『エクタ６４より、ネオパン４００。前方航路上に積乱雲を確認』
真っ青な空……いくらか、白い雲が浮かぶ。
巨大な十字架を吊した超大型輸送機が飛行している。
輸送機から、無線による通話を始めた。
管制側は、現状から問題無いことを示唆する。
『ネオパン４００確認。積乱雲の気圧状態は問題無し。航路変更せず、到着時刻を遵守せよ』
『エクタ６４了解。航路変更無し。到着時刻を遵守する』
輸送機は積乱雲に突入する。
真っ白な闇にも見える雲の中を走る雷光……
その一つが、十字架に吊された物……ＥＶＡ参号機の全身を駆け抜けた。
葛城家、早朝。
ユウカは、１人ミサトを見送りに出ていた。
「ま、ウチのことはユウカちゃんに任せておけば安心だと思うけど……」
「ミサトさん……トウジの事、お願いします」
「誰から聞いたの?」
淋しげな笑顔で、ユウカが答える。
「……聞かないで下さい。あの、ミサトさんも気を付けて下さいね」
「分かった。アタシに出来る限りのことするわ」
そう言って、大きなトランクを手に玄関のドアを開ける……と、ケンスケが立っていた。
「葛城三佐、お願いがあります！」
「な、何、相田君？」
「自分を、エヴァンゲリオン参号機のパイロットにして下さい！」
面食らった顔のミサト、言葉を失ったユウカ……常夏にも関わらず、寒い風が吹いた瞬間だった。
「ユウカさんが知っていた？」
リツコが聞き返す。
松代に移動するトレーラーの中、ミサトが、ユウカが朝言っていたことをリツコに伝えた。
「うん、よろしくって……」
「……加持君からでも聞いたんじゃない？」
「アイツが？言いそうに無いけどね」
「信頼してるの？」
「信用はしてるわ」
「……大差ないように聞こえるわね」
「かもね……」
窓の外を見ながらボーっとするミサト。
リツコは、手元のラップトップに眼を戻す。
「私は、あの子の能力の方が怖いけどね」
「能力？」
ミサトは、現実に引き戻される。
「初号機が自力で脱出するのは、ほぼ不可能だったあの状況で……暴走すらさせずに、あの子は帰ってきたのよ……私が知る限り、ＥＶＡには出来ないことをやったの」
「それがユウカちゃんの能力ってこと？」
「そう。あれじゃ、使徒と変わらないわ」
「……ＥＶＡ自身が使徒のコピーなんでしょ。だったら、出来ても不思議じゃないわ」
「……気楽ね、ミサト」
「アンタが考えすぎるのよ、リツコ」
ミサトはまた外を眺める。
リツコは、不満げにコンピュータに視線を落とした。
「くぅ〜っ、残念だなぁ……もう決まってたなんて」
「アハハ……そうだね……」
本気で悔しがるケンスケの様子に、渇いた笑いを浮かべるユウカ。
アスカとレイを置いて、先に出てきたのだった。
「ユウカちゃんは、誰か知らないのかい？」
「……ミサトさんからは聞いてない」
「そっかぁ……」
「ま、諦めなさいって事よね」
ユウカは、軽くケンスケの肩を叩く。
そんなことをやっている内に、２人は学校に着いた。
教室に入ると、ヒカリが席でボーっとしていた。
「お早う、ヒカリさん」
「委員長、お早う」
「……おはよう」
どことなく鈍い反応が返ってくる。
「どうしたの、ヒカリさん……もしかして、昨日、トウジと何かあったの？」
ユウカがそう言うと、ヒカリは顔から火が出たように真っ赤な顔をする。
「な、な、な、ななな何言ってるの、ユウカさん。す、す、す、すすす鈴原となんて、な、な、な、ななな何も無いわよ！」
「滅茶苦茶動揺してるよな、委員長……」
「そうだよねぇ。どうみても焦ってるよねぇ、ヒカリさん……」
ケンスケとユウカは、お互いに顔を見合わせる。
松代、ネルフ第二実験場。
巨大輸送機の爆音が聞こえてきた。
「遅れること２時間、ようやくおでましか……アタシをここまで待たせた男は初めてね」
「デートの時は待たずにさっさと帰ってたんでしょ」
炎天下でイライラするミサトに、リツコが突っ込みを入れた。
「……何で知ってるのよ」
「知ってるんじゃなくて、予想してみただけ。合ってたみたいだけどね」
「……意地悪婆さんね」
「……婆さんは余計よ」
もの凄く不機嫌そうな響きの、リツコの声がして、ミサトは、話を続けるのを止めた。
待ち合わせの場所、トウジは、迎えの車を待っていた。
黒塗りの車が滑るように止まり、黒いスーツの男が下りてくる。
「鈴原トウジ君だね」
「そうです」
「では、行こうか」
「はい……」
トウジが車に乗り、車は滑るように発進する。
第弐拾参話 命の光
松代……起動実験の準備が進んでいた。
『参号機起動実験マイナス３０分です』
『主電源、問題無し』
『各部冷却システム、順調』
『左腕圧着ロック、固定終了』
『ＥＶＡ初号機とのデータリンク、問題無し』
『Ｂチーム、作業開始します』
「了解」
作業は滞り無く進んでいるようだ。
リツコは、安堵の溜息を漏らし、感想を呟く。
「思っていたより順調にいってるわね」
中央統轄指令車の中で、ミサトとリツコが状況を眺めている。
「これなら、即実戦も可能だわ」
リツコが満足げに言う。
「ふぅん、そう……よかったわね」
ミサトは、今一つ乗り気じゃないようだ。
「気のない返事ね。この機体も納入されれば、あなたの直轄部隊に配属されるのよ」
「ＥＶＡを４機も独占か……その気になれば、世界も滅ぼせるかもね」
『フォース・チルドレンが到着しました』
『第２班はエントリー準備を開始して下さい』
「どうやら着いたようね、彼……」
「……そうね」
やはり、ミサトの返事は気が抜けたようだった。
昼休み、屋上に出たユウカ。
（私はここにいる……だから、参号機の事件は起きるんだ……でも、結末は変えてみせる……力を貸してね……）
柵にもたれながら空を見上げ、祈るように眼を閉じているユウカ。
軽い足音がして、ドアの音が聞こえる。
ユウカが振り向くと、マナがキョロキョロと辺りを見回している。
「……マナ、何してるの？」
思わず、訊いてしまうユウカ。
ようやく気付いたように、ユウカに眼を向ける。
「あ、ここにいたんだぁ……御飯食べた？」
「もう終わったよ。そんで、何か用？」
ユウカがそう言うと、マナは小走りに近付いてきて、鉄柵に寄りかかる。
「ん〜、特にコレって事は無いんだけど……ユウカ、何か悩んでない？」
「悩むって……私が？」
ユウカは呆気にとられたような顔をする。
「うん、つき合い短いけどさ……ユウカって、全部自分で溜め込んじゃうタイプでしょう」
「アハハ、そんなこと無いよ」
「ウソ、思いこみの激しいタイプだよ、絶対」
「そんなこと無いってば」
マナは口を尖らせる。
「そうまで強情張るなら、それはそれでいいけど……私、力になれる事あったら、何でもするから、話してよね」
「ん、分かった……」
「じゃ、そんだけ……私だけじゃなくて、綾波さんとか、アスカさんとか、山岸さんとかも、きっと同じ事言うと思うよ」
マナは、そう言って出入り口に歩いていく。
ユウカは、その背中に、声をかけた。
「ありがと、マナ」
「ユウカにして貰ったことから較べれば、そんなに大したこと出来ないけどね」
そう言い残してマナはドアの向こうに姿を消した。
ユウカは姿勢を直そうとして、不意に立ち眩みを起こす。
「ア、アレ？」
屋上の鉄柵をずり落ちる様に、ペタンと尻餅を付く。
「どうしたんだろ……まだ、体調戻ってないのかな……こないだ、結構『力』使ったもんねぇ……」
ユウカはそう呟くと、膝に力を入れ直して立ち上がる。
真っ青な空に、白い積乱雲が見えた。
その頃、松代の実験場では……
いよいよ起動実験が始まろうとしていた。
『エントリープラグ、固定完了』
『第一接続開始』
『パルス送信』
『グラフ、正常位置』
『リスト１３５０までクリア』
『初期コンタクト、問題無し』
今までの報告を訊いて、リツコが次の段階への指示を出す。
「了解！作業をフェイズ２へ移行！」
『オールナーブリンク、問題無し』
『リスト２５５０までクリア』
『ハーモニクス、全て正常位置』
『絶対境界線突破します！』
参号機が、今まさに起動する……その時……
仮設ケイジに固定された、ＥＶＡ参号機の眼が光る。
それは、怪しく、紅く染まっていた。
『シンクログラフ、反転しました！』
その言葉を合図に、警告音が鳴り響いた。
「実験中止！回路切断！エントリープラグ排出して！」
リツコが指示を出す。
『ダメです、反応しません！』
『参号機の体内に高エネルギー反応！』
「まさか、そんな?」
リツコが驚愕の叫びを挙げる。
参号機の背中にあるパーツの隙間から、粘着質の糸状の物体が見えた。
「使徒?」
ミサトが叫んだ。
参号機は、拘束具を引き千切り、顎部拘束具を外すように、その顎を開いた。
そして、実験場は、大爆発に見舞われた……
ユウカの携帯が鳴る。
もうすぐ、昼休みも終わろうとしていた、その時であった。
「はい、碇です」
『ユウカさん?』
「あ、伊吹さん、どうしたんですか？」
『緊急事態なの！すぐにこっちに来て！』
「緊急って？」
『来たらすぐ説明するから！早く！』
「分かりました、レイさんとアスカにも連絡します」
『お願い……急いでね！』
電話が切れた。
（とうとう、来たんだね……トウジ、待ってて……）
ユウカは、携帯をしまって走り出した。
ＥＰＩＳＯＤＥ：２３ Ｓａｃｌｉｆｉｃｅ
「救助班及び第３部隊を直ちに派遣、戦自が介入する前に全て処理しろ！」
冬月が怒鳴る。
「事故現場に未確認移動物体を確認！」
「パターン”オレンジ”、使徒とは断定できません！」
冬月はゲンドウの方を仰ぎ見る。
ゲンドウは徐に告げた。
「総員、第一種戦闘配置」
「地・対地戦用意！」
「ＥＶＡの発進を急がせろ」
「発進、迎撃地点に緊急配備します！」
青葉が、映像の確認をする。
「野辺山で映像を捉えました！メインモニターに回します！」
映し出されたモノは……前屈みに歩く、黒いＥＶＡ……
「やはりこれか……」
冬月が呟く。
ゲンドウは、すかさず指示を下す。
「緊急活動停止信号を発信！エントリープラグを強制射出！」
「ダメです、停止信号及びプラグ排出コード認識されません！」
「パイロットは？」
「呼吸・心拍共に反応はありますが、おそらくは……」
ゲンドウは、一拍置いてから、非情な命令を出した。
「エヴァンゲリオン参号機は現時刻をもって廃棄。目標を使徒と識別する」
「し、しかし?」
オペレーター達がざわめく。
「予定通り、野辺山で戦線を展開、目標を撃破しろ」
ゲンドウは、全く態度を崩さない。
（ユウカ、お前には出来ん……ダミーは、この為にあるのだ……）
待機するＥＶＡ。
夕陽を背に、歪んだ影が歩いてくる。
『ＥＶＡが乗っ取られるなんて……』
アスカが呟く。
使徒は、弐号機の目前まで迫り……
『キャアア！』
「アスカ?」
ユウカが問いかける……が、アスカからの答えはなかった。
『弐号機、活動停止！』
『パイロット脱出確認！回収班向かいます！』
『目標、依然移動中！』
使徒はゆっくりと移動し、零号機の方に近付く。
『レイ……接近は避け、目標を足止めしろ』
『……了解』
ゲンドウの指示に、レイが従う。
『聞いたな、ユウカ。急げ』
「……了解、移動します」
無機質なユウカの声。
零号機が使徒に狙いを付ける……
だが、ロックした瞬間、使徒の体が異様な方向に曲がり……瞬時に零号機に覆い被さった。
『クウッ?』
使徒の体表面から液体が滴り落ちてくる。
それが零号機の左腕に触れると、フィードバックして、レイの左腕に激痛を走らせる。
液体は、植物の根のように侵食していく。
『零号機左腕に使徒侵入！』
マヤの叫びが聞こえる。
『左腕部を切断、急げ』
『しかし、神経接続を解除しないと……』
『切断だ！』
ゲンドウのその声を合図に、零号機の左腕が爆破される。
『キャアアアアアアア！』
レイの悲鳴が、全ての無線から流れた。
『……零号機、中破。パイロット負傷……』
苦しげなマヤの声が聞こえる。
『目標は依然行動中だ。ユウカ、お前が倒せ』
言い放つゲンドウ。
ユウカは静かに問い返す。
「パイロットはどうなってるんですか？」
『お前が気にする必要は無い』
「私が、誰が乗っているかを知っていてもですか？」
『そうだ』
「拒否したら、どうしますか？」
『お前が死ぬことになるぞ』
「それでも拒否したら？」
あくまでも無機質で淡々としたユウカの声。
発令所は、静寂に包まれていた。
ユウカは、ゲンドウと、冷静な態度で会話をしていた。
まるで、この問答を楽しんでいるようにも聞こえる。
ゲンドウは、次第にイライラしてきた。
そして、それを聞いている他の者達は、ゲンドウよりも、全く人間味の無い話し方のユウカの方に、不気味さを感じていた。
「なら、お前の好きなようにやってみろ！」
『そっちこそ、先にダミーシステムを使ったらいかがです？参号機がかなりこっちに近付いてますよ？』
まるで他人事のように言うユウカ。
「……パイロットと初号機のシンクロを全面カットしろ……」
「いいんですか、司令?」
マヤが確認する。
「構わん！今のパイロットよりはずっと役に立つ！やれ！」
「は、はい！」
ゲンドウには珍しく、感情が爆発したような感じだった。
マヤは、命令に従い、ダミーを起動させた。
コックピットの中、インテリア後部にある、ディスクが回転を始めた。
（そう……本気なんだ……）
ユウカは、のんびりとそんな風に考えた。
意識の網を広げるユウカ……『力』が、初号機の全身に染み込んでいく。
「信号、受信を確認！」
「管制システム、切り替え完了！」
「全神経、ダミーシステムへ接続完了！」
「感情素子の３２．８％が不鮮明、モニターできません！」
オペレーターの声が、発令所に活気を甦らせる。
ゲンドウは、ようやく落ち着きを取り戻し、命令を発する。
「システム開放、攻撃開始」
初号機の眼が一瞬、紅く輝き……そして消えた……
「初号機……起動しません！」
「何故だ！」
ゲンドウは立ち上がって吠えた。
ダミーシステムが起動する直前、ユウカは『力』を、ほぼ全開で初号機に通した。
初号機の全身が淡い光に包まれていく。
初号機は、ダミーシステムの干渉を拒否した。
「ダミーシステムを停止し、パイロットと接続し直せ」
冬月が、マヤに命令する。
「冬月、お前……」
「碇……原因は分からんがダミーは起動しなかった。今はユウカ君に任せるべきだ。伊吹二尉、急げ！」
「は、はい！分かりました！」
ゲンドウが力無く司令席に座る。
「こんなことが……」
「碇、失敗した事より、現在を考えろ……ユウカ君、君に頼んでいいか？」
『分かりました、冬月副司令。私なりに、使徒を殲滅して……パイロットと参号機を助けます』
ユウカの声音は、いつもの柔らかい声に戻っていた。
再び、シンクロしたことを感じたユウカは、『力』の流れを変えて、全身を満たすのを止めた。
使徒となった参号機は、淡く輝く初号機を畏怖するかのように距離を置いて静観していた。
その輝きが失われた今、使徒はようやく行動を開始した。
鮮やかに跳躍すると、初号機に蹴り掛かる。
ユウカは、ＡＴフィールドで払い除ける。
使徒は、動物のように着地すると、威嚇するように身構えた。
「まずは、捕まえないと……」
使徒は、右腕を地面に刺す。
地割れが近付いてきて、初号機の足元から飛び出してくる。
その手首を左手で掴むと、逆に引っ張って振り回す。
「よし……この使徒は、他に能力は無いはず……」
そこで、ユウカはふと考えた。
（ちょっと待って……ピラミッド型の使徒も、魚型の使徒も、蜘蛛型の使徒も、『彼』の記憶にあった以外の能力を持ってた……この使徒がそうじゃない可能性も、無い……）
その考えは、外れていなかった……使徒は、全身から放電を開始したのだ。
「キャウッ！」
全身に走った電気の衝撃に、ユウカは思わず手を離してしまった。
「電気を発生させるの?」
使徒は、ジリジリと横に動く。
ユウカは、若干焦りを感じた。
全身に、軽い痺れが残っているのだ。
（１回や２回なら平気だけど、何十回も受けたり、長い時間流されたりすると、流石にマズいかも……）
時間を掛けると自分が不利になるのが分かって、ユウカは一気にケリを着けるべく自分から接近を試みた。
使徒は、腹這いの姿勢から、獣のような声を出す。
そして、顔を初号機の方に向けて、口から液体を吹き出した。
初号機は、ギリギリでかわすと、使徒を押さえつける。
使徒は、もがきながら放電を始めた。
「グッ……大人しく……しなさい！」
『力』の解放が始まった。
初号機が、淡い光に包まれる。
その光は、初号機の背中から、天に向かって伸び……光の翼を作り上げる。
初号機のその姿は、地上に墜ちた天使を思わせた……
翼の先端から、今度は体全体に光が移動して、初号機のみならず、参号機をも包んでいく。
光の翼は、ゆっくりと初号機と参号機に被さっていき……巨大な光の十字架が天を貫いた。
発令所は、凍り付いたように静かだった。
「本当に、ダミーを使い物にならなくするとは……」
ゲンドウは、茫然自失といった感じで呟いた。
「彼女は、神か悪魔か……人類にとって、どちらになるのだろうな……それは、彼女自身が決めることか……」
冬月は、誰にも聞こえないほどの小声で、自問自答していた。
『発令所、聞こえてますか？初号機、使徒を殲滅。参号機及びパイロットは無事です。至急、回収して下さい』
ユウカの声に、答える者は静寂だけであった。
松代……第二実験場跡地。
ミサトは、ストレッチャーの上で眼を開けた。
「……生きてる？」
「……生きててよかったな、葛城」
ミサトが声の方に眼を向けると、加持が笑いかけていた。
「加持？……リツコは？」
「君よりよっぽど軽傷だよ」
「そっか……参号機は？」
「……俺には、何て言ったらいいのか見当もつかないね」
「……使徒として処理されたの？」
「一番、気にしてることだけ教えるよ。パイロットは……無事だ」
「そう……良かった……」
ミサトは、そう言うなり意識を失った。
その様子を見て、加持は１人呟く。
「だが、彼女はとんでもない事をしちまったんだぜ。寄生型の使徒だけを殲滅し、参号機とパイロットを救う……まるで、神のようなことをな」
そして、煙草をくわえて、火を付けた。
その顔は、苦々しく歪んでいた……
あとがき
輸送中の参号機に絡みつく『雷光』……バルディエルが司る物です。
一部の文献には、バルディエルは、『雹・霰』を司ると書かれています。私は、それを否定するのではなくて、今回使用する文献に従って書いていることを明記しておきます。
この話では、先にダミーシステムを使用します。
ここまでのくだり、また、ユウカが別人みたいですが、あえてそうしました。
とうとう、ユウカは、『力』を派手に使います。
光の翼を生やし、使徒に寄生された参号機とトウジを浄化します。使徒だけが殲滅され、無事に参号機が残ってしまいました。
パイロットも、衰弱していますけど、一応無事です。
防衛網をあっさりと突破する、強力な使徒。
凍結された初号機……拘禁されたユウカ……そして、破壊の風が吹く。
次回、『虚構の檻』。
最強の呼び名の高い使徒を相手に、どのような展開が待っているのか？
作成日付：２００１／０１／２７
改稿日付：２００１／０２／０５
感謝の言葉：
ユウカちゃん、強いですね〜。
リミッター解除、パワー全開、もはや向かうところ敵なし、って感じ。
後書きの次回予告がなんだか不穏な雰囲気ですけど・・・
ゲンドウｖｓユウカの状況が更に一段の緊張状態に移行しそう。
次は最強の使徒ですけど・・・どーなるんでしょ？
さ、続きが読みたいと思った人は感想メールで催促しましょう♪
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第２４話「虚構の檻」に進む。
作者のＡＢＣさんへの感想メールはこちら（abebeabebe@ksn.biglobe.ne.jp）まで。
読者からの反響は作者のやる気を湧き出させます。
続きが読みたい人は、感想メールを送りましょうね。