「番組をごらんの皆さん、お待たせしました。アリーナバトルの時間です。
　初日で、赤字路線に転落、との前評判など嘘のように、快進撃を
　続けているエルシィです。」
「・・・そんなに不機嫌そうな顔をするなって。（＾＾；）」
「だって、だって、だってぇ、”初日で赤字路線に転落”なんてことまで
　言われていたなんてショックだもん。」
「ちゃんと、勝ち続けてきているおかげで、評判も少しずつ変わって
　きているぞ。」
「・・・どーいうふうに？」
「遮蔽物の陰に隠れて相手を一方的にミサイル攻撃で沈めるプライドの
　欠片もない娘・・・マシンガンでヤスリ殺すのが好きな娘、
　接近戦をやる度胸のないチキンハートな娘、っと他に・・・」
「・・・どこの・・・誰よ・・・そんなこと言ってるのわ！」

「・・・日刊レイヴン」

「アルフ・・・日刊レイヴンの私が掲載されてる奴、全部、ファイリングして
　おいてくれる？」

「気に入らないんじゃなかったのか・・・？」

「ふふふ、こーなったら、私が連戦連勝を重ねて、彼らがいかに人を見る
　目がなかったのかを、証明してやるのよ！！！・・・そのための証拠。」

「・・・ＯＫ。その日が楽しみだな。」

ＲＡＮＫ　４５ ＰＩＬＯＴ：ブロークンハート　 Ａ．Ｃ．；イーヴルスネイク

ＲＡＮＫ　４６ ＰＩＬＯＴ：エルシィ　　　　 Ａ．Ｃ．ジェーン�T

機体上半身を重装甲パーツで 構成、その選択の堅実さには定 評があり、これからの活躍が期待 されている一人。

一般公募で選ばれた異色の レイブン。収支状態が凹むまで 戦い続けると公約しており、現在 賭けの対象としても注目度Ｎｏ１。

	ブロークンハート		エルシィ
ヘッド	HD-REDEYE		ＨＤ−０１−ＳＲＶＴ
コア	ＸＣＨ−０１		ＸＣＡ−００
アーム	ＡＮ−８６３−Ｂ		ＡＮ−２０１
レッグ	ＬＢ−４４０１		ＬＮ−１００１
ブースター	Ｂ−Ｐ３２０		Ｂ−Ｔ００１
ジェネレーター	ＧＲＤ−ＲＸ６		ＧＢＧ−１００００
ＦＣＳ	ＣＯＭＤＥＸ−Ｃ７		ＣＯＭＤＥＸ−Ｃ７
右腕武器	ＷＧ−ＡＲ１０００		ＷＧ−ＡＲ１０００
左腕武器	なし		なし
右肩武器	なし		ＲＺＴ−３３３
左肩武器	なし		ＷＭ−Ｓ６０／６
備考	なし		ＳＰ−Ｅ／ＳＣＲ




	ブロークンハート		エルシィ
ＥＰ	４３２１／６０００		４８６４／９９８８
ＬＥＧＳ　ＷＰ	４２８０／４５１０		４２８２／４４７０
ＣＯＲＥ　ＷＰ	２２４２／３６００		１５７０／２７７０
攻撃力	１０５		９３５
防御力	３５２０		３３３８
安定性	２７１３		１０１８
機動性能	５１５０		５９２０
移動性能	２８７０		２７７０
旋回性能	１２８０		１１５０
上昇性能	１０００		２０００
レーダー性能	１１３６		１７０８
レーダー有効範囲	５９８		１１７０
ＦＣＳの機能性能	５３８		５３８
総合ポイント	１２６２４		１２９１９
評価	ＯＫ		ＯＫ
ＡＰ	９５４５		８３９６
ＷＥＩＧＨＴ	７１９０		６２４８
ＰＲＩＣＥ	２７０９００		３６７０００


「レーダーは搭載してるし、防御力は高めで、機動性能もそれなりに
　ある・・・だいたい逆足特有のジャンプ力も侮れないわ。」

「そして、装備している右腕武器はまったく同じＷＧ−ＡＲ１０００だ。」

「ＡＰもイーヴルスネイクのほうが１２００も高い・・・と。」

「だから、撃ち合いを続けていたら、危険だ。防御力も相手のほうが
　あるという意味から言っても、不利と断言してもいい。」

「ミサイルでどれだけ削れるか、にかかっているわけ、ね。
　番組始まっていらい、最大のピンチって奴じゃない。」

「・・・これでミサイルが使いづらいマップだったら真っ青だな。」

「・・・」

マップはランダムに選出され・・・廃港マップとなった。



海水面の変動により、海底が露出し 乾ききった廃港。うち捨てられた船 が点在しており、その周囲での ミサイル戦闘は効果が薄い。広い ので遠距離戦を行うことは可能。


「またまた、初登場のＭＡＰね。さみしい雰囲気が漂う
　場所よね。」
「船の残骸と、港湾施設の残骸が一応、遮蔽効果を
　もっているが、どれも高さがないから、あまりそれらを
　使って回避することは考えないほうがいいだろう。」
「見晴らしがいいわね。それに広いし。」
「夜間戦だからな。相手を見失わないように注意しろ。」
「はーい。」

「はぁ、ストレスが溜まったぁ。」

　いつも通り、リプレイ映像が表示されている。
　距離をとって、エルシィはミサイル攻撃を続け、
　ブロークンハートは、逆足のジャンプ力を生かした
　立体的な機動を組み合わせた回避をしつつ、
　接近しようとしている。

　エルシィの放つミサイルも、地形に着弾したり、
　機動回避され、想像以上に命中率が悪く、
　徐々に距離も詰められていく。

　そして、ブロークンハートの途切れることのない
　マシンガン乱射が始まった。

「ミサイルを全て撃ちきったのに、相手のＡＰが５５００も
　残っているのを見て、うんざりしたわ。」

「だが、遠距離戦に徹したおかげでほとんどダメージを
　受けなかったじゃないか・・・ここまでは。」

　双方ともに同じマシンガンを乱射し、相手に対して、
　ひたすら、射撃を続けていく。

「そうね。この後、延々とライフル戦を続けていったんだけど、
　ほんと、削るのがとっても大変だったわ。
　ＦＣＳがやたら小さいせいで、相手を捕らえるだけでも、
　大変だったのに、加えて相手はとっても丈夫なんだもの。」

　観客が見るのに疲れてくるほど、双方ともにＡＰを
　少しずつ削りあう長い戦闘が続いたが、はじめに
　ミサイルでＡＰを削っていたこと、機動回避により、
　かなり、ブロークンハートより被弾率が低かった
　こともあって、エルシィが先に相手を撃破した。

「ま、そうだな。だが、ろくにテストもせずに、武装を交換
　したエルシィに文句をいう資格はないぞ。」

「・・・アルフ、ＦＣＳ形状が変化するの知ってたんでしょ。」

「俺は整備士だ。当然、知っている。」

「・・・・・・習うより慣れろ、がアルフの口癖だもんね。」

「そういうことさ。ＳＰＥＣＩＡＬタイプのサイトがどんなもんか、
　理解できただろう？　それに勝てたんだから、よかった
　じゃないか。」

「まぁ、ジェーン�TのＡＰは５９４７／８３９６　だから、
　思ったよりは機動回避が成功していたわけだし、
　いい教訓には、なったと思うわ。」

「じゃ、問題なしだな。」

「・・・なんだかものすごーく、疑問が残るんだけど？」

「そうか？」

「今回の収入１００００Ｃを合わせると、残金は２２６００だ。」

「早く、ＲＦＭ１１８ライフルが欲しいわ。あの巨大なサイト、破壊力、
　連射速度、射程・・・どれをとっても理想的だもの。」

「だが、所持金がぜんぜん足りない。」

「じゃ、オプションのジェネレータ内臓コンデンサ増設、を購入する」

「ほう、そりゃまた、どーしてだ？」

「少しでも、機動運動の時間を長くすることで、被弾率を低下させる
　ためよ。・・・本当は、武器も変えたかったんだけど、今回は、
　仕方がないから我慢するわ。」

「そうか。しばらくは、小さいＦＣＳに慣れるのに苦労しそうだな。」

「今回、十分、苦労したわよ。」

オプション


更新前	ＳＰ−Ｅ／ＳＣＲ	３８５００Ｃ
更新後	ＳＰ−Ｅ／ＳＣＲ ＳＰ−ＣＮＤ−Ｋ	５９５００Ｃ（＋２１０００）


残金　１６００。（機体費用合計を含めた資金　３８９６００Ｃ）

「これで、本当に被弾率が下がるといいんだけど、ね。」
「そればっかりはエルシィの腕しだいだな。」
「うん。」

「小さいＦＣＳに苦労しながらも、残ＡＰ量からみると、余裕の
　ある戦いができた、といったところよね♪」
「まぁ、残APだけを見れば、な。実際は酷いもんだったぞ。
　撃ったマシンガンの弾、半分は外れてただろ？」
「・・・それはちょっと厳しい評価なんじゃない・・・？」
「もう一回、リプレイ見てみるかい？」
「・・・もー、はいはい、確かに命中率は悪かったです。
　次回までにもう少し、訓練します・・・ってことでいいんでしょ。」
「素直だな。」
「・・・ところで、次の相手は誰なのかわかる？」
「キラー･ラビットなのは間違いない・・・エルシィだってそう思うだろ？」
「確かに、サラマンダーさんにキラー･ラビットさんが勝てる
　とも思えないし・・・、そう思ってたほうがいいわね。」
「あぁ。標準人型相手の射撃戦をメインに練習しておけば
　いいだろう。」
「そーね。」

ＷＧ−ＡＲ１０００マシンガンの小さなＦＣＳに悪戦苦闘しながらも
なんとか勝利を収めたエルシィ。
そして、そのランクに留まっているのが不思議、と噂される機体
評価ＰＯＯＲのキラー･ラビットが、前評判通りに、対戦相手に
決まった。

次回「第０６話　スパイラルバニー　駆る　キラー･ラビット」
こうご期待♪

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