「番組をごらんの皆さん、お待たせしました。アリーナバトルの時間です。
　前回は特別企画実施のため、収支決算報告のコーナーがありませんでしたが、
　それについては、今回分で一緒に報告しますね。」

　予定にない遊びを特別企画と言い切るとはなかなかの性格である。

「そこ、変な言い掛かりをつけないの！」

「？　エルシィ、誰と話をしているんだ？」

「・・・なんでもないわ。えっと、前回は大幅に変更したジェーン�Tが優れた
　機動性能を発揮して勝利することができました。中盤以降のライフル射撃は
　絵になるシーンが多かった、って好評だったの。」

「同じカメラアングルから二機がいい感じで撃ち合っているシーンが
　沢山撮れたからな。レイヴンとしてはあまり誉められたパターンじゃないが、
　映像を提供する側としては嬉しいということなのさ。」

「もう少し、被弾率を下げろっていうんでしょ。」

「あぁ。わかっているなら問題ない。後は結果で語ろう。」

「はーい。」

ＲＡＮＫ　３５ ＰＩＬＯＴ：ノー・バディ Ａ．Ｃ．；スラッシュゴート

ＲＡＮＫ　３６ ＰＩＬＯＴ：エルシィ　　　　 Ａ．Ｃ．ジェーン�T

デビューから日は浅いが、急 速にアリーナの上位に名をつら ねたレイヴン。不気味な戦闘ス タイルで知られる。

一般公募で選ばれた異色の レイブン。収支状態が凹むまで 戦い続けると公約しており、現在 賭けの対象としても注目度Ｎｏ１。

	ノー・バディ		エルシィ
ヘッド	ＨＤ−２００２		ＨＤ−０１−ＳＲＶＴ
コア	ＸＣＡ−００		ＸＣＡ−００
アーム	ＡＮ−Ｋ１		ＡＮ−２０１
レッグ	ＬＣ−ＨＴＰ−ＡＡＡ		ＬＮ−１００１B
ブースター	Ｂ−Ｐ３２０		Ｂ−ＶＲ−３３
ジェネレーター	ＧＲＤ−ＲＸ６		ＧＢＧ−ＸＲ
ＦＣＳ	ＴＲＹＸ−ＱＵＡＤ		ＦＢＭＢ−１８Ｘ
右腕武器	ＷＧ−Ｂ２１２０		ＷＧ−RＦＭ１１８
左腕武器	なし		ＬＳ−２００Ｇ
右肩武器	なし		ＲＺＴ−３３３
左肩武器	なし		ＷＭ−Ｓ６０／６
備考	なし		ＳＰ−ＪＡＭ ＳＰ−ＡＸＬ ＳＰ−Ｓ／ＳＣＲ ＳＰ−Ｅ／ＳＣＲ




	ノー・バディ		エルシィ
ＥＰ	５３６１／６０００		５１５２／８２０７
ＬＥＧＳ　ＷＰ	３２４６／４１３０		４６２６／４６３０
ＣＯＲＥ　ＷＰ	１６８３／２７７０		１７４７／２７７０
攻撃力	１２５０		２１２０
防御力	３４９２		３６２４
安定性	６３０		１３２０
機動性能	４６８０		５８４０
移動性能	２５００		２７２０
旋回性能	１１８０		１１２０
上昇性能	１０００		２０００
レーダー性能	１５９４		２１１５
レーダー有効範囲	６００		１１７０
ＦＣＳの機能性能	９９４		９４５
総合ポイント	１１６４６		１５０１９
評価	ＯＫ		ＦＩＮＥ
ＡＰ	８９７５		８５４４
ＷＥＩＧＨＴ	６１６１		６９３１
ＰＲＩＣＥ	３２８５４０		６７２３００


「高機能のＦＣＳとバズーカを組み合わせた攻撃で手堅く勝利をして
　きているのよ、ね？」

「そうさ。タンク型だから防御力が高い・・・といいたいところだが、ホバーユニットは
　構造上、装甲強度を高めるのは難しい。だから、防御力はエルシィのジェーン�Tと
　大差がないわけだ。
　そのかわり、機動性能はタンク型にしてはいいほうだ。
　攻勢防御を続けられるならかなりの強さを発揮する機体と言える。」

「不気味な戦闘スタイルってコメントされているけど、戦闘シーンを見ても
　そんな感じはしなかったわ。どうしてこんなコメントがつくの？」

「有利でも不利でもまったくペースの変わらない射撃で淡々と闘い続ける
　から、そんなコメントになるんだろう。」

「でもリロードタイムの遅いバズーカ、移動速度の遅いタンク型なんだもの、
　そういう戦闘パターンになるのは当然じゃない？」

「そうだな。」

マップはランダムに選出され・・・鍾乳洞マップとなった。



レッグパーツのジャンプだけで天井に衝突する ほど上下機動が制限されるＭＡＰ。夜間雪原ほど ではないが起伏もあり、所々にある柱が視界を 遮るなど、狭いながらも多彩な戦術を駆使する 余地はある。水が溜まっている場所は起伏がなく、 移動時に水飛沫をあげるため注意が必要である。


「うぅ、また、あのマップなのぉ！？」

「相手は戦車型だから、ミサイルで削りたかったんだろう？」

「うん。仕方がないからライフル射撃で削って、後はせっかく強化したんだし、
　ブレードでチョキチョキと。」

「斬ったことないだろ。」

「ちょっとテストモードで練習し直すから大丈夫よ。」

「ほう。」

「相手を２回、ブレードで切ったわ。練習の成果、ここにあり、という
　ところよね♪」

「最初の一撃目はともかく、二撃目は追い掛け回したあげくに、
　途中、４回もバズーカの弾を食らって、やっと切ったんだろ？
　スマートとは言いがたいものがあったと思うが。」

　いつものようにリプレイ映像が背後に表示されている。
　戦闘開始後、動きの遅いスラッシュゴートに対して、中距離を
　保ちつつ、ライフル射撃を続けるエルシィ。
　距離が離れていることもあって、機動回避もそれなりに成功し、
　有利に戦闘を進めていく。
　
　ジェーン�T　　　　ＡＰ６４５６　ライフル４１／２００　ミサイル６０／６０
　スラッシュゴート　ＡＰ８８０　　バズーカ４６／８０

「で、かなり有利になったから、練習の成果を見るために、ブレード攻撃を
　狙ったの。一撃目は結構、うまくいったでしょ？」

「あぁ。接近時に１発だけ被弾したが、斬撃を決めたのは上手かったな。
　きっちり当たらなかったのが残念だが。」

　アルフのいうように、接近はうまくいったものの、最後の斬撃時に
　位置関係が悪く、２８０しか削ることができなかった。
　ライフル弾３発分の成果である。

　ジェーン�T　　　　ＡＰ６１５６　ライフル４１／２００　ミサイル６０／６０
　スラッシュゴート　ＡＰ５００　　バズーカ４２／８０

「なんだか、接近時にあれだけ苦労したのに、がっかり。
　これなら距離を離して射撃したほうが簡単だし、ダメージも少ないと
　思うの。」

「ま、ブレードがＬＳ−２００Ｇだったせいだろうな。補助武器扱いって
　エルシィも言っていただろう？」

「ま、ね。で、このあと、ひたすら追っかけて、もう一回、斬撃を決めて勝利。
　バズーカで撃たれまくったから・・・いまいちね。」

　起伏のせいで、バズーカの直撃を食らってしまい、距離が空いたあと、
　残り５００ということもあり、エルシィは再び斬撃を決めようと距離を詰める。
　だが、撃たれたバズーカの半分は避けたものの、接近するたびに
　至近距離からバズーカを被弾してしまい、斬撃を決めたのは、それから
　３発、被弾した後であった。

　ジェーン�T　　　　ＡＰ４９５６　ライフル４１／２００　ミサイル６０／６０
　スラッシュゴート　ＡＰ０　　バズーカ３５／８０

「むぅ」

「４９５６／８５４４　ということでＡＰの減少は予想してたよりは
　ましだったな。特にバズーカの射撃のよけ方はよかったな。
　なにせ、命中弾１３発に対して、発射されたバズーカ弾は
　４５発だったんだから、かなりの進歩だ」

「えへへ」

「もっとも、地形効果のせいで、外れ弾の半分くらいは最初から、
　命中しない弾道だったけど、な」

「え、そうなの。せっかく回避ができてたと思ったけど、地形効果の
　おかげだったのね。」

「緩やかな起伏がＦＣＳを惑わせるのさ。」

「前回、収支決算をやらなかったが、収入は全部貯金で、
　新規購入は一切なしだった。今回の賞金２４０００を足すと、
　残金合計は７３１００。どーする？」

「今のＡＣが操りきれてないし、力不足ってわけでもないから、まだいい」

「ま、確かに今のままでも問題ない、か。」

次回予告

稚拙とはいえ、ブレード攻撃を決めて実力ＵＰを示したエルシィ。
強化された機体を使いこなしていないとはいえ、連勝を続ける実力に
上位レイヴンは警戒を強める。

次回　第１５話「ガーントレットの駆るダイヤアーム」
こうご期待♪