俺の名はラディカルドッグ（当然、偽名）、晴れてレイヴンになったばかりの
新人だ。だが、ただのレイヴンと思ってもらっちゃ困るぜ。
マネージャー「Ｒ」にレイヴンになった目的を聞かれたんで、

「犯罪を犯すような奴らが増長しているところを、ぶっ飛ばしてやるためさ」

って答えてやった。そうしたら、「Ｒ」が提案してきたんだ。
「俺好みの依頼を優先的にまわす」ってな。
もちろん、特定のレイヴンにだけ仕事を回すなんてことをやったらルール
違反だ。だが、「Ｒ」は言ったのさ。「契約条件を一つ、追加するだけで、
他のレイヴンは引き受ける可能性は、ほとんどなくなります」と。
当然、他のレイヴンが引き受けないような条件を俺は飲まなくちゃならない
わけだ。・・・だが、聞いてみたが、大した話じゃない・・・その時はそう
思ったんだ。その条件。

「当依頼を引き受けるレイヴンは、ＡＣ評価状態を”ＰＯＯＲ”ランクとすること」

・・・ＭＴ乗りの時に貯めた金で、なんとかＡＣを組み上げようとした時、
それがどういうことを意味しているのかがわかったわけさ。
もちろん、後悔先に立たずって奴だが。

	チューニング前		チューニング後
ヘッド	ＨＤ−ＧＲＹ−ＮＸ		ＨＤ−０１−ＳＲＶＴ
コア	ＸＣＡ−００		ＸＣＡ−００
アーム	ＡＮ−２０１		ＡＮ−１０１
レッグ	ＬＮ−１００１−ＰＸ−０		ＬＮ−１００１
ブースター	Ｂ−Ｐ３２０		Ｂ−Ｐ３２０
ジェネレーター	ＧＰＳ−ＶＶＡ		ＧＰＳ−ＶＶＡ
ＦＣＳ	ＣＯＭＤＥＸ−Ｃ７		ＣＯＭＤＥＸ−Ｃ７
右腕武器	ＷＧ−ＲＦ３５		ＷＧ−ＭＧ５００
左腕武器	ＬＳ−２００１		なし
右肩武器	ＲＸＡ−０１ＷＥ		なし
左肩武器	ＷＭ−Ｓ４０／１		なし
備考	なし		なし

	チューニング前		チューニング後
ＥＰ	４５５９／４７２８		４１８３／４７２８
ＬＥＧＳ　ＷＰ	３９１２／４１００		３４１１／４４７０
ＣＯＲＥ　ＷＰ	１５９２／２７７０		１６８６／２７７０
攻撃力	１７８６		１３５
防御力	３０８５		３１８３
安定性	９０４		１０１８
機動性能	４９６０		４９２０
移動性能	２８００		２７７０
旋回性能	１１６０		１１５０
上昇性能	１０００		１０００
レーダー性能	１４０３		５３８
レーダー有効範囲	８６５		０
ＦＣＳの機能性能	５３８		５３８
総合ポイント	１２１３８		９７９４
評価	ＯＫ		ＰＯＯＲ
ＡＰ	８３８４		８４３１
ＷＥＩＧＨＴ	５８０４		５４０７
ＰＲＩＣＥ	２１１６００		２０５３００

「おい、ラッド？　こんなチューニングでいいのか？」
「あぁ、これでいいんだ。」

　　ラディカルドッグじゃ長いから、短縮してラッドって普段は
　　呼ばせているんだ。

「そーかい。塗装も出荷時のまま、手を入れないのかい？」
「俺はその色が気に入っているんだ。それでいい。」
「ＯＫ。」
あぁ、今、俺のＡＣを組み上げているのが、整備士のリプトンだ。
ＭＴ乗り時代からの古い付き合いだが、奴も俺がレイヴンに
なった、と聞いてびっくりしてたな。

多種多様なパーツを組み上げてミッションに合わせた状態に
することができるＡＣ。だが、ＭＴ乗りだった俺は、「Ｒ」の
出した条件の意味を知らなかった。
おかげで、散々、端末の前で、シミュレーションをするはめに
陥ったわけさ。リプトンも呆れてた。普通、より高性能に
するためのチューニングなのに、わざわざ「ＰＯＯＲ」にしようと
しているんだからさ。

そして、俺は現実を知った。
「ＰＯＯＲ」にするための条件は次の通りさ。

１）レーダーは装備できない。
　　レーダー性能値が上昇しちまうから、駄目なのさ。
　　おかげで、レーダー反応がないってことで、一層、
　　貧相に見えるというわけだ。
　　※チューニングによっては装備できなくもない。

２）ブースターはＢ−Ｐ３３２０以外、装備できない。
　　これ以外のものにすると、機動性能が上昇しちまう。
　　そんなわけで、これ以外は選べない。
　　※チューニング次第で、Ｂ−Ｐ３５０を装備できなくもない。

３）ビームブレードは装備できない。
　　攻撃力は、武器の攻撃力の合計値で決まる。ビームブレードは
　　最低でも８００も攻撃力があるから、始めから論外なのさ。
　　他を最低になるように組み合わせて、武器はＬＳ−２００１（再弱）に
　　したって、評価は「ＯＫ」になるんだから。
　　※チューニングによっては装備できなくもない・・・が、進化の袋小路。

４）武器は攻撃力が５００以下で納まるものでなくてはならない。
　　３でも語った内容だが、攻撃力の値は低くないとマズイ。
　　幸い、攻撃力は一発の破壊力のことだから、マシンガン系
　　なら、低い値でクリアできる。
　　ここは、色々と変更する余地があるだろうな。

５）安定性、防御性能を高めるオプションパーツは搭載できない。
　　評価値が上昇しちまうからな。だから、購入できるものは、
　　かなり限られてくる。

な。条件が厳しいだろ？
だが、上の条件以外は逆にいえば変更できるわけだ。

６）ジェネレータは何を搭載しても評価値は変わらない。
　　いやぁ、これを知ったとき、小躍りしたぜ。弾代がかからない
　　エネルギー兵器を使うには強力なジェネレータは必須だからな。

７）ＳＰ−Ｅ＋、ＳＰ−ＥＨといったエネルギー武器強化オプションを
　　装備しても、評価値は変わらない。
　　これは不思議だったな。おかげで方針は決まったが。

最初の所持金じゃ、武器をエネルギー系兵器にすることはできなかったが、
今のところ、これが精一杯のチューニングってわけさ。
楽な依頼ならいいんだが・・・「Ｒ」次第だからな、こればかりは。

なんとか、「Ｒ」の出した条件をクリアしたラッド。
そんな彼の元に、約束通りに、「Ｒ」から依頼の案内がきた。
それは二つ。そして、ラッドが選んだものは、
「反抗組織排除・・・１３０００Ｃ」だった。

反抗組織から受ける言葉に、ラッドは自分の演じる役割を知り、
自虐的に笑う。

次回、第０１話「反抗組織排除」、こうご期待♪