「番組をごらんの皆さん、お待たせしました。アリーナバトルの時間です。
　大きなＦＣＳのおかげでなんとか射撃戦ができていた、という弱点が
　発覚し、今後の苦戦は必至、と予想されている・・・エルシィです。」

「番組最初から、いきなり不機嫌な顔をしてるな。」

「だって、だって、だって、ＦＣＳの小さいことで苦戦したのは事実だけど、
　こうもあからさまに言われると、ちょっと、ムッとしても仕方ないでしょ？」

「なら、言われないように結果を叩き出すんだな。それがレイヴンってもんだ。」

「はーい。　ところで、今回の対戦相手は、前評判通り、キラー･ラビットさんに
　決まったのよね。」

「あぁ。シンプルな機体だが、それなりの強さを発揮する相手だ。」

「ふーん。」

	キラー・ラビット		エルシィ
ヘッド	ＨＤ−０１−ＳＲＶＴ		ＨＤ−０１−ＳＲＶＴ
コア	ＸＣＬ−０１		ＸＣＡ−００
アーム	ＡＮ−１０１		ＡＮ−２０１
レッグ	ＬＮ−１００１		ＬＮ−１００１
ブースター	Ｂ−Ｐ３２０		Ｂ−Ｔ００１
ジェネレーター	ＧＲＤ−ＲＸ６		ＧＢＧ−１００００
ＦＣＳ	ＣＯＭＤＥＸ−Ｃ７		ＣＯＭＤＥＸ−Ｃ７
右腕武器	ＷＧ−ＭＧ５００		ＷＧ−ＡＲ１０００
左腕武器	なし		なし
右肩武器	なし		ＲＺＴ−３３３
左肩武器	なし		ＷＭ−Ｓ６０／６
備考	なし		ＳＰ−Ｅ／ＳＣＲ ＳＰ−ＣＮＤ−Ｋ

	キラー・ラビット		エルシィ
ＥＰ	４５１７／６０００		４８６４／９９８８
ＬＥＧＳ　ＷＰ	３２０１／４５１０		４２８２／４４７０
ＣＯＲＥ　ＷＰ	１６８６／３６００		１５７０／２７７０
攻撃力	１３５		９１５
防御力	３２５０		３３３８
安定性	１０１８		１０１８
機動性能	４９２０		５９２０
移動性能	２７７０		２７７０
旋回性能	１１５０		１１５０
上昇性能	１０００		２０００
レーダー性能	５３８		１７０８
レーダー有効範囲	０		１１７０
ＦＣＳの機能性能	５３８		５３８
総合ポイント	９８６１		１２９１９
評価	ＰＯＯＲ		ＯＫ
ＡＰ	８１０１		８３９６
ＷＥＩＧＨＴ	５１６７		６２４８
ＰＲＩＣＥ	２４０１００		３８８０００

「あれ？　スパイラルバニーって、評価が”ＰＯＯＲ”なのね。
　初めて見たわ。」
「・・・俺も、整備士やってて、こんな評価になる奴なんて始めてだ。
　レーダーなし、低機動力（特に上昇性能が）、低攻撃力、といった
　ところが総合ポイント低下の要因のようだ。」
「なんで、このＡＣで、４４位にランキングできてるの？」
「腕がいいから、だろ？」
「なんだか、紹介文って嘘ばっかり書いてある気がしてきたわ。」
「同感だな。この機体で４４位に位置できるってことは、
　かなりの実力をもっていると思ったほうがいい。」
「・・・となると、やっぱり遠距離戦で削って、ライフル戦で勝負って
　パターンになるわね。」
「堅実な選択をしたほうがいいだろうな。」

マップはランダムに選出され・・・雪原研究所マップとなった。

広大な敷地内に大量の建物が点在している。 どの建物も急造、老朽化が激しく、攻撃により 破壊することが可能。その崩壊に巻き込まれると それなりのダメージを受ける。どの建物も高さは それほどないので、上空から降り注ぐパターンの ミサイル攻撃が効果的。

「またまた、初登場のＭＡＰね。説明文を読む限りでは、ジェーン�Tの
　小型ミサイルが効果的に使えそうだけど、どう思う？」
「まぁ、ＳＭＳＳ２４ミサイルほどトップアタックというわけじゃないが、
　この程度の高さしかない建物なら、十分、効果的に攻撃できるだろう。」
「遮蔽物の影から、一方的にミサイル攻撃♪」
「視聴者には嫌われるパターンだが、な。」
「自分のＡＣが持つ能力を最大限に活かして戦う！ってのはレイヴンの
　基本だもん。いーのよ。」

「また、ＷＧ−ＡＲ１０００で困ったわ」

　背後ではいつものようにリプレイ映像が映っている。
　遠距離からスタートしたこともあり、さっそく予定通りに建物の死角に
　入ってミサイル攻撃を始めるエルシィ。
　延々と降り注ぐミサイルにより、キラー･ラビットのＡＰは８１０１→１６０１と
　大幅に減少した。
　この時点で、エルシィのミサイルは撃ち止め。

「ジェーン�TのＡＰは１ポイントも減ってないし、相手のＡＰは１６０１しかない
　状態でしょ？　これで勝利は確実♪、なんて思ったのが間違いだったの。」

「この後の射撃戦・・・酷いものだったから、な。」

　ミサイルを使いきったエルシィは、建物を利用しながら接近し、射撃戦を
　始める。・・・が、慣れない武器のせいか、なかなか攻撃が当たらず、逆に
　キラー･ラビットは、ＷＧ−ＭＧ５００の広いFCSを活かして、機動回避しながら
　間断なく射撃を続け、ジェーン�TのＡＰをどんどんと削っていく。

「・・・で、ここで覚悟を決めて、攻撃を当てることだけに専念することにしたの。」

「足を止めて撃ち合った、と訂正したらどうだ？」

「むぅ、アルフの意地悪。、と、とにかく、小さいＦＣＳで、低速機動しかできない
　はずのキラー・ラビットを捕捉できない状況から抜け出すためにとった
　作戦なの！」

「確かに、エルシィが取れる作戦の中で唯一、勝機のあるものだったのは
　見とめよう。・・・華麗さとは程遠い作戦だったが。」

　一方的に削られる状況を打破するために、エルシィは機動回避を完全に
　止めて、相手を捕捉して、攻撃することに専念する。
　キラー･ラビットはそんな状況を見逃すはずもなく、マシンガンの射撃を続ける。
　・・・結局、残りＡＰの差もあって、なんとかエルシィが先にキラー･ラビットを
　撃破することに成功したが、射撃戦により、ジェーン�TのＡＰは８３９６→
　４８０２と、大幅減少していた。

「もー、この銃、サイトが小さくって大嫌い！　全然、攻撃が当たらないんだもん。」

「これなら、ＷＧ−ＭＧ５００のままのほうがよかったかもしれん。
　もっとも当たらないのはエルシィの練習不足、というのもあるが、な。」

「貯金が貯まったら、すぐに右腕武器の交換をするわ。」

「そうだな・・・ＷＧ−ＡＲ１０００は、エルシィの戦い方には合わないようだ。」

「うん。」

「今回の収入を足すと、残金は１３６００。おっと、またスポンサー
　からのプレゼントだ。ＷＰ−ＳＰＧＵＮ。肩装備の武器だな。」

「・・・ってこれ、膠着状態にしないと撃てないじゃない。」

「そりゃ、大型武器だからな。」

「却下。売却行き！」

「・・・とこいつは８９５００で売れるから・・・」

「やったぁ♪　マシンガンを売り払って、ライフルを買うわよ」

右腕武器

変更前	ＷＧ−ＡＲ１０００	４２３００Ｃ
変更後	ＷＧ−RＦＭ１１８	９５０００Ｃ（＋５２７００Ｃ）

オプション

更新前	ＳＰ−Ｅ／ＳＣＲ ＳＰ−ＣＮＤ−Ｋ	５９５００Ｃ
更新後	ＳＰ−Ｓ／ＳＣＲ ＳＰ−Ｅ／ＳＣＲ ＳＰ−ＣＮＤ−Ｋ	９２５００Ｃ（＋３３０００Ｃ）

残金　８０００Ｃ。（機体費用合計を含めた資金　４８１７００Ｃ）

「ん、今度は実体弾防御スクリーンを追加したのか。」

「マシンガンで蜂の巣は嫌なの」

「そりゃ、わかりやすい動機だな」

「やっと、念願のＷＧ−RＦＭ１１８を購入できたし、これからは
　射撃戦でも、不自由しなくて済みそう♪」

「上位にいるレイヴンを見てから言ったほうがいいな。
　４３位は武器腕ＡＷ−ＭＧ２５／２装備のサラマンダー、
　４２位は武器腕ＡＷ−３０／３装備のギアクラッシャー、
　４１位はＷＧ−ＭＧＡ１とＬＳ−２００１装備のポワッソン。
　どれも簡単には勝たせてくれない相手だぞ。」

「次は誰になると思う？」

「サラマンダーの武装ではギアクラッシャーを破壊するのは
　厳しいから、順当にいけばサラマンダーだな。」

「ふーん。」


　ＷＧ−RＦＭ１１８を装備し、実体弾防御スクリーンも追加。
　これで戦闘力倍増、マシンガン対策もそれなりにＯＫ♪
　・・・などと思っていたエルシィ。

　しかし、ＷＧ−ＭＧ５００以上の破壊力を持つマシンガンを
　４門同時発射するＡＷ−ＭＧ２５／２装備のサラマンダーが、
　そんな甘い心構えを粉砕する。

次回「第０７話　サラマンダー　駆る　バック・ファイア」
こうご期待♪