みんな、アリーナバトルって知ってる？
何の取り柄もない女の子のはずの私が、それにエントリーすることに
なったのよ。
何でも、宣伝効果を狙って、素人さんを参加させて、その人の
苦労する様を放映しようということになったんだって。

で、面白そうだと思って、応募したら、私が選ばれたわけ。
ルックス（笑）と、何より体格が問題だったの。
本当なら、ＡＣに素人が乗ったら、すぐに身体を壊してしまうところ
なんだけど、新しく開発した衝撃吸収剤をふんだんに使った
パイロットスーツのおかげで、素人でも乗れるようになった、という
ところまでは良かったんだけど、一つだけ問題があったの。

膨らんだパイロットスーツの分、パイロットの身体が小さくないと、
操縦席に身体が入らないってこと。

身長１６０ｃｍ以下、体重４０ｋｇ以下、というのが条件で、
私はたまたま、その条件に合っていた、と。

まったくいい加減な選考会だったわ。始めに身長と体重とボディサイズを
計測して、基準に収まらなかったら失格、なーんてこと、するんだもの。
事前の選考基準に書いてあっても、結構、ごまかせると思って偽情報を
記入してくる子もいたみたいで、この時点で人数が減ってたわ。

その次に、衝撃耐久度実験ということで、シミュレータに乗って、ＡＣの
機動を体験させられたわ。全方位のジェットコースターといえば、
ちょうどいい感じだったかな。この時点で、過半数が脱落。（＾＾）

その時点で、残っていた人の中から、選ばれたってわけ。

「エルシィちゃん、何、ぶつぶつ言っているの？」

「ちょっと、過去を振り返っていただけよ。それより、
　私の機体、届いたんでしょ？　　見せて♪」

「ごく一般的に、一番最初にレイヴンが渡される標準機体だ」

今、私に説明してくれているのがアルフっていう私のマネージャ兼
整備士の人。ぜんぜん、ＡＣのことなんて知らなかった私に
操縦方法とか、とにかく全部、教えてくれたの。
ま、その話は、また今度ということにするね。

ＲＡＮＫ　XX ＰＩＬＯＴ：ＮＯＮＥ Ａ．Ｃ．：標準機体

ＲＡＮＫ５０ ＰＩＬＯＴ：エルシィ　　　　 Ａ．Ｃ．：ジェーン�T

標準的パーツのみで組まれた なんら特徴箇所の無い機体。 一応、各種武装が装備されて いるがどれも最低レベルである。

一般公募で選ばれた異色の レイブン。収支状態が凹むまで 戦い続けると公約しており、現在 賭けの対象としても注目度Ｎｏ１。

	チューニング前		チューニング後
ヘッド	ＨＤ−ＧＲＹ−ＮＸ		ＨＤ−０１−ＳＲＶＴ
コア	ＸＣＡ−００		ＸＣＡ−００
アーム	ＡＮ−２０１		ＡＮ−２０１
レッグ	ＬＮ−１００１−ＰＸ−０		ＬＮ−１００１
ブースター	Ｂ−Ｐ３２０		Ｂ−Ｐ３５０
ジェネレーター	ＧＰＳ−ＶＶＡ		ＧＢＧ−１００００
ＦＣＳ	ＣＯＭＤＥＸ−Ｃ７		ＣＯＭＤＥＸ−Ｃ７
右腕武器	ＷＧ−ＲＦ３５		ＷＧ−ＭＧ５００
左腕武器	ＬＳ−２００１		ＬＳ−２００１
右肩武器	ＲＸＡ−０１ＷＥ		ＲＺＴ−３３３
左肩武器	ＷＭ−Ｓ４０／１		ＷＭ−Ｓ６０／６
備考	なし		なし




	チューニング前		チューニング後
ＥＰ	４５５９／４７２８		４８９１／９９８８
ＬＥＧＳ　ＷＰ	３９１２／４１００		４３６０／４４７０
ＣＯＲＥ　ＷＰ	１５９２／２７７０		１６３５／２７７０
攻撃力	１７８６		１７０３
防御力	３０８５		３１１１
安定性	９０４		１０１８
機動性能	４９６０		５９２０
移動性能	２８００		２７７０
旋回性能	１１６０		１１５０
上昇性能	１０００		２０００
レーダー性能	１４０３		１７０８
レーダー有効範囲	８６５		１１７０
ＦＣＳの機能性能	５３８		５３８
総合ポイント	１２１３８		１３４６０
評価	ＯＫ		ＯＫ
ＡＰ	８３８４		８３９６
ＷＥＩＧＨＴ	５８０４		６３２６
ＰＲＩＣＥ	２１１６００		３０５８００


「ふうん、これが私のＡＣか。なんだか、冴えない格好。」

「そりゃ、仕方がないさ。それでも、ミサイルは撃てるし、ライフルだって
　持ってる。ビームブレードで切り合いだって可能だぞ？」

「持ってるブレードは最弱だし、ミサイルは単発射撃しかできない
　じゃないのぉ。・・・もちろん、私が選択できる余地は残して
　くれたんでしょう？」

「も、もちろんだよ。ちゃんと１０万クレジットきっかり。
　スポンサーの皆さんが出してくれた貴重な資金だ。
　よく考えて使ってくれよ？」　

　あまりにも平凡というか特徴のないＡＣにがっかりして、
　つい目つきが悪くなっちゃったわ。

「１０万か。何に使おうかな？」

「とりあえず、テストモードで、操縦してみたらどうだい？
　一番、不満な個所から直すということにすれば」

「そうね」

標準機体を操ってみて

「むー」

「どうしたんだい、そんなに膨れっ面して？」

「不満だらけ。」

「じゃ、片っ端から言ってみて。書いていくから。」

　それで、私があげた不満点が次の通り。

　１．エンジン出力が足りない
　２．ＦＣＳのロックオンが遅い
　３．武器の威力が弱い
　４．レーダーレンジが狭い
　５．バーニアの出力が弱い

「ふむ。エンジンが弱いと。」

「そー。もっと思い通りに動きたいのに、すぐにオーバー
　ヒートするじゃないの。もっと、こー、１００ｍくらい
　空に上がっても余力があるようなものにしたい。」

「で、ＦＣＳのロックオンが遅いと。」

「ミサイルのロックオンが遅すぎると思う。できればもっと
　たくさん、どばっと撃ちたいのに、１個２，３秒もかかって
　いたんじゃ、タイミングを逃しちゃうでしょ？」

「そーだね。それで武器の威力が弱いというのは？」

「相手をやっつけるまでの時間がかかりすぎよ。もっと
　短時間でやっつけられないと、反撃されるでしょ。」

「ビームと実弾、大火力と連射速度、射程と威力、その辺は
　どんなのがいいと思う？」

「もちろん、実弾系よ。そーでないと撃った気がしないもの。
　そーね、命中弾がでたほうが楽しいし、たくさん、撃てた
　ほうがいいわね。今付いてるライフルより射程が短いのは
　嫌。」

「けっこう、絞り込めそうだね。で、レーダーレンジが狭い？」

「そ。敵を見失うことがあるもの。広いほうがいいわ。
　あんまり広いと見づらいから、どれくらいがいいか、
　色々、試してみる必要があると思うけど。」

「ま、敵の位置を把握できることはいいことだからね。
　最後のバーニア出力が弱いってのは？」

「避けたい時に、思い通りに動かないと、すごーくストレスが
　溜まるの。もっとキビキビ動いてくれなきゃ。」


「・・・ものすごーく、不満があることだけはわかったよ。」

チューニング

で、結局、なんだかんだ、とパーツの交換をした結果、こんなところに
落ち着いたの。

ヘッド


更新前	ＨＤ−ＧＲＹ−ＮＸ	１４７００　Ｃ
更新後	ＨＤ−０１−ＳＲＶＴ	２６５００　Ｃ（＋１１８００）


「やっぱり、賢くなきゃだめよ。コンピュータは。」
「助言がないと厳しいかい？」
「しょーがないじゃない、素人だったのよ。壱ヶ月前まで」
「今じゃ、いっぱしのレイヴン気取りかい？」
「たくさん、シミュレータで訓練したもの。あれ、かなり難易度が
　高かったもん。ちょっとは自信をもってもいいわよね？」
「まぁな。（笑）」

レッグ


更新前	ＬＮ−１００１−ＰＸ−０	２５０００　Ｃ
更新後	ＬＮ−１００１	２８５００　Ｃ（＋３５００）


「パーツの交換をしたら、レッグの荷重限界を超えちゃったから、
　とりあえず、このパーツに変更。これでなんとか重量違反は
　免れることができたわ。」
「値段が安いわりには性能もそれなりだから、な」
「うん」

ジェネレータ


更新前	ＧＰＳ−ＶＶＡ	１９５００　Ｃ
更新後	ＧＲＤ−１００００	４３５００　Ｃ（＋２４０００）


「これで、やっとブースター機動ができるわ。」
「ＧＰＳ−ＶＶＡじゃ、基本はレッグ移動になっちゃうもんな」
「それじゃ、いい的だもの」
「ま、標準機には一番ぴったりの最強エンジンだ。
　もう、ジェネレータ出力不足を嘆くことは許されないぞ。」
「うん」

ブースター


更新前	Ｂ−Ｐ３２０	１０８００　Ｃ
更新後	Ｂ−Ｐ３５０	１３７００　Ｃ（＋２９００）


「ジェネレータに資金を投入しすぎちゃったみたい」
「ブースターはこの程度で我慢だな。」
「うん。別に悪いものじゃないし、ね」
「あぁ」

右腕武器


更新前	ＷＳ−ＲＦ３５	１１４００　Ｃ
更新後	ＷＧ−ＭＧ５００	２８４００　Ｃ（＋１７０００）


「武器は、レンジが大きくって、単位時間当たりの連射速度が
　速いマシンガンに変更したわ。」
「バズーカとかは嫌いなのかい？」
「ライフルは連射速度に問題があるし、バズーカは弾速が遅い
　から命中率に不安があるの。」
「確かに」

右肩武器


更新前	ＲＸＡ−０１ＷＥ	１２１００　Ｃ
更新後	ＲＺＴ−３３３	２７７００　Ｃ（＋１５６００）


「この新型レーダーって、よい子よねぇ」
「発売されたばっかりの新製品だからな。既存のものとは
　費用対効果が断然、違うな。」
「これで、相手を見失う可能性は低くなったわ。」
「それが重要だからな」
「うん」

左肩武器


更新前	ＷＭ−Ｓ４０／１	１８７００　Ｃ
更新後	ＷＭ−Ｓ６０／６	３８１００　Ｃ（＋１９４００）


「やっぱり、ミサイルはたくさん、撃てないと。」
「だが、ＦＣＳは交換しないのだろ？４連発が限界だぞ。」
「どーせ、ロック時間がかかりすぎるから、６発もロックする
　のは無理よ。だから、これでいいの」
「数ある中からこれにした理由は？」
「弾数が多いし、山なり弾道で攻撃できるから。」
「地形効果がうまく利用できる、と。」
「まぁ、そういうこと」

「あと、色を白系統に変えるね。」
「今の緑色はイヤかい？」
「いかにも、兵器って感じの雰囲気がイヤなの」
「兵器なんだが・・・」

　というわけで、カラーリングも変更したのが、チューニング後の
　ところに映っているＡＣだ。だいぶ、雰囲気は変わったな。

残金　５８００なり。

「ついに、準備ができたわけね。」
「あぁ、さっきランク５０に登録されたところだ。」
「私の対戦相手って誰かしら？」
「さて、な？」

なんとか、機体だけはそれなりの出来に仕上がった。
そして、アリーナ関係者の予想通り、万年最下位の
レイヴンがエルシィを歓迎する。
次回、「地雷伍長の駆るデンジャーマインとの対決！」
こうご期待♪

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