「あーあ、モノレール止まっちゃったか……分かっていたんだけどな」
そんなことを呟きながら少女……碇ユウカは、席を立って網棚の上の荷物を下ろす。
ホームに下りると、重そうに膨らんだスポーツバッグを置いて、ユウカは吐息を漏らした。
「フゥ……少し、荷物多すぎたかな？」
ポロシャツにスカート姿の彼女は、荷物を肩に担ぎ直すと、改札へと歩いていった。
「まいったわね」
その頃、第３新東京市の中を、車を走らせている人物がいた。
街には人影はなく、他の車は一切動いていない。
「碇……ユウカちゃん、か。ったく、あのヒゲメガネからどーやったらこんな可愛い子が産まれるんだろうね」
ブツブツ呟きながらも、その女性は青いアルピーヌ・ルノーを走らせる。
ツーッ、ツーッ、ツーッ……
「やっぱり、繋がらない……」
ユウカは受話器を置くと、ため息をついた。
「……この状況は変わんないんだ。それじゃ、迎えが来るのを待とうかな……それとも、二駅分歩くかな……」
見上げると、空をＵＮ（国連）軍の戦闘機が飛び交っている。
ユウカは、眼を閉じて意識を飛ばした。終わりを見た者から受け継いだ『力』の一つだ。
昔は都市だった、水没したビル街の谷間を、人に似た異形の影が進んで行く。
視線を変えると、海岸線に、ＵＮ軍の戦車がビッシリと埋め尽くすように並び、その砲身は海を向いていた……おそらくはその異形の影を狙っているのだろう。
眼を開けて、意識を戻す。
「早く来ないかな、葛城さん……」
胸のポケットから写真を取りだして見る。そこには、一人の女性が写っていた。
そこには、『私が迎えに行くから待っててネ』の書き文字が書かれていて、キスマークが付けられていた。
（分かってても……葛城さんのこの写真……怪しいよねぇ）
その時、衝撃音が響いた。ユウカが山間の方へ眼を向けると、巨大な物体が歩いているのが見えた。
「あれは……来たんだ、やっぱり……じゃあ、この後も一緒か……」
ユウカは溜息をついて、一言ポツリと呟いた。
同時刻、某所にて────
前面の巨大なディスプレイに、移動する物体が映し出された。
「正体不明の物体は本所に対し進行中」
「目標を映像で確認。主モニターにまわします」
オペレーターの声が飛び交う。
ディスプレイの表示が、進路予想図から異形の物体の中継映像に変わる。
「……１５年ぶりだな」
白髪の男が、側にいる眼鏡の男に言うとも無しに口にした。
眼鏡の男が呟く。
「ああ、間違い無い……」
一拍置いて、表情一つ変えずに続ける。
「使徒だ」
第壱話 使徒、襲来
ドッガーン！
異形の右手から伸びた光の槍が、ＵＮ軍の重戦闘機を貫いた。
異形は、戦闘機の攻撃をものともせず、蹴散らしては歩を進める。
ドッゴーン！
さらに、もう一機撃墜され……それは、あろうことかユウカの方に落ちてくる。
「……あ」
右手を首筋に、左手をスカートに当てて、墜落の衝撃で煽られるのを押さえようとする。
墜落の震動と、それによって生まれた風が、ユウカの全身を吹き抜ける。
「フゥ……えっと、この後確か……」
そのままの姿勢でジッとしていると、異形の足が少し離れた所に落ちていた戦闘機を踏みつけた。
爆風がユウカの方へ近付いてくる。
キキキーッ！
急ブレーキの音と共に、青い車が爆風を遮るように滑り込んでくる。
右のドアが開き、運転席の女性が余裕の笑みを浮かべながら話しかけてくる。
「ゴメン。お待たせ」
「あ……葛城……さん？」
「そ。碇ユウカさんね。悪いけど、速く乗ってくれる？」
「はい」
ユウカは荷物を抱えて助手席の側へ回り込む。葛城と呼ばれた女性は、タイミングを合わせて左ドアを開けた。
シートに腰を下ろすと、その女性は車……青いルノーを急発進させた。
「ベルト締めて！すぐにここを離れるから！」
「分かりました」
慌てることなくシートベルトを締めたユウカ。それを確認した女性は、さらにスピードを上げた。
その頃、某所では────
使徒……と呼称された異形が、戦闘機を退けて再び歩き始める様子が映し出されていた。
「目標は依然健在。現在も第３新東京市に向かい進行中」
最も高い位置に陣取る、軍服を着た高官達が声を上げる。
「総力戦だ……厚木と入間も全部挙げろ！」
「出し惜しみは無しだ！なんとしても目標をつぶせ！」
その声に答えたのか、大型ミサイルが使徒に向けて投下された。
「あ、ミサイル……」
助手席から、異形の方を見ていたユウカがポツリと漏らした。
「はぁ？ミサイル？まったく、無駄なことを……」
女性のぼやきに敢えて答えはせず、ユウカはその様子を見つめていた。
ミサイルが近付くと、使徒は右腕を上げてそれを受け止める。その瞬間、暗い光が楯のように広がったのを見た人間はどれだけいたのだろうか……
使徒の右肩が盛り上がり、ミサイルを握り潰してしまった。その爆風を気にも留めていないように、再び歩き始める。
「なぜだ?直撃のハズだ！」
高官達が叫ぶ。少し離れた所で、二人の男が言葉を交わす。
「やはりＡＴフィールドか」
「ああ、使徒に対し通常兵器では全く役に立たんよ」
高官の一人が、苦虫を噛み潰したような顔で手元の受話器を握った。
「あー、もしもし。こっちは碇司令のお嬢さんと合流したわ。現在、全速力で移動中……え？何？……冗談でしょ？」
車を急停車させる。ダッシュボードから電子双眼鏡を取りだした女性は、助手席のユウカの上に乗り出すようにして、戦闘のあった方を見る。
「ちょっと、まさか……ｎ２地雷を使うワケッ?」
まだ、いいか……ユウカはそう思った。今、流れを変えるとおかしくなる。まだいい、あの男に会ってからでも……
女性は、慌ててキーを廻す。ユウカは、それを見ながらシートベルトを外した。身構えるために……
閃光が走り、巨大な火柱が上がる。強烈な衝撃波がルノーを吹き飛ばした。
「やった！」
一瞬、映像が消えた後のディスプレイには、真っ赤に燃えあがる炎だけが映っている。高官達は勝利を確信したようだ。
「残念ながら、君たちの出番は無かったようだな」
一人の高官が、少し後ろにいる二人の男に勝ち誇ったように語りかける。
電波障害が起こりディスプレイが乱れ、今は何も映っていなかった。
衝撃波で横転した車を起こす二人。
「ふ〜う、どうもありがと」
「いえ、こちらこそ……葛城さん」
「ミサトでいいわよ。じゃ、改めてよろしくね。碇ユウカさん」
「私も、ユウカでいいです」
照れたように微笑むユウカ。ミサトは、思った。
（うーん、やっぱりあの鬚オヤジの子供とは思えないわね。きっと、母親似なんだろな……）
結構、失礼な話ではある。
「そっか、じゃ……ユウカさん、そろそろ行きましょうか」
「ハイ」
キーを廻すミサト……だが、エンジンが掛からない。
「ありゃ、ダメかぁ。しょうがない……なっと。ウン、ユウカさん、少し待っててね」
そう言うと、ミサトは近くの車を調べ始めた。
「あ、バッテリー探してるんだ……」
そう呟くと、ユウカは差しっぱなしのキーに触れ、意識を集中させる……キーを通して、バッテリーへと『力』を注ぎ込むと、エンジンが掛かった。
「ミサトさーん、エンジン掛かりましたよー」
助手席から身を乗り出して、ミサトを呼ぶ。
「えっ？ウソー?」
そう言いながら戻ってくるミサト。確かに、エンジンが掛かってる。
「どうしたの？」
「……何度か試してる内に、動いたんです」
「そう？うーん、それじゃ、調子悪かっただけかな？ま、いっか。それじゃ、飛ばすからしっかり掴まっててね」
首を傾げながらも、ミサトは運転席に座るとルノーを滑らせた。
「……単純……」
「ん？何か言った？」
「いえ……」
その頃、某所では────
復活したディスプレイを前に、軍の高官たちは凍り付いていた。
「我々の切り札が……」
「なんてことだ！」
「化け物めっ！！」
ディスプレイに浮かび上がったモノは、紛れもなく先刻の使徒だった。
前の頭を押しのけるように、新しい頭がせり出していた。ダメージを受けて、ボロボロになった体は、動きを止めている。
接近したヘリの映像からは、すでに再生が始まっているのが見て取れる。
「予想通り自己修復中か」
白髪の男が呟く。
「そうでなければ単独兵器として役に立たんよ」
眼鏡の男が答える。
その時、ディスプレイが真っ白になる。使徒の両目に当たる部分から打ち出された光によって、大型ヘリが撃墜された。
「ホゥ、大したものだ。機能増幅まで可能なのか」
「おまけに知恵も付いたようだ」
「この分では、再度侵攻は時間の問題だな」
ルノーは、トンネルの中にあるカートレインの乗り場にたどり着いた。シャッターには、”ＮＥＲＶ”の文字とイチジクの葉を模したマークが描かれている。
「……特務機関ネルフ」
ユウカが呟く。
「そ。国連直属の非公開組織。私もそこに所属してるの……ま、国際公務員ってヤツね」
「父の……あの人のいる所ですね」
言葉が硬くなったのを感じつつも、ミサトは答えた。
「ま、ね。あなた……お父さんの仕事、知ってる？」
「人類を守る、大事な仕事だと聞いています……」
そう答えるユウカの表情は、硬く冷たいものだった。
そして、同時刻……ネルフ第一発令所では────
高官達と眼鏡の男……ユウカの父、碇ゲンドウが向き合っていた。
「今から本作戦の指揮権は君に移った」
「お手並みを見せて貰おう」
ゲンドウは表情も変えずに答える。
「了解です」
高官達は、その態度が気に障ったのか、多少皮肉げに続けた。
「碇君。我々の所有する兵器では、あの目標に対し有効な手段が無いことは認めよう」
「だが、君なら勝てると言うのかね？」
口元を僅かに歪めたゲンドウは、左手で眼鏡を押し上げつつ、自信に満ちた表情で答える。
「その為の……ネルフです」
「期待しているよ」
高官達はその言葉を残して退席した。
白髪の男……冬月コウゾウが、ゲンドウに声をかける。
「国連軍はお手上げか。どうするつもりだ？」
視線だけをそちらに向けて、ゲンドウが答える。
「初号機を起動させる」
「初号機をか？パイロットがいないぞ」
再び問いかける冬月に、ゲンドウはこともなく答えを返した。
「……問題ない。もう一人の予備が届く」
「これから、父の元へ行くんですね……」
「そうね、そう……なるわね」
ユウカの脳裏に、父の顔が……そして、シンジの記憶が浮かび上がる。
「クッ……」
「どうしたの？怖い顔して」
気が付くと、ユウカは表情がきつくなっていた……まるで、仇か何かを見つけたみたいに。
「すいません……少し緊張したみたいです」
「そう？酔ったんだったらそう言ってね……気を紛らわせるって訳じゃないけど、これ、読んどいてくれる？」
そう言うと、ミサトは極秘と書かれたファイルを差し出した。
「父は、私に何をさせたいんでしょうね……」
ユウカの言葉に、ミサトは答えなかった。
その時、カートレインはトンネルを抜け出した。眼下にはジオフロントの景観が広がった。
「……思ってたよりキレイですね。スゴイ……」
「そ、これが私達の秘密基地……ネルフ本部。世界再建の要、人類最後の砦となるところよ」
ＥＰＩＳＯＤＥ：１ ＡＮＧＥＬ ＡＴＴＡＣＫ
「ミサトさん」
「何？」
先程から同じような壁が続く。ユウカは、何度か＜ＬＥＶＥＬ．２０＞の文字を見ているが、敢えてその事は口にしていない。
「……随分歩いてますけど、まだ目的の場所は遠いんですか？」
「え？だ、大丈夫よ、あなたは黙ってついてきてくれればいいから」
迷ったんだな……ユウカはそう思った。
ユウカの中には、この本部施設の完全な地図が出来ている。それと照らし合わせれば、今の居場所は分かるけど、ミサトが何処へ行くかは分からない……
と言うより、記憶だと、この後確か……
チィン。
機械の音……何かの到着音がした。
シュウンと、何かがスムーズに開く音がして、二人の後ろから声がかけられた。
「貴女達、何処へ行くの？」
ミサトがビクッとして振り返る。ユウカもつられて一緒に眼を向けた。
そこには、白衣を着た女性が立っていた。
確か、この女性は……ユウカは記憶を探っている。
「あ、リツコ……」
ミサトが呻く。
「随分遅かったわね、葛城一尉。あんまり遅いから迎えに来たわ。人手も時間も無いんだから……グズグズしていられないの」
「ゴメ〜ン。迷っちゃたのよぉ……まだ不慣れでさ」
「で、その子が例の？」
リツコと呼ばれた女性が、ユウカの方に視線を移す。
「そ。マルドゥックの報告書によるサード・チルドレン」
リツコの眼がユウカの顔で止まる。
（似てるわ……あの人と。それに……）
「あの、何か顔に付いてますか？」
ユウカが居心地悪そうに尋ねる。
「いえ、お父さんに似てないなと思って。私は……技術一課、Ｅ計画担当博士──赤木リツコ。よろしく」
「碇ユウカです。よろしくお願いします、赤木博士」
自分に頭を下げるユウカを見て、リツコは何か高揚感を感じた。
「いらっしゃい、ユウカさん。お父さんに合わせる前に見せたい物があるの……」
「見せたい物……ですか」
リツコは壁にあるエレベータのスイッチを押した。すぐに壁が開き、３人はエレベーターで移動を始めた。
「冬月……後を頼む」
「ああ」
ゲンドウがリフトで移動する。冬月はポツリと零した。
「３年ぶりの対面か……」
懐から、一枚の写真を取りだして眺める。
「さて、君に似てると良いのだがな……ユイ君」
暗闇に照明が灯ると、巨大な顔が浮かび上がる。
「顔……ロボット？」
ううん、違う……これがそうなんだ……
「厳密に言うとロボットじゃないわ。人の造り出した究極の汎用決戦兵器……人造人間エヴァンゲリオン、その初号機。我々人類の最後の切り札よ」
「これも……父の仕事ですか」
「そうだ」
そこに、男の声が響き渡った。
巨大な頭の後ろに見えるブースに、人影が見える。
「久しぶりだな」
逆光になって、ユウカからは見えないが、ゲンドウの口元は僅かに綻んでいた。
（……ふむ、似てきたな）
「父さん……」
ユウカは冷めた眼でゲンドウを見た。
（この人は……やっぱり自分のことしか考えてないのかしらね）
「出撃」
「え？」
ミサトが声を上げる。
「出撃?零号機は凍結中でしょ？……まさか、初号機を？」
「他に道はないわ」
リツコが冷たく言い放つ。
「ちょっと！レイはまだ動かせないでしょ?パイロットがいないわよ！」
「さっき届いたわ」
そう言うと、リツコはユウカの方を向く。
「あなたが乗るのよ、碇ユウカさん」
「待って下さい、司令！レイでさえＥＶＡとシンクロするのに７ヶ月かかったんですよ？今日着いたばかりの彼女にはとても無理です！」
ミサトがゲンドウに喰ってかかる。
リツコはそのミサトの言葉に対して、意見を述べる。おそらく、現状では最も正論と思われることを……
「今は使徒撃退が最優先事項です。その為には、誰であれＥＶＡと僅かでもシンクロ可能と思われる人間を乗せるしか方法がないわ。分かっているハズよ、葛城一尉」
「……そうね」
ミサトは頷くしかなかった。
「説明を受けろ」
ユウカが何も言わないのを承諾とみなして、ゲンドウが言う。
「……イヤだと言ったら？」
「乗るなら早くしろ。でなければ──帰れ」
その時、地響きが起きた。
天井を見つめ、忌々しげに呟くゲンドウ。
「奴め、ここに気付いたか」
「ユウカさん、時間がないわ」
そう促すリツコに、ユウカは問いかけた。
「もし、私が乗らなかったら……どうするんですか？」
「そうね、とりあえず……重傷のもう一人のパイロットに出撃して貰うしかないでしょうね」
答えのないユウカに、ゲンドウは冬月を呼び出した。
「冬月、レイを起こしてくれ」
『使えるのかね？』
「死んでいるわけではな……」
「私がやります！」
ユウカが大きな声を上げた。
『どうする？碇』
「聞いての通りだ……レイはそのままでいい」
ニヤリと口を歪ませると、ゲンドウは通信を切った。
「よく言ってくれたわ、操縦システムをレクチャーするからこっちへ……」
リツコに導かれるままに、ユウカは歩き出した。
３歩ほど歩くと、足を止めてゲンドウを振り返り言い放つ。
「私は、あなたに命令されて乗るんじゃない……私は、私がそう決めたから乗るの！それだけは覚えておいて！」
それだけ言うと、リツコの後を追いかけていった。
「フッ……」
ゲンドウは笑みを浮かべると、リフトを戻っていく。
「……随分と寒い親子ね」
そう言い残して、ミサトも発令所へと向かった。
エントリープラグ……ＥＶＡの操縦席に当たる物が、ＥＶＡ初号機の首の後ろ、脊髄の部分に向けて用意される。
「冷却完了！ケイジ内ドッキング位置固定！」
「パイロット……エントリープラグ内コックピット位置に着きました！」
「了解、エントリープラグ挿入！」
発令所のオペレーター席、ショートヘアの女性……伊吹マヤが次々と指示を出していく。
『エントリープラグ注水！』
その声と共に、ユウカの座るエントリープラグ内に黄色い液体が入ってくる。
「落ち着いたモノね……こんな状況初めてでしょうに」
「そうですね、先輩」
リツコの呟きに、マヤが答える。
「……いいわ、続けて」
「ハイ。主電源接続、全回路動力伝達……機動スタート！」
モニターに様々な情報が表示される。全てが通常を示している。
「……Ａ１０神経接続、異常無し。初期コンタクト全て異常無し。双方向回線開きます！」
シンクログラフが動き始める。表示されたシンクロ率は……５０％。
「……すごいわ、予想以上のシンクロ率ね。誤差も０．３％以内……いけるわ」
リツコが感想を漏らす。その声を聞いたミサトは、ゲンドウに念を押す。
「……構いませんね？」
「もちろんだ。使徒を倒さぬ限り、我々に未来は無い」
「碇、本当にこれでいいんだな」
冬月の問いに答えずに、ゲンドウは組んだ手の下で笑みを浮かべた。
メインモニターに映し出されたエントリープラグの中、ユウカはずっと伏せていた顔をあげた。
強い決意を秘めた瞳……柔らかな雰囲気が似合いそうな、その可憐な顔に、怒りとも何ともつかない表情を浮かべて。
「……本当にいいのか、碇？」
冬月が再び尋ねる。今度は、少し迷いが混じっているようだ。
「他に手はない。私はユウカを信じる……」
ボソッと呟いた言葉は、誰かの耳に届いたのだろうか……
「……発進！」
ミサトの号令で、ＥＶＡ初号機は固定台毎射出される。地上に出たＥＶＡは、使徒の正面に現れた。
（死なないで……ユウカさん）
ミサトは心の中で祈った。
あとがき
いよいよ、本筋がスタートしました。
特殊な『力』を持った主人公、碇ユウカの活躍、これから、お楽しみ下さい。
過去……『シンジの記憶』を持っているが故に、先に起こることが解っていたりします。
都合良くもあり、都合悪くもあり……とにかく、今回は出撃までです。
ユウカはゲンドウを嫌ってますが、他の人に迷惑を掛けるのは本意では無いみたいですね。
初めて乗ったＥＶＡ……ユウカは、戦いの中で、自分の『力』を確認した……
次回、『魂の咆吼』。
御期待に添えますよう頑張りましょう……
作成日付：２０００／１２／１２
改稿日付：２００１／０２／０５
感謝の言葉：
ゲンドウの一方的な命令に、きっちり自分の意志を宣言するあたり、
かっこいいですね〜。
ゲンドウもどうも、ＴＶ版とは違った雰囲気がありますが・・・さて。
次回は、初陣、ユウカちゃん、がんばって。
さ、続きが読みたいと思った人は感想メールで催促しましょう♪
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第０２話「魂の咆吼」に進む。
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読者からの反響は作者のやる気を湧き出させます。
続きが読みたい人は、感想メールを送りましょうね。