「番組をごらんの皆さん、お待たせしました。アリーナバトルの時間です。
　前回は射程距離の違いを生かして常に有利な状況での射撃戦を行い、
　安定した強さを発揮するようになった♪　ってコメントを貰えるように
　なったエルシィです。」

　嬉しさ７０％、恥ずかしさ３０％といった表情で笑顔を浮かべているエルシィ。

「ん？　誉められて嬉しいってだけじゃないみたいだが。」

「うーん、自分でも気がついてたんだけどぉ、あの地形って下がでこぼこして
　いるでしょ？　で、結構、FCSの予測が外れて無駄な射撃が増えてたの。
　だから、”安定した強さ”って言われるとちょっと恥ずかしくって。」

「ほう。日刊レイヴンでも同じようなことが書かれていたが、ちゃんと自覚して
　いるなら、今後の射撃戦は期待してもいいようだな。」

　アルフの手元には日刊レイヴンが開かれて置かれている。赤くマーキング
　されたところには「FCSに頼り切った単調な射撃で命中精度があがらず、
　重装甲AC相手に不安が残る。弾切れをカバーするブレード戦はほとんど
　実績もなく、RFM118の通用しない相手が出現した時、連勝記録もSTOPする
　ことだろう。」・・・などと書かれている。

「別にライフルだけに頼った戦いをしているわけじゃないもん。
　それに前回からブレードも装備してるし。」

「テストプレイもろくにしないで、ブレード戦をやろうってのかい？」

「いーの。お守りみたいなものなんだから。」

「弾切れになって泣かないように、な。」

「・・・いじわる」

	シムーン		エルシィ
ヘッド	ＨＤ−ＯＮＥ		ＨＤ−０１−ＳＲＶＴ
コア	ＸＣＡ−００		ＸＣＡ−００
アーム	ＡＮＫＳ−１Ａ４６Ｊ		ＡＮ−２０１
レッグ	ＬＮ−３００１		ＬＮ−１００１
ブースター	Ｂ−Ｐ３２０		Ｂ−Ｔ００１
ジェネレーター	ＧＲＤ−ＲＸ６		ＧＢＧ−１００００
ＦＣＳ	ＣＯＭＤＥＸ−Ｃ７		ＦＢＭＢ−１８Ｘ
右腕武器	ＷＧ−ＲＦ／５		ＷＧ−RＦＭ１１８
左腕武器	なし		ＬＳ−２００１
右肩武器	なし		ＲＺＴ−３３３
左肩武器	なし		ＷＭ−Ｓ６０／６
備考	なし		ＳＰ−Ｅ／ＳＣＲ

	シムーン		エルシィ
ＥＰ	４８５５／６０００		４９３５／９９８８
ＬＥＧＳ　ＷＰ	４４６８／６６００		４４０８／４４７０
ＣＯＲＥ　ＷＰ	２４１５／３６００		１６８９／２７７０
攻撃力	５３０		１９０８
防御力	４０５８		３３３８
安定性	２５１８		１０１８
機動性能	３６００		５９２０
移動性能	１５３０		２７７０
旋回性能	１０７０		１１５０
上昇性能	１０００		２０００
レーダー性能	１３３６		２１１５
レーダー有効範囲	７９８		１１７０
ＦＣＳの機能性能	５３８		９４５
総合ポイント	１２０４２		１４２９９
評価	ＯＫ		ＯＫ
ＡＰ	９５０８		８３９６
ＷＥＩＧＨＴ	７６０５		６３７４
ＰＲＩＣＥ	３２５６００		５２８１００

「レーダー装備、人型ACとしてはかなり重装甲で防御力も４０００台。
　それで長距離射撃が可能なスナイパーライフルを装備しているなんて、
　なかなかの強敵って感じじゃない？」

「そういう割には余裕がありそうな感じだな。何か作戦があるのかい？」

「低出力ジェネレータと機体重量に対しては力不足のブースターでしょ。
　ってことは機動力がないわけで、遮蔽物の多い地形だったりしたら、
　ミサイル戦でかなり有利に攻撃できそうって思ったの。」

「逆にドーム系だと逃げ場がないから苦戦必至というわけか。」

「そういうことね。」

マップはランダムに選出され・・・地上基地マップとなった。

倉庫、タンクなど様々な建物が乱立し、 鉄骨、巨大なタワーなど遮蔽物には 事欠かない。周囲を囲う巨大な壁が 印象的なMAP。広い地形、視界を遮る 遮蔽物を考えるとレーダー性能の差は かなり影響を与えるといえる。

「またまた、新MAPね。説明文を読んだ感じだと、ジェーン�Tには
　そこそこ有利って気がするけど、どう思う？」
「機動力のないデザートウィンドに対して、常に有利な位置を
　キープしてミサイル戦を行うことができそうだな。
　それほど大きなビルもないから有利といってもいいだろう。」

「定番の戦闘パターンで勝利♪」

　いつものようにリプレイ映像が背後に表示されている。
　射程距離の短い不利を補うために、すぐに機体を建物の影に
　移動させると接近を開始するエルシィ。
　シムーンは視認しないと撃てないライフルだけが装備であることも
　あって接近を開始するが機動力がないためなかなか射撃可能な
　位置に移動することができない。

「遮蔽物を利用して攻撃されないようにしながら接近して、TOP
　アタック型の利点を生かしてミサイル攻撃を開始したの。」

「なかなか絶妙な距離、位置を維持できていたな。」

　アルフのコメント通り、エルシィは建物の影から、小型ミサイルを
　一方的に撃ち続けて、回避能力、迎撃能力の低いシムーンを
　攻撃し続ける。全弾撃ち切った時点で、シムーンのAPは
　９５０８→２４４１と大幅に減少。しかもエルシィのほうは1発も
　被弾せず無傷という状態であった。

「後は射撃戦ってことで、注意したのは相手の正面にいないこと。
　そうすれば旋回性能、機動性能の低いシムーンからの反撃も
　受けないって思ったの。」

「確かにそれは真理だな。FCSでロックオンしなければ攻撃は
　できない。ACの基本だからな。」

　エルシィは接近の際にも機動力を生かしてシムーンの正面を
　出来るだけ回避する動きを続けてシムーンの反撃を許さない。
　途中、1発だけ被弾したものの、それ以外の反撃はすべて回避し、
　シムーンのAPを削りきった。

「８２６４／８３９６ってことで、ほぼ無傷♪　結構、上手く戦えたでしょ」

「あぁ。ほとんど文句の付けようがない見事な戦いだった。
　やはりエルシィにはＷＭ−Ｓ６０／６が合っているみたいだな。」

　「９５０８もＡＰがあっても、あんなに運動性能が悪いと、攻撃を
　避けようがないものね。せめて撃たれたミサイルくらい、回避
　できる機動力は欲しいところでしょ？」

「高機動、連続攻撃が信条だったな、そういえば。」

「そ。華麗でしょ♪」

「今回の賞金は１９０００Ｃ。残金と合わせると３２５００Ｃだが、
　何か購入するかい？」

「オプションのＳＰ−ＡＸＬでロックオン速度を上げるわ。」

「まぁ、ＦＣＳの速度は速いに越したことはない。」

「そーよ。一瞬でも早くロックしたほうが、先に撃てるんだから。
　ファーストルック・ファーストアタックってね。」

「常にそれを維持できれば負けることは少ないだろう。」

「うん」

オプション：

変更前	ＳＰ−Ｅ／ＳＣＲ	３８５００Ｃ
変更後	ＳＰ−ＡＸＬ ＳＰ−Ｅ／ＳＣＲ	５２５００Ｃ（＋２４０００Ｃ）

残金：８５００Ｃ。（機体費用合計を含めた資金　５６７７００Ｃ）

ミサイルでＡＰを削り、ライフルで止めを刺すという必勝パターンが
見えてきたエルシィ。
低機動力、長射程のシムーンを撃破したエルシィの前に現れたのは
高機動力、複数発射タイプのミサイルを装備したマジシャンだった。
エルシィが選択した戦術は・・・

次回　第１１話「マジシャンの駆るミサイルウィッチ」
こうご期待♪