「番組をごらんの皆さん、お待たせしました。アリーナバトルの時間です。
　彗星のごとく現れた謎のレイブン”エルシィ”がまさかの勝利を収め、
　ＲＡＮＫ４８に挑戦！どういった結果になるのか、今から楽しみですね。
　・・・本人が言ってちょっと恥ずかしいけど、その”エルシィ”です。」
「アルフです。」
「なーに、あの開始時に読めって言われた説明は！」
「えらく複雑な表情をしているじゃないか？　どーした？」
「”彗星のごとく現れた謎のレイブン”？　オーディションで選ばれて
　でてきた素人の女の子って、プロフィールはしっかり書いてあるじゃない？」
「あぁ、それ？　週刊誌の見出しから引用したんだ。言っていることもそれほど
　間違っちゃいない。」
「？」
「素人の女の子が、どーして泣く子も黙るランカーレイブンを撃破するんだい？
　十分、”謎のレイブン”だろ？」
「私だって練習したのにぃ」
「視聴者は、そうは見てくれないのさ」
「それになーに、”まさかの勝利”って。機体性能からいっても、そこそこの勝負に
　なりそうだったし、遠距離戦だけで考えれば、私のほうが有利だったじゃない？」
「さっきと同じ理由さ。賭けのオッズは　１：５で、エルシィの勝利ってほうは
　大穴だったんだ。知らなかったのかい？」
「賭博に興味ないもの」
「ま、そういうわけさ」
「ま、気を取りなおして、今度の相手について、教えて」
「今週、ＲＡＮＫ４８にいるのは、ブラック・ルーク　だ。」
「特徴は？」
「まぁ、機体特性そのまま。高速機動しながら、遠距離を保ちつつ、ミサイルを
　ひたすら打ち込んで、相手を粉砕するってやつさ。詳しくは、ＡＣデータ比較
　のところで説明してあげよう」
「はーい」

ＲＡＮＫ　４８ ＰＩＬＯＴ：ブラック・ルーク　 Ａ．Ｃ．：リクルートスコア

ＲＡＮＫ　４９ ＰＩＬＯＴ：エルシィ　　　　 Ａ．Ｃ．：ジェーン�T

両腕にミサイルランチャーを 搭載し、機動力のある機体を活 かした、高速戦闘を得意として いる。

一般公募で選ばれた異色の レイブン。収支状態が凹むまで 戦い続けると公約しており、現在 賭けの対象としても注目度Ｎｏ１。

	ブラック・ルーク		エルシィ
ヘッド	ＨＤ−ＯＮＥ		ＨＤ−０１−ＳＲＶＴ
コア	ＸＣＨ−０１		ＸＣＡ−００
アーム	ＡＷ−３０／３		ＡＮ−２０１
レッグ	ＬＦＨ−Ｘ３		ＬＮ−１００１
ブースター	Ｂ−Ｐ３２０		Ｂ−Ｔ００１
ジェネレーター	ＧＲＤ−ＲＸ６		ＧＢＧ−１００００
ＦＣＳ	ＣＯＭＤＥＸ−Ｃ７		ＣＯＭＤＥＸ−Ｃ７
右腕武器	なし		ＷＧ−ＭＧ５００
左腕武器	なし		なし
右肩武器	なし		ＲＺＴ−３３３
左肩武器	なし		ＷＭ−Ｓ６０／６
備考	なし		なし




	ブラック・ルーク		エルシィ
ＥＰ	４５９４／６０００		４８６０／９９８８
ＬＥＧＳ　ＷＰ	２５３３／３８１０		４２２４／４４７０
ＣＯＲＥ　ＷＰ	４８０／３６００		１５１２／２７７０
攻撃力	８３０		９６５
防御力	２４９７		３１１１
安定性	７１０		１０１８
機動性能	６２６０		５９２０
移動性能	４２１０		２７７０
旋回性能	１０５０		１１５０
上昇性能	１０００		２０００
レーダー性能	１３３６		１７０８
レーダー有効範囲	７９８		１１７０
ＦＣＳの機能性能	５３８		５３８
総合ポイント	１１６３３		１２７２２
評価	ＯＫ		ＯＫ
ＡＰ	７６０３		８３９６
ＷＥＩＧＨＴ	４９３３		６１９０
ＰＲＩＣＥ	３０２２００		３１４６００


「ものすごーく、偏った、というか一点豪華主義な機体構成ね」
「武器が両腕に搭載されたミサイルだけ、だからな。戦い方は
　１パターンしかない。」
「つまり？」
「４脚の移動速度を生かして、距離を保ちつつ、ミサイル攻撃！だ。」
「うわぁ、移動性能なんて１．５倍近く、違うじゃない」
「おっかけっこは、止めたほうが無難だな」
「そのかわり、旋回性能、上昇性能は私のほうが有利だね」
「エルシィの武装は、マシンガンと肩装備のミサイルだから、遠距離
　の戦い方は同じ、接近時はミサイルとマシンガンの撃ち合いって
　ことになる。」
「ブレードははずしちゃったから、そういう作戦になるよね」
「ところが、ＦＣＳは互角だから、ロックオン速度は一緒なんだが、
　腕武器の利点として、両腕から同時発射ってのがある。」
「？」
「つまり、エルシィが１発、ミサイルを撃つと、相手は同じ時間に
　２発、撃てるってことさ」
「えぇぇぇぇぇぇ、それってすっごく、不利じゃない。」
「その代わり、近距離での撃ち合いになれば、マシンガンの連射
　速度は圧倒的だ。」
「近距離戦のほうがいい？」
「ただ、４脚の移動速度は速いから、なかなか弾が当たらない。」
「じゃ、どっちがいいとも言えないわけね」
「まーな。」
「一点豪華主義ｖｓ万能型（ブレード戦闘を除く）ってところか」
「その注釈が嫌い。」
「いらないんだろ」
「むぅ」

マップはランダムに選出され・・・夜間雪原マップとなった。



なだらかな起伏が続く広大な雪原。 中央に街灯があり、若干、明るいが 他に光源がなく、相手を目視しにくい。 マップ下方を川が横切っているが、 水飛沫が発生するためそこを選択 する利点はない。


「やったぁ♪」
「どーしたんだい、そんなに嬉しそうにして？」
「天井がないＭＡＰじゃない。飛んでも跳ねても、ぶつかる
　心配がないなんて、なーんて素敵♪」
「ふむ。それよりは、この起伏がこっちにとって有利だな」
「あっ、わかった。ミサイルの軌道ね？」
「そーだ。リクルートスコアのミサイルは水平発射型、
　ジェーン�Tのミサイルは山なり発射型だからな。」
「有利、有利♪」

「今回は、空が開けているのが良かったわ。障害物もないおかげで、
　好きなように機体を動かすことができたから♪」

　バックに戦闘のリプレイ映像が映っている。
　遠距離が維持できる間は、起伏を利用して、死角から攻撃をする
　ことで、一方的に戦闘を進め、後は空中機動をしながら、
　地上を高速移動で逃げ回り、なんとか距離を稼ごうとしている
　相手を一方的にマシンガンで蜂の巣にしている。

「ご機嫌だね。」
「そりゃそーよ。相手上方からのマシンガン撃ち下ろし攻撃で、
　相手のＡＰを１6００も削ったもの。それに、最後の一撃も、
　上空からの射撃だったのよ♪　楽しくって楽しくって。
　ジェーン�TのＡＰも７１４６／８３９６ってことで、ほとんど
相手からの攻撃を、受けてないし。」
「ランク４９戦はひどかったからな（笑）」
「むぅ。」
「反省点は？」
「立ち止まってミサイルのロックオンをしている最中に、相手からの
　ミサイル攻撃を受けちゃったことかな。本当なら、ブースターを
　使った移動を常にしていないといけないんだものね。」
「その通り。移動目標に当てるのは難しいし、固定目標なら簡単だ。
　もっとも、だからといってずーっとブースターを使ってたら、
　すぐにオーバーヒートになるから、ま、頻度の問題だな。」
「あと、ミサイルがなかなか当たらなかったことが不満かな。」
「おいおい、４６発撃って、相手のＡＰを約６０００も削っているんだ。
　十分じゃないかい？　マシンガンで削ったのは１６００だけだろ？」
「そーいわれれば、そうなんだけど、どーも、たくさん撃つ割には
　当たらない気がするのよ。」
「ま、機動中のＡＣに当てるのは難しいから、相手の動きが鈍くなった
　時に叩き込めばいいんだ。」
「はいはい、おっしゃる通り。次回は、もうちょっと注意するわ」

「ところで、賞金７０００が入ったけど、どーする？
　それと、スポンサーから特別賞としてＧＢＸ−ＴＬっていう
　エンジンが貰えたけど。」

「ラッキー♪　って、それどんなエンジン？　今のよりいい奴？」

「出力は最強だけど、重装二脚か、戦車でもないと積めないほど重い。
　エルシィちゃんは、どっちも嫌いだったよな。」

「鈍重なのは嫌！」

「はい、はい。じゃ、売却ってことでいいんだね。スポンサーも
　何を考えて、こんなのをよこすんだろ。使わないことくらい
　予想できるだろーに？」

「これで、残金合計は、４８０００！　ここは念願のライフルを購入する
　しかないわ！」

「エルシィちゃんが欲しがってたＷＧ−ＲＦＭ１１８？　無理、無理。
　９万５千クレジットもするんだ。　地道に機体の強化を図るのが
　正道だよ。」

「ほぇ」

「気の抜けた返事だね。で、強化方針は決まったかい？」

「こんなところかな」

オプション


更新前	なし	なし
更新後	ＳＰ−Ｅ／ＳＣＲ	３８５００


「ほう、エネルギー防御力強化か。そりゃまた、どーして？」

「さっき、プレスの人から聞いたんだけど、次にやる相手って、
　ドラゴンフライってＡＣらしいの。で、そのＡＣって、
　武器腕のＡＷ−ＸＣ５５００を装備しているんだって。」

「食らったら、めちゃくちゃ痛いレーザーキャノンだな」

「だから、少しでもダメージを減らそうというわけよ。ちゃんと、
　考えているでしょ♪」

「はいはい。偉い、偉い」

「むぅ」

残金　９５００　なり。

「そんなわけで、ＲＡＮＫ４８戦は無難に勝ち♪」
「次回はＲＡＮＫ４７への挑戦だが、プレスの言うように
　ドラゴンフライなのかな？」
「ま、それは来週のお楽しみということで。
　では皆さん、また来週、この時間に会いましょう。」

　あまりにも有利なＭＡＰ、ＡＣ同士の特性のために、労せずに
　勝利を収めてしまったエルシィ。
　テクニックを磨かずに勝利を得たウキウキ気分のエルシィに
　対して、必殺のレーザーキャノンを両腕に装備した４脚ＡＣ
　ドラゴンフライが立ちはだかる。
　「第０３話　シティ・ライダー駆るドラゴンフライとの対決！」
　こうご期待♪

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