『いいわね、ユウカさん』
コックピットに座る、ユウカの姿があった。
通信機越しにミサトの声がかかる。
「ハイ……」
ユウカは静かに答えを返す。
「最終安全装置解除！エヴァンゲリオン初号機、リフトオフ！」
発令所にミサトの声が響く。ＥＶＡ初号機が輸送台兼拘束具から外される。
「ユウカさん、今は歩くことだけ考えて」
リツコが呼びかける。
『歩く……んですね』
ユウカが意識を歩くことに向けると、初号機はゆっくりと歩き出した。
（思ってたより……簡単だ……これなら、結構自由に動けそう……）
ユウカは意識の網を広げていった。
歩きながら、ユウカは相手の位置を認識した。しかし、ユウカはまだ、この力の使い方に慣れていなかった。
ユウカが使徒の状態を把握した時には、使徒の手が初号機を捕まえていた。
「あ、しまった！」
使徒の左手が初号機の顔を、右手が左腕を掴んだ。そして、使徒は右手に力を込める。
バキィィィッ……パシッ！
「くぁっ！」
痛みが逆流してきた。左腕が折れて、筋が切れたようだ。
（気が遠くなりそう……でも、耐えないと……私がミスしたんだから……）
「ユウカさん、落ち着いて！掴まれたのはあなたの腕じゃないのよ！」
ミサトが叫ぶ。使徒はそのまま左腕を握りつぶした……モニター上でも痛みが伝わってくるようだ。
「左腕損傷！回路断線！」
『うあぁぁぁぁぁぁぁっ！』
発令所側でのパイロットの状況判断は、戦闘行動中は音声だけである。そこから、悲鳴が聞こえれば、最悪の状況を想像するしかない。
「何とかしてよリツコ！こんなんじゃまともに戦えないじゃない！」
ミサトがリツコに怒鳴る。口に手を当てたまま凍り付いたように立ちすくんでいたリツコは、その声に我を取り戻した。
「神経回路のフィードバック側のレギュレーターのレベルを一桁下げて！」
「はいっ、やってみます！」
リツコの指示に、マヤが答えて入力を開始する。
使徒は右手を放すと、左手に力を込め始めた。光が生まれる……
「ユウカさん！逃げて！逃げなさい！」
ミサトの懸命の呼びかけも空しく、使徒の左手に生まれた光が初号機の顔面を襲った……
第弐話 魂の咆吼
「ウアァァァァァァァァァァァァッ！」
ユウカが吼えた！
使徒の手の光が突き刺さる直前に、初号機の右腕が伸びて、使徒の左手を握り潰す！
使徒は少し後退した。
「ハァッハァッハァッ……」
ユウカの意識が覚醒した。
（ここで倒されたら意味が無い！負けられない！）
少しずつＥＶＡがユウカの意識に包まれていく。
「シンクログラフ反転！制御神経が反応してません！」
「回路遮断！信号完全に拒絶してます！受信しません！」
「モニター、センサー反応しません！パイロット状態確認出来ません！」
オペレーターの言葉が飛び交う。
ミサトが声を大にして叫ぶ。
「作戦中止！プラグを強制排出！」
「ダメです！制御出来ません！」
「そんな……どうすれば……」
驚愕するミサト……そして、発令所の面々。
その時、マヤの声が静まりかえった発令所に響いた。
「シンクログラフ再び反転しました！シンクロ率上昇しています！現在８７％！」
「上昇ですって?」
リツコが声を上げる。メインモニターに映し変えられたシンクログラフは上昇を続け、とうとう９９％に達した。
「通信できないの?」
「こちらからの送信は全く受け付けません！」
ミサトの問いに、マヤが間髪入れず答える。
再び、モニターが使徒と初号機を映し出した。
「見守るしか無いっての?」
ミサトの呟きが、今の発令所全体の気持ちを現していた。
「衝撃で、どこか壊れたのかな？」
痛みを堪えつつ、ユウカは意識の網を広げＥＶＡの状態を確認した……左腕が完全に折れている、外装板も割れているようだ。
無理矢理に使徒と離れたため、神経回路にも影響がでているらしい。
通信機も壊れたようで、通信も出来なくなっている……
「ッツウッ……まず、左手治さないと……」
意識をＥＶＡの左手に向ける。強制的に活性化させ、折れた骨格と千切れた神経や筋肉を繋いでいく。
光に包まれた左腕が拳を握る。
「ウン、大丈夫そう……」
拳を開いたり握ったりして、感覚を掴んでいる。
その時、使徒の右手が初号機に向けられ、光が生まれた……
「左腕が……治ってる？」
モニターに映る初号機は、左腕の感覚を確認してるように見えた。
「そんな……一瞬で……」
リツコがそう呟いた時、使徒の右手から生まれた光が初号機を狙って放たれた。
その光は初号機に届く寸前、光の壁のような物に止められる。
「しょ……初号機、ＡＴフィールド展開！」
初号機がゆっくりと使徒の方を見た……
「もう、喰らわない……恨みなんて無いけど……倒す！」
ユウカはそう呟くと、ＥＶＡを使徒に向けて走らせる。
いつの間にか復元された左腕と右腕の両方から光の矢を放ち、使徒はＥＶＡの接近を妨げようとする。
ＥＶＡは光の隙間を縫うように、避けながら近付いていく。
「ハアァァァァッ！！」
ユウカの掛け声と共に、ＥＶＡが宙に舞う。
無数に放たれる光を、光の壁で受け止め、ＥＶＡは膝から使徒に向かって落ちていく。
「彼女が……戦ってるの?」
ミサトが呻く……
「不可能よ！そんなはず無いわ！」
リツコが否定する。
「こんな戦い方……彼女にはまだ、出来るはず無いもの……」
その様子を見ていた冬月が呟く。
「────勝ったな、しかし……」
ゲンドウは答えず、モニターを見つめている。
ＥＶＡの膝が使徒の左胸に当たる。
弾き飛ばされ、幾つかのビルを巻き込みつつ倒れる使徒。
バギャッ！
『グオォォォォォォォォォォォン！』
ＥＶＡの口が開く。
「ダメッ！落ち着いて！」
ユウカは、ＥＶＡの心に呼びかける。
『彼』が教えてくれていた……ＥＶＡに魂が、心があることを……だから、呼びかければ聞こえるはずだと、そう信じて……
『フゥッフゥッフゥッ……』
ＥＶＡは荒い息を吐きながらも、ユウカの望む通りに大人しくしている。
「ありがとう……もう少しだけ、一緒に頑張って……」
ＥＶＡが軽く上体を沈め、大地を蹴って高速で走り始める。
正面から突っ込んでくるＥＶＡに対し、使徒は今度は攻撃をしない。立ち上がったままの姿勢で、接近を待っているようだ……
後２歩で届く、というところで、使徒の前にオレンジ色の光の壁が生まれた。
ＥＶＡがそこに止められる……
「「ＡＴフィールド?」」
ミサトとリツコの声がハモる。その響きには違いがあるようだが……
「……やっぱり、使徒も持っていたのね……」
ミサトが呆然とした面もちで口にする。
「フィールドがある限り……使徒には近付けない……だけど……」
リツコが途切れ途切れに呟いた。
「止められたりなんてしないから……こんなの、効かないんだからァ！」
ユウカの叫びと共に、ＥＶＡがＡＴフィールドを展開、使徒のそれを中和し、押し広げる。
ＡＴフィールドが効果が無いと悟ったのか、それを消した使徒の眼が光り光線を撃つ。
中和され、消滅したＡＴフィールドを無視して、ＥＶＡはＡＴフィールドを纏わせた左腕を振って光線を打ち払った。
たじろいだように数歩下がる使徒の顔面を、ＥＶＡの右拳が襲う。
ビキィッ！
使徒の顔にヒビが入る。さらに蹌踉めくように下がる使徒。
ＥＶＡはジャンプして、使徒の上から両膝を落とす。
膝の部品が、使徒の胸にある球体を叩き、それを破損させる。
完全に倒れ伏す使徒。ＥＶＡはそれに跨った。
「これで、勝ち……だけど……この後、上手くやらないと……」
ＥＶＡの拳が、傷ついた球体を殴り付ける。
バカッ！
球体が半壊する。
使徒は身震いすると、ＥＶＡの体にしがみつき、変形して包み込もうとする。
『グゥォォォォォォォン！』
ビチッ！……バヂッ！
ＥＶＡは、一声吼えると無理矢理に使徒の手足を引き千切り、その体を持ち上げる。
そして、ＡＴフィールドを展開して、使徒を包み込む。
「しょ、初号機……ＡＴフィールドを展開、使徒を包み込んでいきます！」
マヤの声が上擦っていた。
発令所内の人間がほぼ全員、息を呑む。
「……こんなこと、出来るハズ無いのに……」
リツコが口にする言葉は、そこにいた誰もが思っていたことだった……
使徒の中心部が発光し、使徒の体全体に亀裂と光が走る。
ズッドォォォォォォォォォォォォォン！！
もの凄い轟音が響き渡り、光がモニターを埋め尽くす。
「消えるなら……自分だけにしてッ！」
そのユウカの言葉と共に、ＥＶＡの造り出したＡＴフィールドが使徒を包む透明な球になる。
「潰れろォォォォォォッ！」
『グゥウォォォォォォォォォォォォォォォォン！』
ユウカとＥＶＡの咆吼と共に、使徒の爆発が起こり、光だけが球の外に漏れる。
ＥＶＡの腕が少しずつ距離を縮めると、球体が小さくなっていく……そして、光が消えた時、ＥＶＡはそこに直立していた。
「一体、どうなったの?……ＥＶＡは、ユウカさんはッ?」
ミサトが叫ぶ！
「モニター回復しました！ＥＶＡは……無事ですっ！」
マヤが答える。
「パイロットは?」
「通信状態回復……生命反応、確認しました！パイロット、生存確認！」
さらなるミサトの問いに、今度は眼鏡をかけた青年……日向マコトが応じる。
「回収班を出動させて！救急班にも伝達！早く！」
ミサトの檄が飛ぶ。その後、ホッと一息付いてその場にへたり込んだ。
歓声に包まれる発令所。
「予想通り……いや、遙かに上回っているな、この結果は……」
ホッとした表情ながら、冬月は呟いた。
ゲンドウはそれにも答えず、静かに席を立つ。そして……
「第一種戦闘配置を解除、警戒だけは怠るな……」
そう言って、発令所を出ていった。
「素直じゃないな……まったく」
冬月の言葉は、勝利に酔いしれる発令所の人間達には聞こえてはいなかった……
ＥＰＩＳＯＤＥ：２ Ｂｅａｓｔ Ｈｏｗｌｉｎｇ
「……あ、白い……」
ユウカが眼を開けた時、真っ白な天井が見えた。
「ここ……病院？」
ゆっくりと上体を起こす。必要な物以外、まったく何もない病室。外からセミの鳴き声が聞こえる。
「……そうか、気を失ったんだ……」
ユウカは、戦闘の後を思い出していた。使徒が爆発したのを小さく潰した後、コックピットで意識を失ったのだろう。そこまでは覚えていたのだから……
ベッドから下りて、病室の外へ出る。
某所、暗い部屋の中……
数人の男達が、端末付の卓に着いて、話し合っている。
「碇君、ネルフとＥＶＡ……もう少し上手く使えんのかね」
「零号機に引き続き、君らが壊した初号機の修理代や兵装ビルの補修……国が一つ傾くよ」
「玩具に金をつぎ込むのは構わないが、肝心な事を忘れて貰っては困るね」
「君の仕事は他にあるだろう？」
卓の両サイドに座る四人の男達が口々に語る。それらは、全てゲンドウに向けられていた。
そして、ゲンドウの正面に座る男が口を開く。
「左様。”人類補完計画”……これこそが君の急務だ」
一拍置いて、そのバイザーで眼を隠した男が言葉を続ける。
「この計画こそが、この絶望的状況下における、我々の唯一の希望なのだ」
「承知しております」
ゲンドウがようやく口を開く。
「いずれにせよ、使徒再来における計画スケジュールの遅延は認められない。予算については一考しよう」
そして、男達が退席する。
「分かっている。人間には時間がないのだ……」
ゲンドウは一人呟いた……
戦闘跡での、調査作業隊の仮設テント……休憩中のミサトが、ＴＶのニュースを見ていた。
「発表はシナリオＢ−２２か。またも真実は闇の中……ね」
それを聞いていたリツコが、手に持ったボードから眼を離すことなく答える。
「広報部は喜んでたわよ。やっと仕事が出来たって」
「仕事ねぇ……」
ミサトは、手にしたコップの中のコーラを飲み干した。
「……温い」
ユウカは、病院の廊下にいた。窓から外の景色を眺めている。
キャスターの音が静かな廊下に響く。
ふと、その音の方を振り返ると、移動ベッドがやってきた。
その上には、右手をギプスで固定した、どう見ても重症患者の少女が乗っていた。
（あ、彼女……綾波、レイ……さんだ……）
ふと、目が合う。無表情な彼女に、ユウカは微笑みを向ける。
数時間後、ミサトが病室に顔を出した。
「ユウカさん。どう、具合は？」
「あ、ミサトさん。もう大丈夫です。」
ベッドに座っていたユウカは、ミサトに顔を向けた。
（うーん、どう見ても司令とは似てないなぁ……）
「そう。精密検査があるから、あと２・３日入院して貰うことになるけど……いい？」
「ハイ」
「それじゃ、また明日様子を見に来るから。それと……」
やおら、抱えていたジャケットのポケットを探りだすミサト。少しして、折り畳んだ紙を取り出す。
「これ、私は見てないんだけど、あなたの住民登録票の写し。見る？」
「いえ、今はいいです……退院する時で間に合うと思いますから」
「そう？じゃ、一応ここに置いてくから……」
そう言ってミサトはイスを立った。
部屋を出ようとするミサトに、ユウカが声をかける。
「あ、ミサトさん……ここに、レイさん……入院してるんですか？」
「え？どうして？」
「出撃の時、赤木博士が重傷のパイロットがいるって言ってたし、ミサトさんも”レイ”って名前を何回か口にしてましたよね……」
（この子……勘がいいのか、記憶力がいいのか……迂闊なこと、この子の前じゃ言えないわね……）
ミサトは、そんな風に思いながらも、質問に答えた。
「ええ、そうよ。確かにここに入院してるわ。それがどうかしたの？」
「……一度、挨拶したいな、と思って……」
「そ、か。じゃ、明日、チョッチ面会に行きましょか」
「ハイ」
そう言って、ミサトは帰っていった。
「ミサトさんって、ホントにノリがいいな……でも、あんな大人になりたいな……」
ユウカは、ミサトが出ていったドアを暫く見つめていた。
「副司令、碇司令は？」
翌日の朝、発令所に到着したミサトは、ゲンドウの姿が無いのを訝り、そこにいた冬月に尋ねた。
「碇司令なら所用で昨日から外出中だ。君は現地から直接帰宅したから、連絡が届いてなかったようだな。で、司令に何の用だ？」
「ハァ……今日、ユウカさんのお見舞いに行くので、言伝とかあったら伺おうかな……と思ったものですから……」
「ふむ、そうか……それは、君の業務の範疇として行くのかね？」
一瞬、眉をピクリと動かした後、冬月は淡々と言った。
「え？ええ、まあ、そう……ですね……多分、そうなるんじゃないかと思いますけど……」
ちょっとたじろぎながら、ミサトが答える。
「業務の範疇だと言うのなら、君でなくても構わんだろう……私が様子を見てこよう」
「ハイ？」
「では、葛城一尉……暫くの間、ここを頼む」
そう言い残すと、冬月は発令所を出ていった。
残されたミサトは、暫し呆然としていたが、我に返ると、吠えた。
「何よそれェ?」
「諦めるのね、ミサト」
今まで、我関せずを決め込んでいたリツコが、ワナワナと震えるミサトの背中に、言葉をかけた。
「一体、何で副司令が?」
「さぁ？どうしてかしらね」
（やっぱり……あのユウカって娘が、あの人に似てるからかしらね……）
リツコは、心の中でそう呟いた。
「失礼するよ……」
そう言うと、冬月はユウカの病室に入っていった。
「……あの、どなたですか？」
（知ってるけど、『私』は初対面だし……合ってるよね……）
ユウカは、自分の対応を再確認してみた。
「私は、ネルフ本部副司令の冬月だ」
男が自分の名前を告げる。ユウカは、記憶と照らし合わせて、間違いないことを確認した。
「私……碇ユウカです。こちらこそよろしくお願いします」
とりあえず、ペコリと頭を下げる。顔を上げたユウカは、疑問を口にした。
「あの、それで……私、何かしましたか？」
「どうして、そう思うのかね？」
「え、だって……副司令って、父の次に偉い人ですよね。そんな人がわざわざ……」
「君の様子を見に来ただけなのだが……不服かな？」
憮然とした表情の冬月、ユウカは慌てて取り繕う。
「あ、いえ、そんなことないです……嬉しいです。ありがとうございます」
「……まだ何かあるようだが？」
「あ……え、と……ミサトさ……じゃなくって、葛城さんが来られるって聞いていたので……」
「ふむ……私はこちらの方に他の用事もあったので、代わりに来た訳だが……驚いたかね？」
「えっと……少し……」
恥ずかしげに顔を伏せるユウカ。それを見て、冬月は考える。
（やはり、親子は似てくるものだな……ユイ君を少し幼くした感じか……）
「あまり気にしなくてもいい、葛城一尉には彼女の仕事があるんでね。まぁ、押し付けてきたようなものだがな……」
「そうなんですか？」
「ああ、そうなんだよ」
そう言って、冬月は柔らかな笑みを浮かべた。
暫く、２人で世間話などしていたのだが……
「それで、その、冬月副司令……」
「ユウカ君、随分言い難そうだが……他の呼び方で構わんよ」
「あ……じゃあ、冬月さん……でいいですか？」
「いいとも。それで、何か訊きたいのではないかね？」
「そのォ……葛城さんに、今日……レイさんに会わせてもらえるように頼んでいたんですけど……」
「レイに、か……なら、私が案内しよう。ついてきなさい」
そう言うと、冬月はゆっくりとイスから立ち上がった。
「レイ、入るぞ」
「……どうぞ」
抑揚の少ない声が返ってくる。冬月は声を確認すると、その病室のドアを開けた。
中は、ユウカの部屋と似ていた。真っ白な壁と天井……ベッド等、必要最低限しか置かれていない。
そして、ベッドの上には、体中、至る所に包帯を巻いた、蒼い髪の少女が横たわっていた。
「ユウカ君、彼女がレイ……ファースト・チルドレン、綾波レイだ。レイ、この子は……碇ユウカ君だ」
「碇、ユウカです。初めまして、よろしくお願いします」
ユウカは、冬月の言葉を継いで、レイに挨拶した。
「……碇？」
「そうだ、碇司令のお嬢さんだ。色々教えてやって欲しい……頼むぞ」
「……はい」
「では、行こうか、ユウカ君」
話しかけようとしたユウカを止めて、冬月は外に出るように促す。
「え、でも、話したいこととかあるんですけど……」
「外に医師が待っているようなのでね、彼等の邪魔をするわけにはいかないだろう？」
そう言われると、確かに病室の外に人の気配がする。
「また、時間を改めて来るといい。では、失礼しよう」
「……ハイ」
冬月に連れられ、ユウカは名残惜しそうに部屋を出ていった。
（……あの人……気になる……何故？……）
レイは、そんなことを思いながら、２人の出ていったドアを見つめていた……
あとがき
ユウカは、その『力』で初号機を見事に操って見せました。
使徒をＡＴフィールドで包み込んで消し去るとは……なんか、もの凄く強いような。
サブタイトル、和訳は「吼え猛る野獣」です。本来のＴＶ版第弐話の英語サブタイトル『ＴＨＥ ＢＥＡＳＴ』にかけて見ましたが、いかがなもんでしょうか。
しかし、綾波さん、最後にちょっと出ただけですね。アヤナミストの方々、申し訳ありません。
次回は、内容的にはＴＶ版第弐話の続きを基本に、病院での、ユウカとレイの邂逅（かいこう）シーン等で構成します。
ユウカが出会った、不思議な雰囲気の少女……２人の邂逅は、何をもたらすのか……
次回、『それぞれの、想い』。
続きが気になる方は、どうぞお読み下さい。
作成日付：２０００／１２／１４
改稿日付：２００１／０２／０５
感謝の言葉：
ユウカちゃんのお願いを聞いて、暴走直前で止まる初号機♪
なんだかちょっと可愛いな、と思いました。
冬月センセ・・・いきなりゲンドウよりも一歩抜きん出ましたが・・・
何を求めているんでしょ。（笑）
レイとの出会いはスムーズに始まりましたね。
シンジの時の記憶を持つユウカちゃんがどう行動するのか興味津々です。
さ、続きが読みたいと思った人は感想メールで催促しましょう♪
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第０３話「それぞれの、想い」に進む。
作者のＡＢＣさんへの感想メールはこちら（abebeabebe@ksn.biglobe.ne.jp）まで。
読者からの反響は作者のやる気を湧き出させます。
続きが読みたい人は、感想メールを送りましょうね。