「番組をごらんの皆さん、お待たせしました。アリーナバトルの時間です。」

　じんぐるべ〜る、じんぐるべーる、鈴が鳴るぅ

「・・・何、このＢＧＭ？」

「何でも、大破壊前には、１２月は街中にこのＢＧＭを鳴らして、赤、白の
　ツートンカラーで服装をまとめた老人が闊歩していたらしい。」

「ぎぶ、みー、ちょこれーと？」

「・・・。まぁ、似たようなものかな。何でも、靴下を差し出すと、そこに老人が
　プレゼントを入れてくれたという話だ。」

「貧乏だったのね。物を入れるなら、ポシェットでもバッグでも他にいろいろ
　あるでしょ？　・・・なんで靴下なのかしら？」

「謎だな。」

「さてさて、そろそろ今回の対戦のほうに話を戻しましょ。
　えっとぉ、今回の対戦相手って、武器腕なんでしょ？」

「トリプルクラウンの乗るＡＣ「スラッガー」は腕に、ＡＷ−ＧＴ２０００っていう
　ガトリングガンを装備しているという強敵だな」

「確かＡＷ−ＭＧ２５／２並の火力、継戦能力は１．５倍よね？」

「その通り。だから、苦戦は必至なのさ。」

「むぅ。」

ＲＡＮＫ　３６ ＰＩＬＯＴ：トリプルクラウン Ａ．Ｃ．；スラッガー

ＲＡＮＫ　３７ ＰＩＬＯＴ：エルシィ　　　　 Ａ．Ｃ．ジェーン�T

武装はガトリングガンのみと いう偏った機体が特徴なレイ ヴン。アマチュア野球のホーム ラン王でもある。

一般公募で選ばれた異色の レイブン。収支状態が凹むまで 戦い続けると公約しており、現在 賭けの対象としても注目度Ｎｏ１。

	トリプルクラウン		エルシィ
ヘッド	ＨＤ−ＺＥＲＯ		ＨＤ−０１−ＳＲＶＴ
コア	ＸＣＨ−０１		ＸＣＡ−００
アーム	ＡＷ−ＧＴ２０００		ＡＮ−２０１
レッグ	ＬＮ−１００１		ＬＮ−１００１B
ブースター	Ｂ−Ｐ３２０		Ｂ−ＶＲ−３３
ジェネレーター	ＧＲＤ−ＲＸ６		ＧＢＧ−ＸＲ
ＦＣＳ	ＣＯＭＤＥＸ−Ｃ７		ＦＢＭＢ−１８Ｘ
右腕武器	なし		ＷＧ−RＦＭ１１８
左腕武器	なし		ＬＳ−２００Ｇ
右肩武器	なし		ＲＺＴ−３３３
左肩武器	なし		ＷＭ−Ｓ６０／６
備考	なし		ＳＰ−ＪＡＭ ＳＰ−ＡＸＬ ＳＰ−Ｓ／ＳＣＲ ＳＰ−Ｅ／ＳＣＲ




	トリプルクラウン		エルシィ
ＥＰ	３１７０／６０００		５１５２／８２０７
ＬＥＧＳ　ＷＰ	３４９２／４４７０		４６２６／４６３０
ＣＯＲＥ　ＷＰ	１４１５／３６００		１７４７／２７７０
攻撃力	３０５		２１２０
防御力	２６１５		３６２４
安定性	１０１８		１３２０
機動性能	４９２０		５８４０
移動性能	２７７０		２７２０
旋回性能	１１５０		１１２０
上昇性能	１０００		２０００
レーダー性能	１１６８		２１１５
レーダー有効範囲	６３０		１１７０
ＦＣＳの機能性能	５３８		９４５
総合ポイント	１００２６		１５０１９
評価	ＯＫ		ＦＩＮＥ
ＡＰ	８３０７		８５４４
ＷＥＩＧＨＴ	５４５８		６９３１
ＰＲＩＣＥ	２２１３００		６７２３００


「相手の射程は？」

「７８００。だけど、エルシィの機体の場合、ＦＣＳが広範囲型
　だから、だいたい、ロックオン距離は変わらないと見ていい。
　弾の威力はランク３６戦で対戦した「アーティラリィ」と同じ
　くらいで、連射回数は１．５倍。
　あの時、８６３９→４１０６とＡＰを削られたことを考えると、
　今回は、前回並みに回避できた場合は、８６３９→２０００ぐらいに
　落ち込むことになるだろうな」

「私の機体、ボッコボコ。（泣）」

「前回終了時におこなったＡＣの強化がどれくらい、ダメージを
　防いでくれるか、楽しみってところかい？」

「そう。前回、機体を強化してるの。だから大丈夫。」

「テストモードで全然、練習してなかったよな、確か。」

「だって、年末は色々と忙しいものなの。」

「相手はそんな事情は考慮してくれないぞ？」

「不安・・・」

マップはランダムに選出され・・・夜間雪原マップとなった。



なだらかな起伏が続く広大な雪原。 中央に街灯があり、若干、明るいが 他に光源がなく、相手を目視しにくい。 マップ下方を川が横切っているが、 水飛沫が発生するためそこを選択 する利点はない。


「ま、今回は夜間荒野だから、起伏をうまく利用すれば、少しは
　射撃を回避できるだろうし、ミサイル攻撃も当たりやすいだろう。」

「雪、１２月のイベントには欠かせないもの。雰囲気を盛り上げる
　必須条件。雪像作りの際には固める必要がある。
　雪が降ったら、雪だるま、雪合戦をして楽しむもの・・・」

「・・・エルシィ、何を読んでいるんだい？」

「大破壊前における１２月の過ごし方、に関するデータ」

「オンエア中なんだが」

「え、えっと、このシーン、オフレコ、ね、えっと・・・駄目？」

「オンエア中に編集なんてできるわけがない、な。」

「それもそうでした。（＾＾；）」

「今回から、私のＡＣは８５４４のＡＰをもつことになったわ。
　前回のレッグパーツ強化が響いているみたい。
　動かしてみて、はっきりと違いがわかるほどに、機動性能が
　違うのにはびっくりしちゃった。
　ほんと、機体の軽さが違うの。それにブースターを稼動させら
　れる時間の長さも段違いだわ。エンジン交換のおかげね。」
　
「機動回避がかなり効果的にできてるな。」

　エルシィとアルフのいうように、前回までとは各段に違う機動回避を
　見せたエルシィのジェーン�Tは、ガトリングガンの連射を避ける。
　また、機動力に勝っていることもあり、遠距離を維持し、ミサイル戦を
　続けることに成功する。

　エルシィ　　　　　　ＡＰ７５２４　ライフル　１９８／２００　ミサイル　０／６０
　トリプルクラウン　ＡＰ２０５９　ガトリングガン　２５８／３００

「このあと、定番のライフル攻撃を続けて勝利、と。
　撃ち合いになっちゃったこともあって、結構、被弾しちゃったのが残念。」

「そりゃ、仕方がないさ。これだけ回避できただけでもよし、とするべき
　だろう？」

「うん。」

　エルシィ　　　　　　ＡＰ６０２４　ライフル　１５１／２００　ミサイル　０／６０
　トリプルクラウン　ＡＰ　　　０　ガトリングガン　１６４／３００


「・・・ってことは、最後まで射撃されたとしても、私のＡＣは
　３０００くらいはＡＰを残している？」

「事前の評価に比べれば、被弾率は明らかに下がっていると
　いえるだろう」

「偉い、偉い♪」

「だが、逃げ場のないドーム施設とか、ミサイルの使えない
　低天井の洞窟なんかが選択されてたら、やっぱり、ひどい
　目にあった可能性が高い。油断は禁物・・・」

「さてと、雪原にせっかく来たんだしぃ、雪だるまを作るのと、
　雪合戦はやっておかないと駄目よね♪」

　　なぜか特注スーツを着こんで、ＡＣへの搭乗を始めるエルシィ。

「何をしているんだ、エルシィ？」

「見てのとおり、雪だるま作り♪　ほら、アルフもそっちの
　予備のＡＣに乗って、乗って♪」

　さも当然という表情のエルシィ。

「・・・雪だるまをＡＣで作るのか？」

　呆れ顔のアルフ。
　作業用機械であるＭＴを戦闘用に強化したのがＡＣである。
　雪だるま程度を作るのはもちろん、できるわけだが・・・。

「寒いのは嫌だもん♪　それに雪合戦って、雪玉をぶつけ合うんでしょ？
　当たったら痛いじゃない。その点、ＡＣなら問題なし。
　そうそう、ブースターは使っちゃ駄目ね。雪が溶けちゃうから。」

　エルシィの笑顔を見て、遠くにいるディレクターを眺めるアルフ。
　だが、ディレクターはジェスチャーでＧＯ！と命じている。

「・・・付き合えばいいわけか？」

「そう♪」

　かくして、その後、ＡＣで雪だるまを作り、ブースター不可、ＦＣＳ使用不可
　（雪玉を投げるのにＦＣＳは機能しない）の中で巨大な雪玉が飛び交う
　雪合戦がＡＣを使って行われた。

　エルシィはトリプルクラウンも誘ったのだが、武器腕ＡＣの
　スラッガーでは参加できるはずもなかった。
　さすがにこんな展開は予想できなかったらしい。
　普段、ファンサービス旺盛なだけに、参加できず去っていく
　トリプルクラウンの後姿はどこか寂しげだった。

　　　　　　　　　　・
　　　　　　　　　　・
　　　　　　　　　　・

　収支決算の時間は、ＡＣ同士の雪合戦が行われたため、
　収録されることはなかった・・・。

次回予告

予想以上の機動回避を見せたエルシィ。

次の対戦相手は、弾速の遅いバズーカを装備した
ホバータンク型のＡＣだった。

「これなら、簡単に勝てそうね♪」

　余裕の発言を見せるエルシィ。だが、中距離での
　バズーカの命中率を彼女は知らなかった。

次回　第１５話「ノーバディの駆るスラッシュゴード」
こうご期待♪