「葛城一尉、弐号機の受け取りに行ってもらう。いいかね？」
「……それは、構いませんが……」
司令室に呼ばれたミサトは、ゲンドウから命令を受けた。
それは、ドイツから輸送中のＥＶＡ弐号機の受け取りを行うというものだった。
「うむ……なお、サード・チルドレンを随行させる。また、君の判断で、数人なら他の人員を随行して構わない」
「……了解しました」
ミサトは、腑に落ちない様子で司令室を後にした。
いなくなるのを確認して、ゲンドウは静かにほくそ笑む。
「ただいま〜」
ミサトが家に戻ると、玄関にかなりの靴があった。
「あ、ミサトさん、お帰りなさい」
「ユウカちゃん……お客様？」
「はい。みんなで宿題してたんです」
「ふぅ〜ん、そう。あ、そうそう……明後日、ちょっと一緒に行って欲しい所あるんだけど、いいよね」
「？……いいですけど？」
「……お帰りなさい」
それは、ユウカが戻ってこないので様子を見に来たレイの声だった。
「レイ、あなたは留守番頼むわね」
「……それは、命令ですか？」
「そう、司令の命令」
「……分かりました」
微妙に不満そうな表情のレイ。
「おーい、どないしたんや……あ、ミサトさん、お帰りなさい！」
「どーも、お邪魔してます」
「お邪魔してます」
更に、２人が戻ってこないのを気にして、トウジ、ケンスケ、ヒカリの３人がユウカ達の部屋から現れた。
「ハイ、今晩わ」
ミサトは、軽く挨拶を返す。
少し、考えていたが、何か思いついたように口を開く。
「……ねぇ、君達……明後日、ヒマ？」
「「ハイッ！ヒマですっ！」」
トウジとケンスケが声を合わせて叫ぶ。
ヒカリはうるさそうに耳を塞いだ。
「そう……そんじゃ、明後日、お姉さんとチョッチお出かけしない？」
「ミサトさん、いいんですか？」
ユウカが尋ねる。
「いーのよ、許可下りてるから。それじゃ、明後日、朝５時にここに来てね」
「「ハイ！必ず来ます！」」
満足そうなミサトの表情が、その場の全員にとって妙に印象的だった。
夕食の後、ユウカは通信機を動かした。
「今晩わ、アスカ」
『ハァイ、ユウカ。もうすぐ着くからね』
声だけの通信だが、アスカの楽しそうな気分は伝わってくる。
「うん、知ってる……明後日、そっち行くから」
『え？来るの？何でまた……』
「知らない……あの人の考える事なんて分かんないわ……」
ユウカの声に不機嫌な音が混じる。
『あの人って？』
「私の父親……碇司令のこと」
『……そういや、アンタって司令の娘だったっけねぇ……まぁ、それはいいわ。で、ミサトも来るの？』
「そう、ミサトさんが一緒。後……トウジとケンスケ君も連れてくって」
『トウジ？それって、アンタのこと殴ったヤツよね……』
「そうだけど……何か、変なこと考えてない？」
アスカの声に微妙に剣呑な響きが混じったのをユウカは聞き逃さなかった。
『べっつにィ〜そんじゃ、楽しみに待ってるからね』
「それじゃお休み」
『お休み』
通信が切れた後、ユウカは思いふける。
（今度は……やっぱり、使徒、来るのかな？）
その憂いは、裏切られる事は無かった……
ＵＮ軍所属の大型輸送ヘリが海上へ出る。
乗っているのはミサトとユウカ、それにトウジとケンスケ。
トウジもケンスケも遊び気分なのは誰でも分かるほどだった。
「さ、そろそろ見えてくるわ」
「けど、ミサトさん？ワシら、どこに行きますの？」
「あ・そ・こ。これから豪華なお船でクルージングよ」
その指差す先には、ＵＮ軍太平洋艦隊が待ちかまえていた。
一番大きな空母に降下するヘリ……乗っていた四人は、甲板上に降り立った。
少し歩くと、その前に立っているワンピース姿の少女……アスカがいた。
「ヘロ〜ォ、ミサト、元気してた？」
「ま、ね。あなたも背、伸びたんじゃない」
「そ、他の所もちゃ〜んと女らしくなってるわよ」
そう言って、アスカはミサトの横に立つユウカに眼を向ける。
「ハァイ、ユウカ。ディスプレイ越しでは何度か会ってるけど、直接は初めてよね」
「そうね。これからよろしくね、アスカ」
「あら、２人とも知り合い？んじゃ、紹介はいいわね」
「いらないわ。それよりユウカ、あの２人がそう？」
「うん……カメラを持ってるのがケンスケ君で、その横にいるのがトウジ」
「そ……ちょっといらっしゃい」
アスカは、ユウカを引き連れてトウジとケンスケの方に近付く。
「ちょっと、アンタがトウジってヤツ?」
「？そうやけど、ワシに何の用や？」
アスカはニヤッと笑うと、いきなり平手打ちをかます。
第八話 アスカ、来日
「いきなり、何さらすんじゃい、このアマ！」
「アンタこそ、女の子の顔殴ったくせに！ユウカが許してもアタシが許さないわ！」
「……アスカァ……」
睨み合う２人を見て困ったような笑顔のユウカ。
ケンスケはキッパリ言い放つ。
「自業自得だな、トウジ」
「何で、本人やないヤツに……」
「アンタみたいなのは女の敵よっ！」
ビシッと指をトウジの顔の前に突き出しながら、アスカが言う。
たじろぐトウジ。
「……どうしようか、ケンスケ君」
「放っとくしかないんじゃない？」
素知らぬ顔で、周りの戦闘機や巡洋艦などを写すケンスケ。
ユウカは、トウジに詰め寄るアスカを黙って見ているしかなかった。
その頃ブリッジでは、ミサトが手続きをしていた。
身分を確認した、空母”オーヴァー・ザ・レインボゥ”の艦長が皮肉る。
「フム、ボーイスカウトの引率かと思っていたが、こちらの勘違いだったようだな」
「……まぁ、そう言われても仕方ないと思いますけどね。現用兵機では例の敵性体には蚊が刺すほどの傷も与えられませんから。私達は、あの子供達に頼るしかありませんもの」
サラリと流すミサト。
艦長は苦虫を噛み潰したような顔をした。その時……
「よっ、相変わらず凛々しいな」
ミサトは、イヤそうな顔をしながら、声の方を向いた。
そこには、背の高い、軽薄そうな男が立っていた。
士官食堂にいる、ユウカ達四人。
そこへ、大声で話しながら近付く声が聞こえる。
「……ったく、何でアンタがここにいるのよ！」
「彼女の随伴でね。ドイツから出張さ」
「迂闊だったわ……充分考えられる事態だったのに」
ミサトと男が入ってくる。
アスカが嬉しそうな声を上げた。
「加持先輩！」
「葛城、今付き合ってるヤツいるの？」
お茶を飲みながら、加持はミサトに尋ねる。
ミサトはムッとしながら答える。
「それがあなたに関係ある訳？」
「アレ？つれないナァ」
そう言うと、加持は、今度はユウカの方を向く。
「君、碇ユウカさんだろ。葛城の所にいるんだって聞いたけど、葛城の寝相の悪さ……直ってる？」
「……えっと」
その場の、加持を除く全員が固まる。
「ハハッ、答えにくいか……君のこともよく聞いてるよ。初めてＥＶＡに乗って、そのまま使徒を撃退したってね」
「……ハァ」
「じゃ、とりあえず、そこの怖いお姉さんが睨んでるから失礼するかな」
そう意って、加持は食堂を出ていった。
「ユウカ、ちょっとつきあって」
アスカが、ユウカに声をかける。
「何？」
「いいから来なさいって」
アスカは悪戯っぽく笑みを浮かべた。
ユウカは、その様子を訝しみながらも、大人しく付いていった。
２人は、併走するタンカーに移ると、張ってある幕の中に入っていった。
「見なさい！これが、アタシが乗るＥＶＡ弐号機……ファーストの零号機やアンタの乗る初号機は、いわゆる開発過程のプロトタイプとテストタイプ。けど、この弐号機は違うわ！」
アスカは、そう言いながら奥に進んでいく。
「この弐号機こそは、実戦用に造られた制式タイプ。いわば、世界初の本物のＥＶＡなのよ！どう、凄いでしょ」
「はぁ……そうなんだ……」
まるで自分の事のように自慢げに話すアスカ。
と、その時……爆発音が起こり、タンカーが揺れる。
「水中衝撃波！」
アスカが叫び、甲板に出る。
ユウカも後を付いていった。
そこから見えた物は、爆発する護衛の巡洋艦と、白く長い板のようなモノだった。
「まさか、使徒？」
ユウカが呟く。
「行くわよ、ユウカ」
アスカが言う。
「え？どこへ？」
「アレをやっつけるの。いいから来なさいって」
アスカは、ユウカの腕を取ると、タンカーの中へ引きずり込んだ。
ＥＰＩＳＯＤＥ：８ ＡＳＵＫＡ ＳＴＲＩＫＥＳ！
旗艦”オーヴァー・ザ・レインボゥ”のブリッジ。
艦長が双眼鏡を覗きながら叫ぶ。
「くそぅ、どうなってる？何が起こってるんだ?」
ミサトが顔を出しながら言う。
後ろには、トウジとケンスケも付いてきていた。
「ちわーっす、ネルフですが……見えない敵の情報と的確な対処はいかがっスかー？」
無視する艦長。
更に爆発音が響く。
「私見ですが、これはどー見ても使徒の攻撃ですねぇ」
皮肉たっぷりにミサトは告げる。
「敵影に魚雷発射だ！」
艦長は、護衛の鑑に命令を下す。
海面に見えた巨大な影に魚雷が撃たれるが、効果は無いように見える。
それが潜行する際に生まれた津波がフリゲート艦を巻き込み、破壊する。
別の所から見ていた加持は、呟く。
「この程度じゃ、使徒のＡＴフィールドは破れないな」
「ほら、ユウカ、さっさと着替えて」
「着替えるって……これ、プラグスーツ？」
「そ。アタシのスーツの予備」
「でも、どうして私まで？」
「いいから。アタシの戦い方をいっちばん側で見せてあげるからね。少しは参考にしなさい」
そう言うとアスカは、ポンと、軽くユウカの頭に手を置く。
ミサイルが使徒に降り注ぐが、使徒は直撃をも問題としていない。
艦長は忌々しげに呟く。
「何故だ、何故沈まん！」
一隻の下をギリギリで通ると、その船はきれいに真っ二つにされた。
「へぇ〜、あの尾鰭みたいなの……結構な切れ味ね」
ミサトは他人事のように言う。
その使徒の動きが奇妙な気がするミサト……思ったことを独り言のように口にした。
「変ね……まるで、何か捜し物でもしてるみたい……」
その頃、ある船室の中……加持は荷物を纏めながら、誰かと通信していた。
「こんな所で使徒の襲撃とは、ちょっと話が違いませんか？」
『その為の弐号機だ。予備のパイロットも追加してある。いざとなったら、君だけでも脱出したまえ』
「そうですね。そうしますか……」
苦々しい顔をしながら、ゲンドウとの通信を切った加持は、荷物を持って部屋を後にした……
「うーん、起動エラーねぇ……ユウカ、アンタ、ドイツ語出来る？」
弐号機のエントリープラグの中……ユウカは、アスカの座るインテリアに後ろからしがみついていた。
「全然分かんないよ。習ったことないもん」
「……しょうがない、基本フォーマットを日本語に変更するわ」
「……最初からそうしてくれればいいのに」
「……ユウカ、アンタって結構言うわね」
「怒った？」
「……ううん、気に入ったわ。さ、て……エヴァンゲリオン弐号機、起動！」
タンカーの上、ＥＶＡが立ち上がった……
「ミサトさん、アレ！」
ケンスケがカメラを覗きながら騒いだ。
ミサトもその方向を見る。
弐号機を運んでいたタンカーが動いているのが見える。
「弐号機が動く?ナイス、アスカ！」
『ミサト、ＥＶＡ弐号機で使徒を殲滅するから！』
『ミサトさん、なんか、成り行きでこんなとこいますけど……心配しないで下さいね』
「ユウカちゃんもいるのね？」
「ミサトさん、マジやばいで……アイツ、あそこに向かっとる！」
トウジの言うとおり、使徒は弐号機の乗るタンカーに突っ込んでいった。
間一髪、弐号機は側のイージス艦に飛び乗る。
「アスカ、こっち来て！非常用の外部電源を用意するわ！」
『りょーかい。さ、跳ぶわよ、ユウカ』
『……飛ぶ？』
弐号機は次から次へと戦艦などの上を跳び移り、空母の甲板を目指す。
『予備電源出ました！リアクターと直結完了！』
『飛行甲板退避！ＥＶＡ着艦準備よろし！』
「デタラメだ！」
大騒ぎの空母、艦長が悲鳴に似た叫びを上げる。
『ＥＶＡ弐号機着艦しまーす！』
アスカの声と共に、弐号機が甲板に降り立つ。
衝撃で空母が揺れ、甲板上に残っていた戦闘機が海中へ落ちていく。
「来るよ！左舷９時方向！」
ユウカが叫ぶ。
「よっし、ソケット接続……外部電源に切り替え！」
コックピット内の電力カウンターの表示が、外部電源に切り替わる。
「ねぇ、アスカ。武装無いけど、どうするの？」
「ハンッ！あんな、ただデカいだけのヤツなんて、ナイフ一本で解体してやるわよ！」
弐号機はプログナイフを構えた。
真っ直ぐに突っ込んでくる使徒。
ジャンプして、空母を飛び越えようとする使徒の腹側に、ＥＶＡはナイフを突き立て、切り裂く。
だが、傷は切ったそばから塞がっていった……
「何、こいつ……回復が速い！」
残っていた尾がＥＶＡを海中に叩き落とす！
「キャアッ！」
ユウカが悲鳴を上げる。
『アスカ、Ｂ型装備じゃ水中戦闘は無理よ！』
ミサトが怒鳴る。
「んなこと言ったって……やってみなきゃ分かんないでしょ！」
アスカが叫び返す。
「もう、アスカったら！」
ミサトが愚痴る。
その時、甲板エレベーターが上昇し、一機の戦闘機が姿を現す。
「？そこの戦闘機、何してるの?」
『葛城か？悪いけど、俺、届け物があるんで先行くわァ』
加持は、そう答えた。
『つー訳で……後ヨロシク〜、葛城一尉』
離陸した戦闘機は、ドンドン遠くへ去っていく。
「に、逃げよった」
トウジが呆然と呟く。
同じ表情で声も出ないミサト。
「……まったく、忌々しいヤツね。あんな回復速いヤツいた？」
「ううん、アレは桁違いよ……大きさもだけど……」
「総身に知恵が回りかねって諺があったと思ったけど、アイツには通じないみたいね」
「……って言うより、海じゃ叶わないんじゃない？どー見ても魚みたいだし」
アスカは振り向いて文句を言う。
「……ユウカ、アンタどっちの見方？」
「アスカ、前、前ッ！」
ユウカがいきなり慌てる。
「前？何よ……ドェェェェェェェッ?」
巨大な使徒は、口を大きく開いて、ＥＶＡを飲み込んだ……
「ちょっと、アスカ！状況を説明しなさい！」
いきなりの悲鳴に、ミサトは状況を確認しようとした。
『ＥＶＡ弐号機、目標内部に侵入！』
「それって、喰われたんとちゃうか……」
トウジがポツリと感想を口にする。
「……艦長、攻撃型潜水艦、何隻あります？」
「潜水艦だと？」
「ハイ……一つ作戦を考えたのですが、それには３隻以上の潜水艦が必要です」
「……５隻ある。それがどうしたんだ？」
「……作戦を説明します……」
ミサトは、思いついたままに作戦を口にした。
『２人とも、合図があったら使徒の口をこじ開けて！いいわね！』
「ミサト……了解！」
アスカが答える。
水中を、ＥＶＡを喰わえたまま泳ぐ使徒。
口の中には、光球が見える……
『いいわ、やって！』
「開けぇ！」
アスカの気合いの叫びと共に、使徒の口が開く。
３隻の潜水艦が突入して、ＥＶＡと入れ替わりに使徒の口の中に収まる。
そこへ、２隻の潜水艦が攻撃を加える。
ドゴァァァァァァァン！
潜水艦が使徒の中で爆発する。
使徒の形が歪む……
「これで、上手くいったか？」
ミサトが呟く。
だが……使徒は浮上してきた。
その口は変形し、開かれたまま、巨大な刃のように鋭くなっている。
左右に、大きな鰭状の部品が巨大化しているのが確認された。
「……こいつ、まだ生きてるの……」
「クレイジー……」
ミサトが、艦長が、それを見た全てが呆然としていた……
「これが……使徒？」
「アスカ、まだ終わってないよ！」
「だって……冗談でしょ……体内で３隻の攻撃型潜水艦が爆発したってのに……無傷なのよ、アイツ！」
「そうでもないよ、見て」
ユウカがモニターの一点を指す。
それは、むき出しになって、僅かにヒビの入った光球だった……
「アレがどうしたのよ？」
「赤木博士が言ってたの……アレはコア……どの使徒も必ず持っている、唯一の急所だって……」
「急所？それじゃ……」
アスカの声に気合いのようなモノが籠もり始める。
「そう、むき出しになってる今が、あの使徒を倒す……」
「ラスト・チャンスってことね……」
アスカの眼に気迫の炎が宿る。
「よぉし、やってやろうじゃないの……ユウカ、このアスカ様の本気ってのを見せたげるからね！」
「うん、見てるよ……」
アスカは、ＥＶＡを再び甲板の上に立たせる。
そして……ＥＶＡは宙を舞った。
プログナイフを逆手に構え、コアに向かって真っ直ぐに落ちる。
使徒は、上面にＡＴフィールドを発生させる。
（アスカの為にも……邪魔なんて許さない！）
ユウカの意識が、ＥＶＡを通してプログナイフの先端に収束する。
「くたばれぇ！」
アスカの掛け声と共に、ユウカも心の中で叫ぶ。
（倒れろぉ！）
プログナイフはＡＴフィールドをうち砕き、使徒のコアに突き刺さる。
その一撃は……コアを完全に叩き割った。
使徒は、一瞬だけ身震いすると海中に静かに沈んでいった……
新横須賀港（旧小田原）に、太平洋艦隊が到着する。
「葛城一尉、ご苦労様」
「リツコ……後頼むわ……」
ミサトは、手にした紙束をリツコに渡すと、そこにあったベンチに座り込む。
「あら、これは……貴重なデータだわ」
紙片を数枚捲ると、リツコは呟いた。
「いやぁ、波乱に満ちた航海でしたよ。やはりコレのせいですか……」
加持は、ゲンドウの前で持っていたトランクの蓋を開く。
「すでにここまで復元されています。硬化ベークライトで固めてありますがね……間違いなく生きています。……人類補完計画の要ですね」
中を覗きながら、加持が報告する。
ゲンドウはゆっくりと顔を上げつつ答えた。
「そうだ。最初の人間『アダム』だよ……」
「あー、昨日はエラい目におうたわ」
「あはは、ゴメンね、トウジ」
「いいって、ユウカちゃん。コイツのは前から言ってる通り、自業自得だって」
第壱中学……ユウカ達が教室で昨日の話をしている。
「何かあったの？」
「色々とね……」
ヒカリの質問に、ユウカが苦笑する。
始業のチャイムが鳴り、生徒達が自分の席に着くのと同時に、担任の老教師が教室に入ってくる。
そして、その後ろから現れたのは……アスカだった。
アスカは、黒板にサラサラっと名前を書くと、振り返って名前を名乗る。
「惣流・アスカ・ラングレーです。よろしく」
あとがき
アスカの、例のシーン……タイミングを合わせたタイトル挿入でしたが、いかがなモノでしょうか？
戦闘シーン、現実に近く、それでいてドラマ的な手法をと考えたのですが、元々演出重視のＥＶＡの二次小説なので、ある程度誇張というか、嘘というか、現実には不可能な状況も必要ですからね……それならばと本文のようにしましたが、どうですか？
ヒビを入れたり、活動を一時的に停止させるくらいなら現用兵器でも出来るんですがね。
やっぱり、止めはＥＶＡの手じゃないとダメ……と。
むう、使徒って、この世界（想いを継ぐ者）では滅茶苦茶タフですね。
弐号機の日本での初戦闘……だが、結果は苦い敗北。
ミサトは、起死回生の作戦を捻り出すが……
次回は、『苦い選択』。
どうぞ、よろしくお願いします。
作成日付：２０００／１２／２３
改稿日付：２００１／０２／０５
感謝の言葉：
同じビンタで始まるオープニングでも印象が変るものですね〜。
ユウカのゲンドウを「あの人」と呼ぶシーン、後々に響くんでしょうか。
両者の間にある溝は深くて簡単に埋まらない・・・そんな気がしました。
とりあえず、やっと学園エヴァ編の開始、ということで、次回以降、
アスカの活躍に期待したいと思います。
さ、続きが読みたいと思った人は感想メールで催促しましょう♪
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第０９話「苦い選択」に進む。
作者のＡＢＣさんへの感想メールはこちら（abebeabebe@ksn.biglobe.ne.jp）まで。
読者からの反響は作者のやる気を湧き出させます。
続きが読みたい人は、感想メールを送りましょうね。