レイヴンもAC降りればただの人〜
ガイギスくんもいろいろと考えているようですね。
レイヴン稼業も順調なようで何よりです。
けれど、順調な時こそ、次に備えておくのもまたレイヴンという職業。
次はどんな依頼がくることになるのでしょうか…？
さて、読まれた方は、ガイギスさんに感想と気力を送りましょう♪
レイブン、それはこの『管理された世界』において唯一つだけその管理から逃れた職業だ。
ここ、（レイヤード）にはレイブンと言われる傭兵が沢山いる。
あるものは企業専属として、ある者は競技場のみで、そしてまたある者は自分の信念で、
自分の商売道具となるＡＣ（アーマード・コア）の力を振るう。
これはそんなレイブンの一人の物語だ。
シークレッド ブラッティー 管理された世界で０５
「こんにちは〜」
「久しぶりねガイギス、活躍は聞いてるわ」
ここはキサラギ社第三研究所入り口、ここに赤黒いＡＣと下半身が黄色で上半身が青いＡＣが立っていた。
ＡＣベルガ・ヲルとＡＣアパシーだ。
「活躍…ですか？」
「ええ、最近アリ―ナで連勝しているレイブンとしてね。そろそろＤランクに上がるんじゃない？」
「さあ？後どれぐらいで上がるのかはまったく分かりませんよ」
＜ゲートロック解除します＞
イエローボートとガイギスが話をしていると今まで蚊帳の外にいたレイが突然言った。
「あら？今回はキサラギからオペレーターが付くの？」
「いえ、彼女は………俺の……俺専用のオペレーターです」
「へえ〜？コーテックスから？」
「いえ、そうじゃないんですが……レイ、挨拶」
＜始めまして、私はガイギスの家に同居しているレイです＞
レイは事務的にいったのだがイエローボートは気にしていない様だった。
「ふ〜ん……ガイギスの恋人？」
「になってくれれば嬉しいんですけどね」
「違うの？」
「レイが俺の事をどう見てるか解かりませんので……」
＜私は…＞
「無理に今すぐ答える事は無いよ、レイ……さて、では行きますか」
「良いの？私としてはもう少し話して居たいんだけど……」
「時間をオーバーしてます。そうのんびりとはしていられません。レイ、最終ロックをはずしてくれ」
＜はい、気を付けて＞
「ああ、また後でな」
「ふ〜ん…なんか良い雰囲気ね〜」
そう言いながらガイギスとイエローボートは中に入って行った。
イエローボートの機体は規準以上に重い為、ガイギスが先行して動く事になった。
二人は暫く通路を通っていたがイエローボートの機体が遅れているのをガイギスは気付かなかった。
通路の突き当りには扉があり、ＦＣＳは敵をロックしていた。
ガイギスは何も考えず扉を開け、開けきるより先にレーザーライフルを撃った。
その攻撃により本来は施設防衛用の無人型ＭＴグランドコブラは炎上したが他にも3機のグランドコブラ、
さらに小型戦闘ＭＴウィ―ザルが2機いて、ロケットとマシンガンの弾が来た。
ガイギスは舌打ちをするとその場を向って左手にジャンプしグランドコブラとウィ―ザルを攻撃した。
その部屋のＭＴが全て片付くと同時にイエローボートがその部屋に入ってきた。
ガイギスが戦闘中レーダーで上ローボートの位置を確認すると彼女はどうやら歩いてこっちに着ている様だったが、
それはわざとではなく本当に重い為に遅れたのを知っていた。
「あら？私は要らなかった？」
「…はあ〜もし俺が撃墜されてたらどうするんですか、雇った意味がありませんよ」
「すまない、けどガイギスなら生きてるかな〜と思って……」
「はあ〜、楽天過ぎです。今度はそちらが来るのを確認してから扉を開けます。
じゃないと消耗戦になっていざって時に動けませんよ」
「大丈夫よ、なんたって私がついてるんだから」
「……今度からは扉の前でキャノンを構えてくださいね。私が扉を開けますのでその瞬間にでも打ち込んでください」
「ＯＫＯＫ、解かったわ。私に任せて」
イエローボートは明るくそう言ったがガイギスは頭痛がしてきた。
その部屋を出てまずはガイギスが先行、通路に設定されている砲台を排除。
通路にいるＭＴはガイギスが少し待ってイエローボート共に排除し、部屋に入る扉の前でイエローボートの到着を待つ。
イエローボートは扉を目の前にしてキャノンを構え扉越しにロックしガイギスに合図を送る。
ガイギスはそれに応じて扉を開け、扉から撃破可能なＭＴをイエローボートが、それ以外のをガイギスが担当した。
そのようにして幾つかの部屋を抜け、奥にある部屋に向った。
＜ガイギス、次が最後の部屋よ＞
下へのスロープになっている通路を抜け、二部屋目の扉の前に来たガイギスにレイが言った。
「ん、解かった……ちょっと待て、何で解かる？」
＜キサラギ社よりこの施設の見取り図を取り寄せたの＞
「取り寄せた？……まさかハッキング何て事はしてないよな？」
＜………キサラギ社もこの様な事態だからと快く転送してくれたわ＞
「へ〜やる〜」
「…今の間は絶対したな。まあいいか」
ガイギスがそう言うと突然イエローボートが肩のレーザーキャノンを外した。
「弾切れですか？」
「ううん、後3発無いから。それに最後は身を軽くして行こうと思ってね」
「まあいいか。敵のボスがそこまで強くない事を祈ります」
ガイギスがそう言うと扉を開けた。中は広くその中には一体の人型ＭＴが居た。
重装型ＭＴスクタームシリーズかと一瞬ガイギスは思ったのだが、
スクタームの特徴である盾とバズーカは装備されておらず、
右腕はＡＣで言うディアルキャノン、すなわち腕が巨大な砲身となっていた。
体格はスクタームに似ているが頭にミサイルを装備していた。
「ふ〜ん、最後はカスタムＭＴかな？それともどこかの企業の実験機？まあいいか、いくわよ」
イエローボートはそう言うとバズーカを数発撃ちながらブーストで前進した。
しかし敵ＭＴは左右の膝の外側をカパッと開き中からマシンガンが出てきた。
ガイギスはそれを見て近くの右手にある機械に隠れようと動き、
完全に隠れるのとマシンガンが発射されるのは同時だった。
マシンガンは正確にバズーカの弾を打ち落とし、その勢いのままイエローボートにせまった。
「へ〜やるじゃん」
イエローボートはそう言いながらさらにバズーカを打ち込みつつ左手にある機械を盾にするよう動いた。
「どうするの？」
「確か貴女の左腕武器ってあの威力の高いムーンライトですよね？」
「ええ、そうよ」
「なら接近戦お願いします、まずは私が囮になりますから」
「了解」
イエローボートがそう言うとガイギスは壁をつたう様に前進し、レーザーライフルを連射した。
ＭＴはガイギスの方に体ごと右腕の砲身を向けた。
ガイギスはある程度接近すると小ジャンプを繰り返しながらＭＴの横に移動した。
ＭＴは砲身を向け終わると大きな高熱の弾をその砲身から発射した。
その弾は熱量が高いまさに燃える弾……グレネードだ。
グレネードは破壊力が高く弾速も速いのだがガイギスはそれを何とか避けた。
ＭＴが完全にイエローボートから横を向くとイエローボートは機械から飛び出し、
頭の上のミサイル、さらに右腕を切り落した。
ＭＴは慌ててイエローボートに対し左腕にあるレーザーソードを向けようとしたが、
ガイギスはその腕をブレード発生器ごと攻撃、ブレードを打ち抜き壊した。
イエローボートがブレードを振り切った体性のまま後ろに下がるとガイギスは右足を打ち抜き完全に壊し、ＭＴが倒れた。
「レーダーに反応はなし、全機撃破だ」
＜キサラギ社にはこちらから報告します、お疲れ様＞
「ふう、ガイギス、レイ、お疲れ様。また逢いましょ」
「俺は御免被りたいですね。敵としては勿論、味方としても」
「そう？まあいいわ」
イエローボートはそう言うとオーバードブーストでその部屋を出て行った。
「レイ、これからゆっくり戻る、トラックの帰りの運転をよろしくな」
＜解かりました、お気をつけて＞
「了解」
ガイギスはそう言うとゆっくりと歩いてその部屋を出た。
「ご苦労様」
ガイギスがトラックに乗り込むとレイが言った。
「ああ、本当に疲れたよ」
ガイギスはそう言うと座っている椅子を倒し寝っ転がる様な格好になった。
レイはもう一度お疲れ様と言ってガイギスに微笑んだ後、ガレージに連絡を入れた。
ガレージにトラックが着くとレイとロウスは慌しく機体に取り掛かった
ガイギスは機体をロウス達に任し事務室のソファーにドカッと座った。
そして一度背もたれに体を預け仰け反る様にして溜息を吐くと体を元に戻し、懐から本を取り出してそれを読み始めた。
ロウスは指示を出し終わって事務室に戻るとガイギスを見て溜息を付いた。
ガイギスは一度ロウスを見たがまた本に戻った。
「はあ、まあ良いか。けどガイギス、レイちゃんの様子見ないの？」
「様子を見てるとなんか張り切って体力セーブしませんからね、嬉しいですが流石に無理をして欲しくは無いですから」
ガイギスは本を見たまま言った。ロウスは肩をすくめるとまた作業場に戻った。
ロウスが事務室を出て行くとガイギスはその閉まるドアをちらっと見てまた読書に耽った。
その小説はカバーがかかっていて外からは見えなかったが、どうやら戦闘物らしく何度も首を縦に振っていた。
それから外が暗くなるまで作業所は音を消す事は無かった。
「ガイギス」
ガイギスが本を閉じて暫くぼ〜っと天井を見ているとレイが声をかけた。
「ん？終わった？」
「はい、装備はどうするかってロウスさんが聞いてたわ」
「う〜ん……装備はそのまま、確かもう追加弾倉も買える筈だからそれを装備。暫く任務に専念するから。」
「解かったわ。修理の方はほぼ終了、修理費も外傷ほどかからかったわ」
「おう、伝えたら帰るか？」
「はい」
「んじゃ先に入り口で待ってるから」
ガイギスはそう言うとレイの左肩をポンと叩いて事務所を後にした。
レイはガイギスの背を黙って見ていた。
ガイギスとレイは家に帰ると夕食を食べた後、それぞれの部屋に戻った。
ガイギスはそのままコンピュータに向かい次の任務を探していると、レイが後ろから近づいて来た。
ガイギスは後ろをチラッと見て何も言わずコンピュータに向き直った。
「任務は決まったの？」
「いいや、ある事はあるがどれも今ひとつでね。後、雇用依頼とかもあるんだけど…組むのは好きじゃないからね。
レイとしてはどう言うのが良い？」
「貴方にそれほど危険がないのが良い」
「…いや、レイブンの仕事に危険がないのは無いだろ？
まあ安心しろ、俺だってそんな物凄く危険な任務を好んで選んでいる訳では無いからな」
「なら良いですけど…」
「そう心配するな。俺はそう簡単には死なんよ」
ガイギスがそう言うとレイがガイギスの背中に抱きついた。
「どうした？」
「決して任務で死なないで。たとえ私の傍に居なくても良いから……」
「前も言ったが今の所お前だけが俺の居場所だぞ？」
ガイギスがそう言うとレイは抱きしめる力を強くした。
「おっと…どうした？」
「『今の所』」
「ん？」
「『今の所』とも言ってたわ。すなわち明日にでも別れるって事？」
「いや、少なくとも俺が離れたくて離れるって事はまず無いな。お前が俺から離れたいとか思わない限りは」
「なら…」
「けどそれとは別の要因も在るんだよね〜」
「別の要因？」
「ああ、レイブンってのは汚れ役。恨みを買っている奴も居るかも知れない。
それでもＡＣに乗っている間はそこまで心配はしていないんだが問題は降りた後だ」
「…狙われるって事？」
「ああ、こっちにしては些細な事でも向こうにとっては死活問題って事も良くあるからな。
それだけに俺達レイブンって奴はすぐに消えちまう事がある。」
「けど！…けどそれは確率が低い事、次の瞬間地震が起きるという確率と同じ位の…」
「うんにゃ、一般市民にとってはそうだろうがレイブンは違う。
レイブンってのはさっきも言ったように怨まれる事が多い」
「…それは活躍しているレイブンじゃないの？」
「さっきも言ったろ？こっちには些細な事でも向こうにとっては死活問題って」
「…今の所テロリスト以外には狙われそうに無いと思うけど？」
「まあな」
「なら今の所って事は無いは、私は決して貴方の所からは離れたくは無いもの」
「そう言ってくれると嬉しいんだがな……さてっと、任務を探さないとな。」
「これは？」
レイがコンピュータの画面の一箇所に指を指した。
「どれどれ？」
そこには『研究所奪回』と書いてあった。ガイギスが開いてみるとどうやらミラージュからのようだ。
内容は『当社の研究施設が何者かの襲撃を受けた。
中に居た研究員達は専用のモノレールで脱出したがどうやら研究所は完全に制圧されたようだ。
研究所の奪回をお願いする。
敵勢力は職員の話では戦闘メカ、しかも我々の部隊と交戦してかなりを消耗したという事だ。
そう難しい任務ではないはずだ、よろしく頼む』と書いてあった。
「う〜ん期限は今日まで、受けるとしたら早朝３時までに指定地点に集合か…」
「受けますか？」
「受けても良いが今回は連れて行かないぞ？」
「なぜ？」
「恐らく指定の場所からヘリで行くだろうからな、その研究所の場所を知らせない為にも…。
まあそんな訳で留守番よろしくな？」
「………」
「嫌か？」
「いいえ、解かったわ……けど」
「けど？」
「帰ってきたら一緒にご飯食べに行く事」
「……それってもしかしてロウスさんから？」
「ええ、『たまにはこっちから我侭言うのも良いのよ。ガイギスはあんなだから多分外食とかならＯＫするんじゃない？』
って言ってました。駄目ですか？」
「……他になんか言ってなかったか？」
「言われたけど『それは黙っておいて行き成り実行せよ』と。その方がガイギスも喜ぶからって……」
「…まあ良い、外食なら付き合うよ。ただしこっちからも条件、
出発する時に笑顔とは言わないが心配な顔を出さないでくれ。それと…」
「それと？」
「…う〜ん、どうしようか……止めさせないと理性が持たないし、けど止めさせるとちょっと寂しいし……」
「それとなに？」
「う〜〜〜〜〜〜ん……ガレージを出るときにキスは無しな、それと帰って来てからも家の外で行き成りキスはしない事、
後行き成り勢いをつけて飛びつかない事、良いね？」
「なぜ？」
「ガレージでは視線が痛いから、勢いよく飛びつかれると転ぶ可能性があるから。家の外、てか路上とかでもしない事」
「視線が痛いから？」
「それもあるが今お前は俺の弱点になりつつある……この先は言わなくても解かるな？」
「誘拐されるという事？」
「そういう事だ。あんまり活躍などはしたくは無いし因縁付けられる様な事も無い様にしているが…皆無では無いからな」
「確かに、他には？」
「特に無い。ただ家の中でも行き成り抱きついたりはしないでくれ、理性が持たない」
「ロウスさんにそうすれば喜ぶと言われたの…駄目だった？」
「起きて行き成りキス、これは良い。だが朝食を食べた後一緒に食器洗いする時に必要以上にくっつくな。
しかも胸を押し付けようとしてるだろ！？胸を！……どうせロウスさんの指示だろ？」
「そうよ」
「はあ……それとその後行き成り目の前で着替えるな！自分の部屋で着替えろ！」
「なぜ？」
「…なぜってお前には羞恥心って物がないのか！？」
「家の中でならどこで着替えても…」
「駄目！部屋で着替えろ！……まさかと思うがそれもロウスさんの指示か？」
「いいえ」
「まあ確かにそこまでは言わないよな………これぐらいかな？」
「解かりました」
「さて、それじゃレイ電話して、俺は返信しとくから」
「了解、終わったらすぐに行くの？」
「ああ、夜明け前で悪いがロウスさん達には頑張ってもらうか。整備は終わってるんだろ？」
「ええ、そんなに被弾はしていないから…」
「なら良い」
ガイギスはそう言うとコンピュータを操作し始めた。レイもガレージに電話をした。
ここは第三層第一都市区にあるミラージュの研究所だ。
ガイギスは今ミラージュのヘリコプターでその研究所から３キロの位置の位置に降りた。
＜レイブン、ここからはご自分で研究所まで向ってください。
研究所の位置、内部データは送りましたがここ一帯は原因不明の停電になっていますので注意ください＞
「停電？…敵勢力は解かっています？」
＜スパルタンタイプが確認されています＞
「…他には？」
＜研究員の話では人型がもう一タイプ居たそうです、ＡＣでは無いそうですが機種は不明です＞
「了解、ミッションは敵全滅だな？」
＜はい、さらに停電が回復するまで施設を防衛してください。これは企業からの正式な依頼です。
報酬としてパーツをお送りします＞
「まあ停電では仕方ないな…施設の扉が閉まっていたらどうするんだ？こじ開けて良いのか？」
＜少し待って下さい…本社より連絡が来ました。
どうやらスパルタン残存部隊は停電で止まったモノレールの方に向ったそうです。
全機とは限らないとの事ですが多少減ったようです………本社より回答が来ました。
『敵全滅を最優先とする、扉、機械は可能な限り壊してほしくはないが事情が事情なので必要最小限に留めてくれ』
だそうです＞
「ああ、必要最低限な。それでは停電が復旧した頃に出迎えをお願いする」
＜解かりました、お気をつけて＞
「そちらも道中気を付けてな、狙われる可能性もあるからな」
ガイギスはそれだけ言うと研究所に向けブーストを吹かした。
研究所に後１キロと言う所でレーダーに反応があった。
ガイギスはジェネレーターを回復させながら歩き、敵をロックした。
相手もどうやら気付いたらしくこちに向って来たがどうやらまだ射程ではない様だ。
ガイギスは先頭の敵に躊躇無くレーザーライフルを４発撃った。
しかしロックは外れず、ガイギスは舌打ちをしてもう一発撃った。どうやらそれで一機撃破した様だ。
ガイギスは次の敵をロックし左に旋回しつつレーザーライフルを５発撃った。
その砲撃によって敵、スパルタンＣは炎上した。しかしレーダーにはもう２機の反応がある。
しかもその内の一体はどうやらスパルタンタイプでは無いようで、スパルタンタイプには無いミサイルが飛んできた。
ガイギスは舌打ちを打つとブーストで後ろに下がった。
ガイギスが後ろに下がるとそのコアから赤い光が一筋伸び、ミサイルに当たりミサイルが爆発した。
コアに装備されているミサイル迎撃装置が発動したのだ。
ガイギスはミサイルが破壊されると同時に敵２機の内右側の敵にロックしてレーザーライフルを撃った。
合計五発、フェイントの移動を混ぜながら撃った効果か相手からのダメージは無かった。
その後ガイギスはジャンプをして空中から残り一機の目の前まで来て、
そこで左回転をしながら敵から見て左を通って後ろに回りこんだ。
敵の機種はどうやらスパルタンタイプのようだが後ろに回り込まれてしまっては、
その唯一の武器のバズーカを撃っても当たらず、自慢の盾も後ろには向けられないので攻撃できない。
ガイギスは何も言わず、左腕を下から上へとブレードで切り付け、シールドごと左腕を切り落した。
上に振り上げた左腕のブレードを発動させたままスパルタンの右肩に振り落とした。
右腕も持っていたバズーカごと切り落され、スパルタンはただ立っているだけの機械になってしまった。
ガイギスは右足も切り付け、その後ブーストを吹かして施設に向った。
その後ろにはスパルタンが不恰好に倒れていた。
ガイギスはチラッと崩れ落ちるスパルタンに目を向けると目を閉じた後、
一度その場で身じろぎして重い体を整えた。
ガイギスはその後も数体のスパルタンタイプを相手にした後、施設に辿り着いた。
施設の扉は開いていたがその周囲には幾つものＭＴの残骸があり、扉前後１５ｍは足の踏み場も無いほどに残骸があった。
ガイギスはそれをブーストで飛び越えた。施設内にも残骸がここそこにありガイギスは舌打ちをすると、
それを踏みながら施設の中を進んだ。
施設内はまだ電気が復旧していなく真っ暗の中を進まざるえなかったが、
レーダーと出発するときに渡された施設内の簡単な構造の書いてある地図を頼りに奥に進んだ。
奥にはスクタームタイプはいなかったがもう一つのタイプ、近接戦闘用ＭＴギボンだ。
名前のように接近戦ではブレード、ショットガンを装備しているからＭＴではかなりの強さをもつ。
しかもこのＭＴは遠距離でもミサイルを撃ってくるのでほぼ、全ての距離に対応している。
しかしそのミサイルは垂直タイプなのでここの様に天井がある建物には使えない。
ギボンは一体一体が個別に襲ってくるので対処が可能なのだが、
１０体近くも倒すとこちらの被害もそうとうなものになった。
１２体目のギボンを倒すとベルガ・ウォルのＡＰが３千を切った。
「残りの敵はっと」
ガイギスがレーダーを見るとそこには２体の敵の反応があった。
ガイギスはその位置と通路をデータで確認、それが終わると座り直した。
通路を越えると目の前にドアが立ちはだかった。
今まではＡＣが通れるぐらい扉が開いていたがここだけはきっちりと閉まっていた。
ガイギスは舌打ちを打つと扉にブレードをかざし、大きな円の穴を開けた。
扉を切ると足で蹴り飛ばし、自分も中に入っていった。
中にはスパルタンとギボンタイプが各一体いて、スパルタンが前、ギボンが後ろという縦の陣取りだった。
その部屋は他の部屋より天井が高く、ガイギスが部屋に入ると同時にギボンのミサイルが飛んできた。
ガイギスはブーストを吹かしてそれをやり過ごし、スパルタンにレーザーライフルを浴びせた。
それによってスパルタン炎上したが、レーザーライフルの弾数も底をついてしまった。
ギボンは中距離から連続でミサイルを撃ってきた。
ガイギスはあえて近づかず、そのミサイルをコアによって撃ち落させたりかわしたりしていた。
ギボンは痺れを切らしたのか近づいて来たがその隙をガイギスは見逃さず、
オーバーブーストで接近しそのまま空中からギボンを貫いた。
そこは丁度指揮系統が集中している場所であった様で、
ギボンは炎上もせずに串刺しになったままだらりと腕を下ろし、動かなくなった。
ガイギスは施設から出てレーザーライフルを背中に引っ掛け、スパルタンが持っていたバズーカを右手で持った。
元々規格外であったのだが練習でトリガーを引いてみるとちゃんと弾が出たのでガイギスはそのまま使う事にした。
その後敵の増援部隊も現れず、任務は終了した。
作者＞さあやってきましたあとがきのコーナー、今回のゲストは…
ロウス＞私、ロウス・イルミよ
作者＞これはこれは、ロウスさん。レイに色々吹き込んでいるようですね？
ロウス＞それはガイギスが余りにもそう言うことには奥手って解かっているから…
けどレイちゃんから良い結果も聞いてないって事はことごとくそれを耐えているわけで……
よし、レイちゃんにあの作戦を！！
作者＞……あの〜もしもし？
ロウス＞え？…あ、ごめんなさい
作者＞いえ……それにしてもどうしてガイギスがそうだと解かったんですか？
ロウス＞だって夫もそういうタイプなんだもん、一目見ただけでそういうのは雰囲気で解かるもの
作者＞そ、そうなんですか…
ロウス＞あ、夫といえば名前だけは出てきたけどこの小説では登場してない……
作者＞え？………＜読み返し中＞………確かに、どうします？もし要望があれば次の話にでも出しますよ？
ロウス＞う〜ん、出して欲しいような、して欲しくないような…
作者＞何で？
ロウス＞だってもしそれで夫に人気が出たら…
作者＞…はいはい、まあそうなっても結局ダルシメルさんはロウスさんのみを愛する様にしますけどね
ロウス＞ホント？
作者＞ええ、私はど〜もバットエンドは書けないんですよね〜これが何でか
ロウス＞ふ〜ん…
作者＞さて、それはそれとして、今回の話はどうでした？
ロウス＞そ〜ね〜、私はもっとレイちゃんに色々言ってるわよ？
作者＞…のようですね、もしかしたらこれから色々やるのかもしれません
ロウス＞停電…って原作のあれでしょ？
作者＞はい、次回この停電によってちょっとやっかいな事が起こります
ロウス＞やっかいな事？
作者＞ええ、しかしそれは後でのお楽しみです
ロウス＞ム…
作者＞しかもそれによってレイにちょっとした変化が訪れる予定
ロウス＞レイちゃんに？
作者＞ええ、あくまで予定ですからまだ何もいえませんが
ロウス＞気になるな〜
作者＞まあまあそれはそれです。さて、それではそろそろこのへんで
ロウス＞ここまで読んでくれた方有り難う御座います
作者＞ダルシメルさんの登場はもしかすると皆さんの感想によって出るかもしれません
ロウス＞という事は感想が無かったら出さないってこと？
作者＞さあ？
ロウス＞ム………こんな作者ですがどうかご意見、感想のほうよろしくお願いします
作者＞よろしくお願いします
ロウス＞それでは私はこれで
作者＞ダルシメルさんが家にでもいるんですか？
ロウス＞勿論、早く帰って晩御飯作らなくっちゃ、それじゃまた次のお話で！
ロウスはそう言うとその場を土煙を巻き上げながら去っていった
作者＞……本来はあんなキャラではなかったはずだけどな〜
レイヴンもAC降りればただの人〜
ガイギスくんもいろいろと考えているようですね。
レイヴン稼業も順調なようで何よりです。
けれど、順調な時こそ、次に備えておくのもまたレイヴンという職業。
次はどんな依頼がくることになるのでしょうか…？
さて、読まれた方は、ガイギスさんに感想と気力を送りましょう♪