やあ、僕は碇シンジだよ。
今回は僕の視点で話を紡いでいこうか。
ある日、いつもの様に学校で綾波とイチャイチャベタベタしていたら非常召集。
そっか、もう第四使徒なんだね。早い早い。
「委員長、僕と綾波とサキさん、ネルフの用事で早退しまーっす」
そう、サキさんも。使徒が見たいって言ってたもんね。
とゆーワケで、学校の外に出たら早速瞬間移動。
アッという間にネルフに御到着ぅー。
そして僕らはリツコさんと合流。
おおっ、モニターには第四使徒がバッチリと映されてるよ。
「サキさん、アレが使徒だよ」
「うわー、おっきー！」
まあ、サキさんも最初はアレくらいの大きさだったんだけど、そこはツッコまない方がいいよね、うん。
「んじゃ、とっとと殲滅してきますんで」
「「待ちなさい、シンジ君！」」
瞬間移動しようとした僕を止める声がハモる。
まあ、その声の正体はやっぱりリツコさんとミサトさんなワケで。
「はいはーい、なんですか？」
この後、ミサトさんはトンデモない事を言ってのけやがりました。
リツコさんの意見は結構マトモだったんだけどねぇ…。
「……あのー、ミサトさん。もう一度言ってくれませんか？」
パードン？って感じで聞いてみたら、やっぱり同じ答えが返ってきたよ。
「シンジ君、エヴァに乗って使徒を倒してちょうだい」
実は僕、この逆行世界でまだ一度もエヴァに乗ってないんだよね。
だって宇術でどうにでもなるし。
「ミサトさん、理由を聞かせてください」
とりあえず聞いてみる。
ま、大体予想はつくけどねぇ。
「ＮＥＲＶはエヴァを使用して使徒を倒す組織なのよ。何の為にあなたはチルドレンとしてＮＥＲＶにいると思っているの？」
あ、そーだったの？ふーん。
よーするに、エヴァの力を見せつけてやれ、って事かな？
戦自、国連対策って感じ？
でも本心は違うんだよね。
ミサトさんの指揮で僕がエヴァを操って使徒を倒さないと、ミサトさんの使徒への復讐にはならないもんね。
僕の独断で使徒を倒しても、あんまり嬉しくないんでしょ？
自分勝手。
ま、僕もだけどね。
その点、リツコさんは好感が持てるなぁ。
「前回」は逆だったけど。
リツコさん曰く、
「なるべく使徒を原型をとどめたまま倒して欲しいの」
裏表が無いね。
うーん、リツコさんのその願い、叶えてあげましょう。
ミサトさんの願い？却下。
「ミぃーサっトさん♪」
「何？シンジ君」
「僕の仕事を一言で言うと何でしょう？」
「エヴァの操縦でしょ？」
アスカと同じ事言ってる。
立場が違うけどね。
アスカは前線で死ぬ思いをしながら戦っているパイロット、ミサトさんは比較的安全な所でのほほんと見当違いな命令を出してる指揮官。
ま、ミサトさんがエヴァに乗れたら乗るんだろうけど。たぶん。
「うんにゃ、違いますよ。リツコさん分かります？」
「使徒の殲滅、よね」
「ピンポンピンポーン♪」
大当たりぃー。
「つまり、使徒を殲滅すればそれでＯＫなんですよ。別に手段はエヴァで無くても」
ミサトさん、顔がひきつってますよ。
「だってそうでしょ？使徒を倒せば世界は救われる、そのための手段にこだわってる場合ですか？」
あーあ、ミサトさん黙っちゃった。
別に僕は世界の平和のために戦うワケじゃないんだけどね。
ぶっちゃけた話、綾波と僕と……あとサキさんの幸せのため。
サキさんが使徒だった、ってゆーのはこの際無視ね。
「綾波、サキさん」
いけないいけない、２人をほっといたまま喋ってたよ。
「碇君、なに？」
「どーしたの？」
２人で仲良く談笑中だったみたい。よかった。
「これから使徒を倒しに行ってくるから、そこで見てて」
「分かったわ」
「うん！」
じゃ、行ってきまーす。
リツコさん、約束は守りますよー。
……となると、あの方法が一番かな。
あ、ココの声が聞こえるようにヘッドホンでも借りてこよっと。
向かい合う僕と使徒。
とりあえず近付いちゃえ。
あ、使徒もこっちに来た。
光る触手をムチの様に振るってる。しかも音速以上で。
んじゃ、そろそろ頃合いかな。
使徒に両手を突き出して…
「『静止』」
ピタッ。
ハイ、使徒の動きが見事に止まりました。
『まさか…使徒の動きを封じたというの？』
『碇君、すごい…』
『うわー、かっこいー！！』
出撃前に付けてもらったヘッドホンから聞こえてくるみんなの声。
ミサトさんは黙ってるみたい。
ま、いいか。
僕だって復讐の道具になんて成り下がりたくないんだし。
そんじゃ、やっちゃいますか。
「『透過』」
僕の腕がズブズブ使徒のコアに入ってく。
ヒンヤリして気持ちいい。
『な…まさか！』
『サキと…同じ？』
『うわー、すごーい！！』
そう、サキさんの仲間を作るのさ。
「『収束』」
一度成功してるからか、随分と簡単に感じるなぁ、この作業。
これなら母さんのサルベージも楽勝でしょ。
「『創造』」
コアの中のシルエットから想像するに……なかなかナイスバディのおねーさんみたい。
しかもやっぱり裸。
サキさんの時はメチャメチャ焦って戸惑ったけど、３週間の愛の巣での生活でそれなりに慣れたからね。
もう大丈夫。我ながらかなり冷静。
興奮はするけどね。
「んじゃ、出しまーす」
よいしょっと。
出てきたのは、長い紫色の髪の女のヒト。
年齢は２０代前半ってトコかな？
じゃ、戻ろっと。
「ただいま、綾波、サキさん、リツコさん」
ミサトさんは別にいいや。
「リツコさん、お望み通り原型をとどめておきましたから」
「あ、ありがとう…」
リツコさん、ちょっとボーゼンとしてる。
サキさんの時だって見てたはずなんだから、いい加減慣れて欲しいな。
「あ、リツコさん。あの使徒の名前はなんですか？」
「ひ、『昼の天使』シャムシェルよ……」
なるほど、シャムシェルね。
「どうだった？サキさん」
「碇くんってスゴイ！ねーねー、このヒトどーするの？」
僕の腕の中で眠っているシャムシェルを見ながら、サキさんが言う。
「とりあえず家に連れて帰るよ」
帰ったら服を着せないとね。
「綾波、帰ろっか？」
「………」
あれ？ちょっと不機嫌な顔してる。
………そうか！
「サキさん、このヒト持ってて」
「うん」
僕はサキさんにシャムシェルを預けると、綾波に近付いた。
そして、おもむろにお姫様抱っこ。
「……！！」
あ、驚いてる驚いてる。
そしてちょっぴり笑った。
頬をピンクに染めちゃって、かわいすぎ。
僕がシャムシェルを抱いてた事に嫉妬してたんだね。
「んじゃあサキさん、綾波につかまっててね」
そして、一気に瞬間移動。
さよならネルフ、こんにちは僕たちの愛の巣。
さーて、まずは服を着せなくちゃ。
イヤ、裸でもいいんだけどさ。
とりあえずシャムシェルには僕のパジャマを着せて寝かせといた。
着せる時にムネ触っちゃったよ。偶然ね。
なかなかの大きさで。
別に大きい方が好きってワケじゃないんだけど。
だって、それを言っちゃあ綾波は……。
「で、碇くん、どーするの？」
サキさんが呼んでる。
そうそう、今からシャムシェルの名前を決めるんだ。
「ま、単純に考えると…」
「「「シャム……」」」
…猫？
…どっかの旧国名？
なんとなく女性の名前には向いてないね。
ペルシャとかならマシなんだけど。
「じゃ、他に候補は？」
僕が綾波とサキさんに聞いてみる。
２人とも結構考えてくれてる。
「……ムシャ…」
…もののふ？
「綾波、それはちょっと…」
「そう……」
うーん、何か無いかなぁ。
おや？
サキさん、何を見てるんだろ？
「レイお姉サマ、碇くん、アレなんてどーかな？」
サキさんが指差す先にあった物、それは…
「「ジャム？」」
ラズベリージャム。
「そう、ジャム」
シャムだけにジャム。
マンガのキャラみたいな名前だけど…
「他に浮かばないし、それでいっか」
「碇君がそう言うのなら…」
「じゃ、次は名字だね」
…『昼の天使』。
サキさんは『水の天使』だったから「水野」。
んじゃ、「昼野」？
……芸が無い。
「昼…昼…昼…昼…昼…昼…昼…」
思い浮かばない。
「綾波、サキさん、何かいい名字はあった？」
僕の問いに対し、２人はフルフルと首を横に振った。
なら、もう適当でいいや。
よく例に使われる「山田」から取って……
「思い浮かばないんなら……『昼田』でいい？」
「「別にいい」」
あんまりカッコいいとは言えないけど……しょうがないよね。
全国の昼田さん、ごめんなさい。
シャムシェルは今日から昼田ジャムさん。
……名前…やっぱ、失敗だったかも。
そして、その日の夜。
「今日の夕飯はカレーだよ」
「わーい！」
「碇君……肉は……」
「大丈夫、綾波のために肉は抜いてあるから」
「ありがとう、碇君……」
うーん、いいムードだね。
まさに家族！
父さんやミサトさんとじゃ絶対味わえないね、こんな気持ち。
時を逆行して良かったよ。
そんな事を思いながらカレーを作る。
そして、完成。
いい匂いだねぇ。
さて、盛り付けでもしようか。
と、その時。
「うぅん……ココは……」
ジャムさんがついに起きました。
「あ、ジャム！目が覚めたの！？」
サキさんがジャムさんに走っていった。
しかもいきなり呼び捨て。
ま、サキさんそういう事に無頓着だからね。
でも、僕の事は名字で「くん」付けだよね。
…綾波に遠慮してるのかな？
「私は一体…」
「ボクの名前は水野サキ！元々はジャムと同じ『使徒』なんだ！」
「詳しくは僕から説明するよ」
とりあえずカレーの盛り付けは後回しにして、僕はジャムさんと話す事にした。
「あ、あなたは…！！」
ジャムさんが僕を見てかなり驚いてる。
ひょっとして……恨まれてたりして。
「まず、僕の名前は碇シンジ。そして君の名前は『昼田ジャム』と名付けたんだ。多分、名前が無いと思ったからね」
ジャムさん、ポカンとしてる。
「……その、一つ聞いていいですか？」
「何？」
「あの時…私の動きを止め…今、この身体にしたのは……あなた、ですか？」
「そうだよ」
怒られるのかな、恨まれるのかな。
ちょっと心配。
そんな僕の心配をよそに、ジャムさんはトンデモない事を口走ってきちゃいました。
「ありがとうございます……御主人様！」
「はいぃぃぃっ！？」
ご、御主人様ぁ！？
ボーゼンとする僕に構わず、ジャムさんは僕に抱き着いてきた。
「私は、生まれた時から人間の肉体に憧れていたんです！まさか…まさかその願いが叶う日が来るとは思いませんでした！」
……生まれた日ってつい最近でしょ？たぶん。
そうツッコみたかったけど、感動的なシーンに水を差すような真似はしない。
……と、僕は思ってたんだけど、水を差す人はいたワケで。
「……碇君から離れて」
綾波がジェラシーに燃えてるよ。
心が人間らしく成長したって喜ぶべきなのかなぁ……。
「あなたは、御主人様の何なの？」
ジャムさん、口調が鋭くなってる。
ちょっと怖い。
「私は……碇君の恋人よ」
綾波が……綾波が自分からそんな事を言うなんて！
僕は今、猛烈に感動している！
でも、ジャムさんはそうは行かないんだね。
「なら私は……御主人様の奴隷」
はぅっ！
僕、そんな事を言った記憶は全く無いんだけど！？
そりゃあマズいでしょ、ジャムさん！
それで、ジャムさんの発言に綾波が対抗意識を剥き出しにしてくる。
「私は……碇君と心も体も一つになりたい」
綾波が爆弾発言。
学校でそのセリフ言われたら、周りの反応が凄い事になるだろうなぁ。
「なら私は……心も体も御主人様だけのモノ」
綾波以上の爆弾発言。
僕は別に心も体も束縛しようなんて考えてないんだけど。
「…………」
「…………」
うわわ、綾波とジャムさん、睨み合ってるよ。
「あなた、ジャマ……消すわ」
「なら私も……容赦はしない」
なんか危険なムードなんだけど……。
宇術で介入すれば一応は収まるんだけど、それで解決といえるのかな……。
そんな事を思ってるうちに、綾波がＡＴフィールド展開、ジャムさんは光る触手を両手に握ってるし。
マジで止めないとヤバイね、コレ。
でも、僕が止める前に行動した人がいた。
「レイお姉サマ、ジャム、やめてよっ！！」
サキさんだ。
目がウルウルしてる……今にも泣きそう。
綾波もジャムさんもサキさんを見てボーゼンとしてた。
「ボクたち、同じ使徒なんだから、仲良くしようよ！碇くんだって２人のそんな姿、見たくないハズなのに！」
「私達みんなが、使徒？」
「……そうよ。私は第弐使徒リリス。そして、あなたは第四使徒シャムシェル。サキは第三使徒サキエル。ここにいる純粋な人間は碇君だけなの」
「そうなの……」
場が静まった一瞬のチャンスを逃さず、僕はカレーを配る。
「ま、とりあえず落ち着いて。サキさんの言う通り、仲良くした方がいいと思うよ」
そう言いながらみんなを座らせ、カレーを食べ始める。
「とりあえず、いただきます」
「「「いただきます」」」
ぱくぱく、もぐもぐ。
「コレ……御主人様が作られたのですか！？」
「そうだよ。僕は料理には少し自信があるんだけど…」
「すごく美味しいです！御主人様の愛情が詰まった手料理……最高です……！」
ジャムさん、目が少しイッちゃってるよ。
「碇君は別にあなただけに作ったのでは無いわ……」
綾波、ムッとしてる。
「もう、２人とも仲良くしてよぅ！」
サキさんは仲裁役みたい。
なんか、これからトンデモない生活になるんじゃないかな……。
でも、楽しそうだからいいか。
結局、あれから綾波とジャムさんはケンカばかり。
しかも原因の中心が僕なのだからやりきれない。
サキさんがいなかったらどうなってた事か……。
仲裁、感謝。
「碇君……」
その時、綾波がやってきた。
「綾波、どうしたの？」
「そろそろ寝ましょう……」
時計を見ると、１１時３０分を過ぎていた。
「そうだね。でも……ジャムさん、どうしよう？」
今まで僕たちは、サキさん、綾波、僕の順の川の字で寝てたんだ。
そこにジャムさんが増えるとなると……。
「昼田さんは……別室で一人寂しく寝ていればいいの……」
綾波が呟く。
……でも、綾波の背後には見事なまでにジャムさんがいるんだよねぇ…。
「レイ……聞こえているわよ……」
ニコニコ顔で怒ってるよ、ジャムさん。
「そう。説明の手間が省けたわ……」
言うようになったなぁ、綾波も……。
「私は御主人様と２人だけで寝るわ。そう、２人だけで……」
……ジャムさん、こっちを見る目が妖しいんですけど。
「ねぇ、よろしいですよね？御主人様……」
「碇君、ダメ！」
「私の体は……そう、御主人様のモノ……。好きなように弄んで構いません……」
「…何を言うのよ。碇君は、碇君は、碇君は、碇君は！」
妖しく迫るジャムさんに、静かに燃える綾波。
うーん、どうすればいいんだろう……。
ここで僕に「じゃあ、３人で」と、ジョークでも言えれば楽しいんだけど。
この、ある意味鬼気迫る迫力の２人を前に、そんな事はとてもじゃないが言えない。
僕もまだまだ修行が足りないね。
じゃ、とりあえず……
「『移動』」
別の部屋に逃げよっと。
「御主人様、どこへ行かれたのですか！？」
「碇君、どこ！？」
ここだよ、ここ。
僕は近くの部屋から聞こえてくるそんな声に、心の中で返事していた。
「さて、でもこれからどうしようか…」
と言いつつ、後ろを向いてみたら、
「碇くん、ビックリしたー……」
「あ……サキさん！？」
いやー、偶然とはまったくもって恐ろしいね。
よりにもよって、僕のワープした部屋で……サキさんが着替えてたよ。
しかも、見事なまでに全裸状態。
タイミングが良いのか悪いのか。
サキさん、全部脱いでから全部着るっていう着替え方なんだね。
僕は違うんだけど。
「なんでココに？」
「偶然、ね」
サキさんの習性……それは、裸を見られても平気な事。
下手に慌てない分、僕も対処しやすいよ。
まあ、綾波もそうなんだけどさ。
でも、ちょっと今回は状況がマズかった。
「碇君！」
「御主人様！」
……２人に見つけられちゃった。
綾波の方は問題ないんだよ。
今までに何度かあったからね、こういう事。
でも、ジャムさんは……
「そんな……御主人様、若い方が好みなんですね……」
あちゃー、誤解してるよ。
「ああ……私の外見年齢はどう若く見ても１８才が限度……サキは１０才前後にも見えかねないというのに……」
そんなにショックかなぁ？
「あのー、ジャムさん？」
「まさか、御主人様は胸の小さい方が好みなのですか？それならばサキやレイに惹かれるのも納得できます……」
サキさんは「小さい」じゃなく「無い」って言った方がしっくり来るんだけど。
あ、今見てみたら微妙にあった。
綾波とのスキンシップのおかげかな？
「ああっ！御主人様がサキの胸を凝視しています！なぜ……なぜ私を見てくれないのですか！？」
しかも見てるのがバレてるし。
綾波もサキさんも、こういう事に無頓着で良かったよ。
「ふぅ。とりあえず、今日はサキさん、綾波、僕、ジャムさんの並びで寝よう。明日寝室を作ればいいから」
ま、無難なトコだね。
「碇君がそう言うなら……」
「御主人様の仰せのままに……」
「レイお姉サマと一緒ならなんでもいい」
やれやれ、無事に解決したよ。
そんじゃ、おやすみなさーい。
……まいった、眠れない。
暑いよ、この状態。
綾波が僕に密着して寝るのは分かるんだ。いつもの事だからね。
ジャムさんも……そうなるんだよね、当然。
今の僕は、綾波とジャムさんに挟まれた…いわゆるサンドイッチ状態。
僕の背中に当たってる、ジャムさんの大きな胸の感触を密かに楽しんでるのは……ナイショだよ。
特に綾波には、ね。
……だって仕方ないじゃないか。
前の人生でもこんな状況無かったんだから……。
なんだか、綾波一筋でいけるか、ちょっと自信が無くなってきたなぁ……。
綾波が好きな気持ちに変わりは無いんだけどねぇ。
まさか、二股するワケにもいかないし。
……本当にそうかな？
ちょっととワガママを言えば、２人とも許してくれそうな気がする……。
両手に花……悪くないかも……。
……って、何を考えてるんだよ僕は！
そんな事をして…綾波が幸せなワケ無いじゃないか！
…だからってジャムさんを拒絶すると、今度はジャムさんが幸せになれないし……。
はぁ……悩むなぁ。
もう寝よ。
………………
……って、眠れないんだってば、暑くて。
「御主人様……」
突然ジャムさんが喋ってきた。
「あ、起こしちゃった？」
「いえ、なかなか寝付けなかったので……御主人様の所為ではありません。その、一つお聞きしたいのですが……」
「何？」
「その……私の名前って『昼田ジャム』なのですよね……」
「そうだよ。あまりカッコいいとは言えないけど。３人で考えて付けたんだ。『昼の天使』とラズベリージャムから取ってね」
それを聞いたジャムさんは、しばらく思いつめたような感じになる。
「あの……おこがましいという事は承知しているのですが……その、私の名前を……」
「改名したいんだね？」
ま、普通はそう思うよね。
でも、ジャムさんは違った。
「いえ、この名前は御主人様が私の為に付けて下さった名前です。改名など……」
「じゃあ、何？」
「通称を…もう一つの名前を、付けていただけませんでしょうか？」
「それって……ペンネームとか、芸能人で言う芸名みたいなモン？」
「はい」
うーん。
何も浮かばない。
ジャムさんはラズベリージャムが元ネタだったから……
「『ラ・ズ・ベリー・ジャム』……」
僕は、なんとなく頭に浮かんだ言葉を口にしてみたんだ。
そしたらジャムさん、
「分かりました！これからはその様に名乗ります！」
あっさり決定しちゃったよ。
しかも妙に気に入ってるみたいだし。
「ありがとうございました！それでは、おやすみなさいませ……」
「うん、おやすみ」
そしてジャムさんは夢の世界へ。
はぁ、サキさんの時なんて比較にならない、本当の三角関係か……。
明日からは大変なんだろうな、色々と。
まあいいや。なるようになるさ……。
おやすみ綾波、サキさん、そして……ジャムさん。
あとがき？
第４話でした。シンジ一人称、結構楽しかったです。
今回新たに加わった新キャラ、シャムシェルことラ・ズ・ベリー・ジャム（本名・昼田ジャム）。
２本の触手をウサ耳の如く（笑）頭からちょこんと伸ばそうかとも思ったのですが…やめました。
性格は、シンジの前だと従順で礼儀正しい、しかし、相手がシンジでないとその礼儀正しさはどこへやら、ってな設定です。
別にネコをかぶっているワケではなく、「主」であるシンジに対して丁寧に接するのは「当然」だと思っているからです。
基本的に高飛車っぽくしたいと思っています。高笑いとかさせたりして。
決して「他人を見下す」のでは無く、「自分を持ち上げる」みたいな感じに出来れば。
「他人を見下す」だとアスカとカブっちゃいますから。
なんだか、今回は後書きというよりジャムの設定資料っぽかったですね（笑）。
あのシンジに対する敬語連発モードは、僕の日本語能力の無さが露呈されそうで非常に怖いです（笑）。
それでは！
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感謝の言葉：
御主人様の奴隷♪ な ん て 妖しい響きの言葉なんでしょう？（＾＾；）
シンジ君の愛の巣もどんどん妖しさを加えて、人知の及ばない状況に
陥りそうで、楽しみ、楽しみ♪
さ、読んだ方は感想を送って、ＢＥＥめーだ さんに気力充填しましょー♪
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第０５話「使徒っ娘、心のむこうに」に進む。
作者の ＢＥＥめーだ さんへの感想メールはこちら（beemeda@mail.goo.ne.jp）まで。
読者からの反響は作者のやる気を湧き出させます。
続きが読みたい人は、感想メールを送りましょうね。