後書きのオマケ話

　とある少年の部屋。

「馬鹿カヲル！！」

　かなり気合の入った罵声に薄目を開ける銀髪の少年。
　ベットの横では、制服姿のアスカが腰に手を当てて立っている。

　　妙な炎を背負っているのは気のせいだろうか。

「ようやくお目覚めね。馬鹿カヲル！」

　葛城家で生活するようになってから、ほとんど聞かれることのない、
　無意味な罵倒を含んだ台詞なのだが…
　自分の心情をこの上なく表しているとでも言うように
　アスカは気持ちよーく「馬鹿」と連発していた。

「何だアスカくんか」

　眠気が酷いようで、開いた目がもう閉じようとしてる。

「なんだとは何よ！この私が起こしてあげてるのよ。
　さっさと起きなさいよ！」

「うーん、もう少し寝かせて」

　不思議とアスカの目線が「起きないでいいわよ、永遠に」と
　告げている気がする。

「何甘えてるの！もぉ、さっさと起きろぉ！！」

　バッと布団を剥ぎ取るが…そこで抑え付けてきた
　内面の感情が噴出し、顔色が恥ずかしさで真っ赤に変わった。


「キャー！！」

　　ズガーン！！！

　手首を返したソニックブレード（真空斬り）が寝ているカヲルを直撃！

「エッチ！」

　　ズバババババン！！！！！

　激しい手の動きが作り出したリング・スライサー（真空光輪）が
　吹き飛んだカヲルに雨あられと降り注ぐ。

「ヘンタイー！」

　　シュパッ！

　抜く手すら見せずに叩き込まれたブラインドブレード（無走剣）が
　よろよろとしているところに更に追い討ちをかける。

「信じらんないーー！」

　　ドドドドドドドドドドゴォォォーン！！！

　断続的な腕の振りが生み出すダムド・ストローク（連弾衝撃波）が
　最後に止めを刺した。

「（ぜぇ、ぜぇ）…汚されちゃったよぉ、シンリ〜」

　アスカが、慰めて〜、と撮影スタッフの後ろまで
　一目散に走り寄り、乾いた表情のシンリに泣きつく。

　いろいろ思うところもあるのか、シンリもやり過ぎと、
　今回は言うつもりはないらしい。




「仕方ないじゃないか…朝…なんだから…ぅ」

　瓦礫の山の下から恨めしい声が細々と聞こえてくる。
　台本と違うんじゃ…とか言ってるようだ。




「次は、私の番…。
　パンを銜えたまま走って、前から来た少年とぶつかってしまうのね」

　　シンリ達に背を向けたまま、台本を眺め、ぽつぽつ、と呟く。
　　その表情が見えていたスタッフの顔に縦線が入る。

「事故だもの…問題ないわ」

　　青白い炎を撒き散らしながら、レイは瓦礫のほうを見て…






　　　　ニヤリ



　　一生忘れられないような笑みを浮かべた。

ＴＶ版で存在しているとはいえ、利用する予定がまったくないので
おまけ話のほうで、流用してみました（＾＾）

「暴風３王女」いいですよね〜。雑誌「ニュータイプ」をそれだけのために…
　僅か十数ページを読むために買うくらい読むのが楽しみです（^^）

　でも、ゴルゴ１３みたいに、プロジェクトチームを結成して、さくさく、
　執筆活動を続けて欲しいところです。
　今のままじゃ、ぜんぜん、描かれないまま、作者死去で終わりそうですもん。

　えっと、当然ですけど、これは本編とは関係ありませんよ〜（＾＾；）