったと思った瞬間何をされたのか解らず相手を見失ってしまったのだが、レーダーで位置を確認し、
ガイギスがいる方向に機体を振り向かせようとしたがその前に機体は動かなくなってしまった。
結果ガイギスは近づいた時に喰らったライフルの弾３発を除き、無傷で初戦を制した。
そしてその機体の色は血の様に紅く、それでいて暗かった。
ガイギスは控え室に戻り帰り支度をしていた。何人かのレイブンと軽く話し、すぐにガイギスはレイの元に向った。
レイは選手控え室の出口で待っていた。ガイギスはレイの頭を帽子ごとなでるとすぐ乗って来たトラックに向った。
レイはその後を付いて行った。
「へ〜、凄いんだね」
アリーナでの戦いを終えガレージに戻ってきたガイギスはそのとき丁度暇をしていたロウスに捕まった。
「まあ、相手が弱かった事もあるんですけどね」
「ふ〜ん、レイちゃんそうなの？」
ロウスはレイがガイギスの所に転がり込んだとガイギスから説明された時からこう呼んでいる。
ついでに今レイは帽子とサングラスを取っていてガレージは一際華やかになった。
「解りません。けどあの相手には負けない試合だったと思います」
レイの方もロウスの事を嫌いではないようだ。
「へ〜」
「ロウスさん、すまないが傷の修理と左肩にこいつのでかいのを書いてくれ」
「傷？・・・ああ、３箇所にある銃弾の跡ね」
「ああ、無闇に接近しすぎたよ」
「はいはい、それとエンブレムはこれにしたの？」
ロウスが持っているのは盾の中に絵があり背景が夜で中央に黒い竜が横を向いていた絵が書いてある紙だ。
「ああ、それじゃあよろしく。レイ、帰るぞ。」
「はい、ロウスさん、また。」
「ええ、またねレイちゃん。ガイギスもいい子貰ったね！」
ガイギスとレイはロウスに挨拶をして去った。ロウスは冷やかしで言ったのか本音なのかガイギスにそう言った。
ガイギスは振り返らず右手を挙げた。
帰り際、レイの着替えやら下着やらを買いに近くの店に行ったのだが、かなりの量を購入する結果となってしまった。
「すみません、荷物持たせてしまって」
「いや、それは良い。それよりかその敬語俺には使わないでもらえるかな？
どうも背中がむずがゆくなってくるし一様恋人なんだからな。あ、それは俺が勝手に言っているだけか」
「いえ、私も貴方の恋人になりたいです。ただどうやれば良いか解から無くて…」
「まあそれは俺も同じだが……う〜ん、まずその敬語を止めるべきかな」
「そうなの？」
「ああ、そのほうが良い」
ガイギスはそう言うと両手で持っている荷物を無理やり左手で支え、レイの頭をなでた。
レイの格好はアリーナの時と同じ、帽子にサングラスをかけていた。
レイは頭をなでられると目を細くして嬉しそうな顔をしていたがガイギス以外はサングラスの為良く見えてはいなかった。
ガイギスはその後5日間アリーナに通った。
その間は連戦連勝で、しかも装備は全て規格通りだったのだが日を増すごとに被害が増えていた。
翌日にはここのアリーナの現チャンピョンと戦う事に決定し、その事をロウスに伝えた。
「へ〜、もう決勝かい」
「ええ、まあランクは同じＥだし、第一階層のアリーナだとＥクラス２位なんですけどね」
「けど第一階層のアリーナなんて殆どの奴は行かないは。あそこは人気も高いから良く狙われるからね」
「それは俺も解っていますよ。相手の戦力なんかも一様研究しましたし」
「へ〜。で、どうするの？」
「アリーナから貰った金で武器を買いたいんですが…」
「ふ〜ん、カタログはそこにあるから好きなの注文して、明日までには装備できるようにするから」
「有り難う御座います。でももう決まっているんですが」
「へ？そうなの？」
「はい、レイと色々話して決めたんです」
「レイちゃんと？」
「はい、ガイギスは今まで肩のミサイルはほとんど使ってなかったのでそれとライフルを売ります。
買うのはこのCWG―MG―５００です」
「どれどれ・・・ふ〜ん、威力重視って訳？」
「ええ、俺はミサイルに頼るんもレーザーブレードに頼るのも嫌いなもんで」
「まあ良い選択だと私は思うは。じゃ、早速注文しとくね」
「「お願いします」」
そこで始めてガイギスとレイはユニゾンして答えた。
「クスクス……」
「な、何で笑うんですか！？」
「いや御免ね。なんかいつの間にやらあんた達上手くやってるようじゃない？」
「そう、ですか？」
「そ〜かな〜」
「はいはい、後は私達がやっとくからあんたらは早く家に帰って」
「了解、じゃ、後はよろしく」
「よろしくお願いします」
ガイギスは何時ものように後ろを向いて右手を挙げて、レイは律儀にちゃんとお辞儀をしてその場を去った。
「微笑ましいとはああ言うのを言うんだよね……」
ロウスはそう独り言を付くと自分もさっさと仕事を終わらせ残りを部下に任せると、
自分の愛すべき夫の待つ自宅に戻っていった。
あとがき
ええと始めてこちらに投稿する事になったガイギスといいます。
はい、これでもうお察しの人がいると思いますがここの主人公はいわば私の分身です。
この小説はアーマードコア３をベースにゲームとは少々違った視点で行かせていただきますので、ご理解のある方は暖かく、見守っていただけると幸いです。
さて、この小説ですが文頭でも示した通り、レイブン試験をちゃんと受けた主人公がこのレイヤードでの生き方を記した物です。
一話の時間軸はゲームで主人公がレイブン資格をとる少しだけ前と言った所です。
ここでちょっと設定を言いますと、
ガイギス・・・・・レイブンネーム。本編の主人公、年齢は２０歳 慎重は１７０ｃｍぐらい、体格はがっちりとしているがこのところ少しおなかが膨れて来ているのが目したの悩み。髪と瞳の色は黒、性格はどちらかと言えば暗く集団行動は本人は毛嫌いしているが心のどこかで人を求めている。そのため路地裏に倒れていたレイを助ける事になる。
レイブンとして腕はまだまだ荒削りだが才能はある。戦闘スタイルは今のところライフルを乱射しながら相手の弾を避けるというもの。
レイには初めての身近な異性としてどのように扱えばいいか現在頭を悩ませてはいるが少なくとも悪くは思っていない。
レイ・・・・・・名前以外全く記憶に無い女、ガイギスはまだ気付いてはないがＩＱが２３０ある天才。今はガイギスの元で一緒にあちこちに出かけている。性格は少し天然が入っているが基本的におしとやか。外見が短く青い髪に赤い瞳と言う目立つ物の為、ガイギスは外に出るときは髪の毛を覆い隠せる帽子とサングラスをかけさせている。ガイギスとロウスに良くなついていてガイギスの事は恋人と言うよりか友達と言った感じだが誰が一番すきかと尋ねたら恐らくガイギスというだろう。
気付いた人もいるでしょうけどベースはエヴァの綾波レイです。これから性格を少しずつ改造していきます。
ロウス・・・・・長く黒い髪の黒い瞳、ほとんどの人が美人と認めるボディースタイルだがれっきとした人妻。夫がレイブンをしている事に少し不安があるが任務のさいは帰ってくるのを信じている、けなげとも言える性格。整備の腕は一流で、パーツさえあれば中破したＡＣを半日で直す事も出来る。ガイギスとの付き合いはそう長くなく、レイブン試験を受ける２ヶ月前からと言った所だ。現在ガイギスとレイの微妙な関係をおもちゃにして楽しむ一面もある。
と大体こんな感じです。
これからも少しづつですが更新していきたいと思います。よろしくお願いします。
感謝の言葉：
投稿、どうもありがとうございます♪
ＡＣ世界＋綾波のレイちゃん♪
他のキャラも登場してきたりするのでしょうか？（＾＾；）
今後の展開が楽しみです。
さて、読まれた方は、ガイギスさんに感想と気力を送りましょう♪
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読者からの反響は作者のやる気を湧き出させます。
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