第０３話「鳴らない電話」Ｃパート
新たに出現した使徒…シャムシエルは、サキエルと違って海面上
５０ｍの低空を毎時３００ｋｍの高速で移動しながら第３新東京市を
一直線に目指してきていた。
ボクはジオフロントに到着してすぐに初号機にエントリーを始めた。
まだ、シャムシエル到着まで１時間以上あるけど、事前に
やっておく必要があるから。
『シンちゃん、シャムシエルは何を考えている？』
…
向
”…淡々とこちらに向かってくる感じです…ね。”
『サキエルみたいに飢餓感のようなものはないのね？』
触
”…何？”
探
”何が知りたいの…？”
調
『シンちゃん！ちょっと答えて。』
…ん？
”は、はい？”
『感じたことを一通り、説明してくれる？』
”…慎重に調査して淡々とやるべきことを模索している感じです。”
『だいぶ、サキエルとは雰囲気が違うわね…』
”…”
『ねぇ、シンちゃん…使徒に人間の意志を伝えることは可能かしら？』
”どういうことです？”
『どーも使徒って、人間のことなんて眼中にないみたいでしょ。
でも、エヴァのことはちゃんと自分以外の存在として認識してる。
使徒がジオフロントに侵攻してこないなら、迎撃する必要はないわ』
”えっと、どう伝えたらいいんでしょう？
使徒って心に言葉がないんですけど。”
『そーね…離れる、別れる、帰る、去るってイメージでやってみてくれる？』
”はい…”
ジオフロントに近づかないように、とイメージしてみる。
困
…
興
…
…
”心は触れたんですけど、うまく意思が伝わってないみたい…です”
『もうちょっと説明してくれる？』
”こっちが一生懸命、何かやってることには気がついたけど、
遠すぎてよくわからない…とりあえず観察し続けよう…って感じ…だと思う”
『物理的な距離が関係しているのかもしれないわね。
次は第３新東京市に接近したときに試して見ましょう。
まだ、到着まで１時間くらいあるから、それまで休んでて。』
”…わかりました。”
「ジオフロントにこない使徒は迎撃しない。
ずいぶん、思い切った発言をしたものね、葛城一尉」
「第三新東京市の稼働率は１２．８％、稼働するエヴァンゲリオンは初号機のみ。
Ａ．Ｔ．フィールドを人類が展開することはできず、展開できても使徒に一方的に消滅させられる。
…戦わないで済むならそれに越したことはないわ」
「確かに彼我の戦力比は圧倒的…これで敵撃滅を叫ぶだけなら正気を疑うところね」
「それにね…使徒との意志疎通、交渉の余地があるなら、
それを選択するのは賢明な策だわ。
戦闘に使う費用だって、資源だって、人材だって無限じゃない」
「肝心の意志疎通は失敗、それでも試みる価値はある、と判断しているのね？」
「失敗して当然、成功すれば大儲け、失うものはなにもない、って
状況だもの、やるだけやらなくちゃね」
「最近、ミサト、変わったわね」
「何が？」
「ちょっと前なら、何が何でも使徒を撃滅しようとしてた。
…違うかしら？」
「…そうね…そうかもしれない。
最近、シンちゃんやレイと一緒に生活してるでしょ？
それで、考え方が変わったのかもしれないわ」
「…」
「毎日、一生懸命、生きてるあの子達を見てるとね、なんだか
使徒撃滅だけを目的にしてたのが馬鹿らしくなってきたのよ。
…もっと大事なこと…当たり前の生活ができるように、
そんな日々がくるように努力しなくちゃいけない、
そう思うようになってきたのよね」
リツコはミサトが語る表情が少し眩しく感じていた。
同期の友人だったはずなのに、一足先に母親になられた気がしたから。
「…いい傾向だと思うわ。親ははじめから親であるわけではない。
子供を得て、人は親となっていくのだ、ってことね？」
リツコはいい意味で”親”という言葉を使ったつもりだった。
最近、その言葉に憧れに似た感情を持っていることもあって。
「親？ せめてお姉さんってことにして欲しいわ。
まだ私、２０代なんだし」
ミサトは露骨に嫌そうな顔をして、殊更、２０代という言葉を強調して答える。
…どうも、”親”という言葉に抱いたイメージが違っているようだ。
しかし、今度はミサトの言葉にリツコがピクッと体を震わせる。
「…姉と呼んでもらえるように少しは生活を正したほうがいいわね、ミサトの場合」
さっきまでの和やかな雰囲気から一転、言葉の刃が飛び交う戦場へ。
目を合わせないようにするオペレーター達。
「それ…どーいうことかしら？」
「この前、スカートのサイズが合わなくなったって、
嘆いてたのを忘れたわけじゃないでしょう？」
常に健康管理に気を配り、変わらぬプロポーションを
維持し続けているリツコが余裕の笑みを浮かべる。
「さ、最近は健康的な生活を送っているんだから、
そんなのあっという間に戻してみせるわよ！」
確かにミサトは、最近、肌の色艶が良くなってきている。
「それは、シンリくんが食生活をちゃんと管理してくれてる
からでしょう？ どっちが保護者なのかしらね」
「く…そ、それは…」
「せいぜい気をつけることね。今までの生活習慣でそのスタイルが
維持できてきたことだって奇跡みたいなものなんだから」
…つい、リツコの本音が零れる。不規則な食生活、
毎日３本もビールを飲み続けて、どうして抜群のスタイルが
維持できているのか学生時代から不思議でならない。
同じ食生活をしたら、リツコなら、病院送りになるか、
極度の肥満に陥るところである。
「食べた分だけ体を動かして…」
主モニターにＵＮ軍の交戦開始を意味する警告表示が現れ、
雑談をしていた者達は発言を止めてモニターに注目した。
「ＵＮ軍砲撃艦、交戦に入ります。状況、主モニターに表示」
オペレータの声が発令所内に響き、ステルス艦特有の突起物のない傾斜した
外見が特徴の大型軍艦を中心とした艦隊が映し出される。
「さっさと指揮権を渡せばいいものを…困った奴らだわ」
不満を隠そうともせずにミサトが文句を言う。
「彼らにも意地があるんでしょ」
おざなりに応えるリツコの返答もどこか白々しい。
「えっと、あれって１２８ｍｍレールガン装備の砲撃艦…ハルナだったっけ？」
「確かＵＮ軍極東艦隊所属の砲撃艦のはずね。
エヴァのパレットガンと同じ１２８ｍｍＡＰＦＳＤＳ弾を２門の砲塔から
毎秒１０発ずつ発射可能なはず。射程距離は約１５０ｋｍ。
中継観測機器の支援が必要だけど、超水平線攻撃ができるわ」
超水平線攻撃…つまり水平線を超えて、見えていない相手に対して
砲撃を行うことである。着弾までの時間差を逆算して、対象の未来位置に
向かって砲撃を加える方法であり、未来位置を予測するためには別の観察手段…
偵察衛星や、観測機による対象の調査が必要不可欠という特徴を持つ。
「超水平線攻撃で、エヴァのパレットガンと同等の破壊力。
爆弾と違って装甲貫通力って点ならピカいち。
…ちょっとは期待してもいいわよね」
「…そうね」
弾丸の威力は弾速が圧倒的に速いことで戦艦の３０ｃｍ砲弾並、
しかもＡＰＦＳＤＳ弾特有の１点集中突破の特性もあり、
最終的な装甲貫通力は現存するあらゆる砲撃兵器の中で最強である。
しかも、その弾がマシンガンのような連射速度で襲い掛かる。
この砲撃に耐えられる人類の設備は存在しない。
「ハルナ、砲撃を開始、着弾、始まります」
主モニターには、衛星軌道上からの映像と、使徒の周囲を
警戒する無人偵察機の映像が表示されている。
モニターに光の線…白熱化した弾があまりにも高速、しかも連なって
飛翔するために残光が繋がり一筋の光の線に見える…が輝き、
使徒…シャムシエルの表面で激しい爆発が起こり、
その姿が砕け散った弾丸の破片が生み出す煙で見えなくなる。
「砲弾の破片が光学観測すら邪魔をする…か」
ミサトが冷静にコメントする。
「青葉くん、使徒のＡ．Ｔ．フィールドは？」
「確認できません。恐らく無展開のままと予想されます」
「効果は…ないわね」
モニターに表示されているシャムシエルの映像からは着弾時の衝撃が観測されない。
まるで、襲い掛かる攻撃など存在しないかのようである。
「使徒表面の温度、変化ありません」
「温度変化すらさせることができない…これじゃＨＥＡＴ弾も効果はないわね」
それから、５分間、使徒はレールガンの砲撃を被弾し続けたが、
多少、汚れたように見えるだけであり、何事もなかったかのように、
悠然と第三新東京市に向かって飛行を続けている。
「足止めにすらならないなんて、役に立たないわね。
リツコ、エヴァのパレットガン、どーすんの？」
「サキエルは衝撃に対してバランスを崩したのに、シャムシエルは
空間に固定されているかのように、衝撃すら伝わらない。
今回の戦闘では予備兵装に格下げね。
もっと威力のある兵装を開発しなくちゃ、役に立たないわ」
「じゃ、第三新東京市でのシャムシエル迎撃戦は予定通り、
初号機による白兵戦を主体でいいわね」
「そうね。…少しは期待してたんだけど…駄目だったわね」
「人類に対してなら、効果的なんだけどね。
パレットガンが１丁あれば、普通の都市なら簡単に壊滅するもの」
「核シェルターを紙のように撃ち抜く攻撃も、使徒に対して
傷を付けることすらできない…困ったものだわ」
「で、対策としてはどんな射撃武装が考えられる？」
「そうね…弾速をあげて弾の重量を増やしたエヴァサイズの
対戦車ライフルかしらね。全長２００ｍくらいの」
「迫力、ありそうね」
「衝撃波で人類の建造物は紙のように粉砕されるから撃つ時は、
周囲が綺麗さっぱり消えてなくなることを覚悟しておく必要があるわね」
「陽電子砲は？ あれなら衝撃波はあんまりでないんでしょう？」
「空気中の物質と干渉するから、超水平線攻撃は効率が悪いわ。
地球の重力の影響で直進しないって問題もあるしね」
「じゃぁ、レーザーは？直進性なら一番でしょう？」
「空気と反応するから宇宙空間に比べると効率が悪いわね」
「使徒が使った加粒子砲なら？」
「あれは人類の今の技術力じゃ作れないわ。電子を加速するのとはわけが違うもの。
それこそ世界中の電力を集めても、足りないかもしれないわ」
「…人類は蟷螂の斧で戦わなくちゃいけないのね」
「すまないけど、別に技術部も遊んでいるわけじゃないわ。
用意できる最高のものは準備する、そこから先は作戦部の仕事よ」
「はいはい、技術部は作るのがお仕事、作戦部は壊すのがお仕事と」
ピー
外部からの通信を示す警告音が入り、会話が途切れた。
「ＵＮ軍より通信。現時点を持ってＵＮ軍よりＮＥＲＶへ指揮権を委譲する、とのことです」
青葉が淡々と通信内容を報告する。
「手に負えないから助けてくれ、なんて言えるなんていい心構えしてるわ」
「ＮＥＲＶはそんなこと言えないものね」
「とりあえず、砲撃の効果がなくてよかったわ」
「あら？ 攻撃が効かないんじゃ作戦部は困るんじゃなくて？」
「そりゃそーだけど、こっちは最初にシャムシエルとコンタクトしようってつもりなのよ？
話し合いの前に頬を叩くような真似をしてからじゃ成功するものも失敗しちゃうわ。
だから、そういう意味では攻撃が失敗してよかった。
たぶん、シャムシエルは攻撃を受けたって認識自体ない。
コンタクトがスムーズにできる以上、よしとするべきなのよ。
もちろん、役に立たない武器って意味じゃ文句は当然あるわ」
「…結局、成功しても失敗しても文句を言ってたわけね」
「最初からＮＥＲＶに指揮権があれば、もう少しやりようがあるんだけど…
やっぱ戦争に政治が絡むとろくなことがないわ」
「…そうね」
「日向君、作戦開始は４０分後、それまでにデータ収集と作戦準備をよろしく。
私はミーティングルームにいるから」
そういってミサトは発令所から出ていった。
「マヤ、零号機の起動、準備して」
「え？ 先輩、零号機…ですか？ まだメンテナンスも完了していませんが」
以前、レイが起動テストをした時、暴走した零号機は
ベークライトも除去されてケージ内に拘束されている。
「初号機の発進準備は完了済み。ケージ内作業者には
できることをやっておいてもらわないとね。
エントリーの準備もしておいて。実際にエントリーをするのは、
私が指示してからとします」
「…はい」
「最悪の事態に備えた保険よ。使わないならそれに
越したことはないわ」
そう告げるリツコの表情も曇りがちである。
零号機の使用…それは初号機の戦闘不能状態を
意味するからである。
プシュー
ミサトさんが入ってきた。
軽くシャワーを浴びただけだから、ちょっと髪の毛は濡れちゃってる。
綾波さんもプラグスーツを着てミーティングルームにきている。
「それじゃ、これから対シャムシエル作戦について説明をするわね」
ミサトさんがモニターに先ほど撮影されたシャムシエルの映像を写す。
「見た通り、甲殻類みたいな外見で、浮遊したまま第3新東京市に接近してるわ。
ま、ここまではシャムシエルの意思確認テスト時に見たと思うけど、
次の映像は、ＵＮ軍が攻撃したときのものよ」
軍艦が砲撃している映像が表示される。
「このとおり、ＵＮ軍の攻撃が行われたけど、全然効果なし。
揺れもしないし、傷もつかない、反応すらしてくれない、ってところね。
煤汚れた感じになったことが唯一の成果。
だから、今回はサキエル戦と違って、使徒の攻撃パターンは一切不明なの」
前回のサキエル戦では、サキエルの攻撃パターン、行動パターンまで
把握されていたのに、今回は全然、わからないなんて。
「…辛いですね」
ピー、ピー
『日向です。無人偵察機の背面飛行で入手した情報を送ります』
モニターに下から撮影されたシャムシエルが表示される。
『この映像を踏まえた３次元イメージとコアの位置を表示します』
コアは下部、ちょうど、頭と胴体の中間のあたりに半分露出している。
コアの両脇にある膨らみが腕のように見えなくもない。
「日向君、得られたデータも全部、転送して」
『今、送ります』
手元のコンソールを覗きこんでいたミサトさんが、すぐに視線を戻した。
「コアの位置は下部で、攻撃するのは極めて困難な場所ね。
幸い、地面との間の空間は何の変化も見られないから、
最悪の場合、下に潜りこんで攻撃、という選択肢もあるわ」
し、下？ 巨大なエビに上から圧し掛かられるところをイメージして
思わず顔を顰めてしまう。
「…下に入るんですか？」
「わざわざ相手にマウントポジションをプレゼントするのはイヤよね。
だから、今回は上面から地面に縫い付ける作戦を取ります」
「上から刺すんですね？」
「そ。もちろん、時速３００ｋｍで動く相手を刺すのは大変よね？
ところがサキエル戦と同じ作戦は使えない。どうしてかわかる？」
「浮いてるから？」
「そういうこと。サキエルは上からミサイルを当てれば下に落ちる程度の
常識があったんだけど、シャムシエルは外からの打撃なんて全然、
気にしないのよね。だから落としてベークライトで固めるのは無理」
「それじゃ、飛び移るしかないんですか？」
「そこが今回の見せ所。作戦部が自信を持って送り出すこの作戦で
シャムシエルなんてバッチリ止めて見せるわ」
ミサトが操作すると、モニターに”ガリバー作戦”とでかでかと表示される。
「「…」」
妙にアニメっぽい表示…子供向け番組か何かで使うような雰囲気。
ミィーティングルーム内が一瞬、静かになる。
「…今回の作戦は、空中浮遊している対象をその場から動けなくしてしまうってのが主旨なの。
トラップポイントに入った対象…今回はシャムシエルに対して、周囲の兵装ビルから
単分子製ワイヤーを無数に打ち出して、縛り付けちゃおうって話」
ディスプレイには、沢山のワイヤーで兵装ビル間で中吊り状態に
なってピチピチと身体をくねらせているシャムシエルが表示されている。
「このトラップなら例えエヴァンゲリオンだって停止させられるわ。
周囲の兵装ビルごと引っこ抜くくらいの力がなくちゃ脱出できないし。
で、これはあくまでもお膳立ての部分。
さっき、無人偵察機で撮影するときにマーキングした位置…
コアの真裏に位置するんだけど、そこを初号機が上からソニックグレイブで刺すわけね。
で、貫通したソニックグレイブがコアも破壊してシャムシエルは活動停止。
どう？ 良い作戦でしょう？」
自信ありげに胸を張ってニマっと笑う。
寝ているガリバーを見て、慌てた小人達はロープで雁字搦めにして
動けないようにして安心した…ってのが元ネタなのかな？
…でも、確か起きたガリバーが簡単に引き千切ってた気が…。
「…えっと、これならボクでもできそうだと思います」
「そうでしょ？ 残念だけどこれが作戦部ができる精一杯。
危ないって思ったら、武器なんか捨ててもいいから逃げなさい。
武器の換えなんていくらでもあるけど、初号機が損傷したら
簡単には直せないから」
「…はい」
「それと、初号機だけど、この前、テストしてもらったシールドを使ってもらうわ」
壊滅的な被害を受けた第３新東京市の装甲ビル群。
エヴァを攻撃から守る装甲が大幅に減ったけど、装甲ビルは簡単には建て直せない。
代替案は、減った装甲はエヴァに持ち歩く、ってことだった。
初号機の左腕と左肩のウェポンラックを廃止して設けた補助アームで、巨大なタワーシールドを構える。
これは、ボクの左手握力が弱くて、武器が持てないことを補う意味もあるらしい。
あと、減少した兵装ビルをカバーするために、シールド裏側にウェポンラックがついてる。
今回は、プログレッシブナイフが２本と、増設バッテリー。
シールドにナイフを装備したため、右肩のウェポンラックも増設バッテリーに交換。
その結果としてエヴァ初号機は装甲の大幅強化と、稼働時間の大幅な延長…
断線状態でも１０分は動けるようになった…と聞いてる。
「ちょっと重いですけど、初号機って力持ちだからあまり気になりませんね」
「超電磁コーティングがされているから、サキエルの加粒子砲なら余裕で耐えるわ。
ちょっち重いのが難点だけど」
ミサトさんの言う通り、シールドはエヴァと同じくらい重い。
でも、１０人力なエヴァ初号機は、そのシールドを装備したまま、
軽がると飛び撥ねることができる。
「でも、戦わないで済むならそのほうがいいですね…」
「だから、シャムシエルが到着したら、最初は意志疎通のテスト。
それで帰ってくれるなら、作戦はそれでお終い。
何も壊れないで済むから、そうなってくれれば一番いいわ」
「…そうですね」
「…零号機はどうするのですか？」
それまで聞くだけだった綾波さんが指示を求めた。
「レイは、ケイジで待機。場合によっては零号機で出撃してもらうわ」
「…わかりました」
ピー、ピー
『葛城さん、そろそろ到着します。発令所に戻ってください。』
「…とうとうお出ましか。それじゃシンちゃん、レイ、がんばりましょう」
「はい」「…はい」
後書き
さてさて、サクサクとシャムシエル戦が進んで行きます。
初号機は今回からシールドを標準装備。
これで少しは有利になればいいんですけどね〜。
次回はシャムシエルとのコンタクトから始まります。
冬月 「シャムシエル戦が始まったのに、私のセリフはないのかね？」
ＹＯＫＯ「税金の無駄遣いだな、って奴でしょう？
ちゃんとそのシーンはありましたよ。ただ、カメラワークが
シンリ達がいるミィーティングルームに移動してただけで。（笑）」
冬月 「どうも、私の登場シーンが少ない気がするのだが…」
ＹＯＫＯ「今回はちょっと出番は少ないですけど我慢してください。
ちゃんと第４話、第５話には登場シーンがありますから」
冬月 「ほぉ。それなりの長さがあるのかね？」
ＹＯＫＯ「本編準拠♪」
冬月 「使徒が接近中だ、だけなのか？」
ＹＯＫＯ「碇司令、後は頼みます」
ウィンウィンウィンウィン
ＹＯＫＯが座った椅子がそのまま、床に吸い込まれ消えていく。
冬月 「すぐに逃げ出しおって…。碇、どうするのだ？
このままでは、我々の登場シーンは削られる一方だぞ？」
ゲンドウ「…時計の針は止めることはできないが、進めることはできる。
すべてはシナリオ通りだ」
ゲンドウがニヤリと笑う。光が反射してサングラスの奥の表情は
見ることができない。
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